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JANUS(ヤヌス)

JANUS(ヤヌス)

レポート
ファッション
2007.01.06
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

都市開発の進む中目黒に、女性3人が立ち上げた
レディースブランドのショップがオープン

独特のパターンによる立体的な
シルエットが特徴。ニットの
着心地の良いアイテムが揃う。
小物類はすべてインポートブランド。
ブーツはイタリアのシューズブランド
プレミアータのも。
アンティークの宝箱にアクセサリーを
ディスプレイし、妖艶な雰囲気を演出
している。
白い壁が印象的な店内。窓からの採光と
高い天井により開放感のあるスペースを
確保した。
06年9月2日、目黒川沿いのカフェやショップなどが多く立ち並ぶエリアに、レディースショップ「JANUS(ヤヌス)」がオープンした。同店は某アパレル会社で販売をしていた、平片多恵子さん(26歳)と中村香緒さん(27歳)、渡邊由美子さん(33歳)の女性3人が立ち上げた初めての店舗で、企画から販売まですべて3人で行っている。

運営元は(株)フェアーライズ。もともとは自動車販売業及び保険を取り扱う会社で、アパレルを手がけるのは今回が初めて。3人との出会いは03年頃だとか。アパレル業界の目指す方向性で意気投合したことから実現に向け動き出すことに。その後、約2年間の準備期間を経て、06年1月から具体的に始動し、オープンに至った。

「販売の仕事を始めて3年ほど経った頃から、何か新しい事がしたいと思い始めたんです。売るだけの立場ではなく、自分達の手で作りあげたものを提案したいと思い、ブランドを立ち上げました」(中村さん)。

商品構成はオリジナルが約9割でセレクトが約1割。小物類は全てインポートブランドで、イタリアの老舗ブランドであるプレミアータのブーツなども扱っている。オリジナルブランドのコンセプトは20代後半〜30代の働く女性に向けた、ON・OFFスタイル。ONをテーマにした「LABYRINTH(ラビリンス)」は、独特なパターンによる2WAYや3WAYで着こなせるジャケットやパンツなど、構築的なデザインが特徴だ。OFFをテーマにした「SHAMELESS(シェイムリス)」は、カットソーなどを中心にカジュアルな普段使いのアイテムが揃う。両者ともタイトでありながら、ジャージー素材特有の収縮感による、機能性に優れた着心地の良いアイテムが多い。全体の色使いも黒やグレー、ブラウンなど、押さえた色味が多く、全体的にシックな印象。価格帯はジャケットで2万円〜5万円、ボトムスは1万8,000円〜4万円、ニットなどは2万円〜10万円ほど。

「JANUS(ヤヌス)」のターゲットは20代後半〜30代の働く大人の女性で、ブランドに流されることなく独自のスタイルを持ち、仕事もプライベートでもオシャレを楽しむ方達です。トータルコーディネートでまとめて10万円以上購入される方もいらっしゃいますが、JANUSの商品をコーディネートのポイントとして購入される方もいらっしゃるので、客単価は様々です」(平片さん)。

店舗面積は約14坪。地下1階にありながら大きな窓からの採光と、通常よりも高い天井が、まったく狭さを感じさせない。「異空間」をテーマにデザインされた店内には、長期に渡り探して買い付けた、アンティークの宝箱や什器などが並び、妖艶で独特な雰囲気を醸し出している。

出店場所については、「ファッション感度の高い大人の女性が多く行き交う、恵比寿、代官山、中目黒で探したところ、狭いエリアにアパレルショップやカフェなど様々な店が立ち並ぶ、凝縮された街のつくりが気に入り、中目黒に決定した」のだそうだ。

同店舗の場所は、99年ごろから人気が急上昇している「中目黒川沿い」。「A.P.C.surplus(アーぺーセー・サープラス)」や「carlife(カーライフ)」、「rip van winkle(リップ・ヴァン・ウィンクル)」など、人気アパレルブランドの他、飲食店の「東山」が運営する和菓子屋「SABO(サボウ)」や本のセレクトショップ「cow books(カウブックス)」など、住宅街のなかにありながら、コンセプチュアルなショップが並ぶ独特なエリアだ。一時は週末になるとものすごい若者たちでごった返していたが、ここ1、2年は少し落ち着きを取り戻し、大人の来街者が増えたような印象を受ける。

「中目黒は渋谷や原宿に比べると人通りは少ないですが、個性を大事にするお客さまが多いように思います。そのようなお客さまにサロン感覚で、ゆったりと私たちの服を見ていただきたいですね」(平片さん)。

居住者も多く、小規模の路面店と商店街が多い中目黒。その多くのショップが同店のようなターゲットを絞った商品構成で、来街者を魅了しているといえる。しかし、ここ数年、再開発事業が進行し、利便性だけを追求したかのような都市化の流れが起きているのも事実だ。02年4月には駅前に、公共施設や店舗、住居の構成の「中目黒GTタワー」がオープンしたのを皮切りに、09年の完成をめざし、山手通りを挟んだ上目黒1丁目に、地上45階建ての住居兼商業ビルの着工がいよいよスタート。12年には地下鉄13号線も東急東横線に相互乗り入れとなるなど、ターミナル化することで都心部からの人の流れが増えると予想される。さらに、山手通りの拡張工事も進んでおり、大規模な都市開発の波を目前に控え、新旧入り交じりながら独自の発展を続ける中目黒の街にも今後注目していきたい。

[取材・文/武藤孝子(ファッションライター)+『WEBアクロス』編集室]

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