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Pick(ピック)

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レポート
ファッション
2007.02.09
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

ネットで人気の古着屋が中目黒に
リアル店舗をオープン

ホテルのクローゼットを思わせる
ウッディーな棚にはジャケットや
シャツなどのシックなアイテムが並ぶ。
ジャージやカットソー、Tシャツなどは
日本人の体に合う小さめのサイズが
充実している。
イギリスから買い付けてきた
デッドストックのデッキシューズ。
(\5,040)
70年〜80年代の古着だが、現在でも
十分通用するデザイン。「古着を
ミックスしコーディネートして
頂きたいですね」(尾崎さん)。
通販用のカタログには、常時1,800点
以上の豊富なアイテムが掲載され、
WEBと平行して、カタログでも購入
できる。
東京・中目黒の目黒川沿いにある「pick(ピック)」は、ファッション感度の高い男女から人気を集める、ヨーロッパテイストの古着ショップだ。アンティーク家具の什器や内装を持ち、リーズナブルで旬なアイテムを幅広く取りそろえたセレクトショップとしての性格が強い。

運営元は(有)ペーパー。同店はもともと、人気の古着ネット販売サイト「pickオンライン」初の直営店。同サイトでは、ミレーのダウンジャケットやライダース、アディダスジャージなど、グレードの高い欧米の直輸入メンズ向け古着を取り扱っている。レディスや革靴など新しい挑戦で客層を広げる目的で直営店をオープンした。店長の尾崎雄飛さん(26歳)が、大手セレクトでMDとバイイングを担当していたこともあり、トレンドに沿ったスタイリング提案も特徴だ。

06年8月25日にオープンした店内に一歩はいると、まず目に飛び込んでくるのは奥の大きなシューズシェルフ。縦と横の壁一面を全て使ったこのシェルフには、メンズとレディスの革靴がずらりと並ぶ。すぐ正面には、商品を見ながらゆったり座れるビンテージソファー。内装のイメージはここから始まったと言う通り、店内の什器や小物は、イギリスのアンティークにこだわってセレクトされており、“雑多なジャンク品”にイメージされる従来の古着屋とは異なる。内装はアディッション・アデライデも手掛けたインテリアデザイナーと共同で作り込んでいったという。ヨーロッパの街角でよく見かけるブティックのような雰囲気だ。

メンズアイテムは、アーガイルニットやサイクリングウェア、ハット、ハンチング、オックスフォードボタンダウンが豊富に取り揃えられており、ヨーロピアンテイストが強く打ち出されている。古着ショップには定番のニット帽やTシャツ、アディダスジャージ、プリントシャツなども販売されている。レディスでは、トレンドのトレンチや大きめニットの他、ウールコートやツイードジャケット、そしてファーアイテムが中心となる。価格はジャケットが1万円台、パンツ、スカートが8,000円前後、コートが2万円台。バイイングを手掛けたのは、主に店長の尾崎さん。メンズとレディスがちょうど半々となっており、アイテムは常時4,000〜5,000点を揃えている。

革靴は7,000円〜4万円で、中心価格は1万5,000円。ただ、革靴はソールがリペア済みで、手入れもしっかりしてあるため、言われなければ中古品とは思えない。取材中、もう1人のバイヤーである大貫達正さん(26歳)が暇を見つけては、手慣れた様子で靴クリームを塗っていた。「長く履いてもらいたいですから」とは尾崎さん。同店では、顧客の相談に乗り、靴のケア用品も取り揃える徹底ぶりだ。

大手セレクトでレディス及びメンズのバイヤー経験を持つ店長の尾崎さんは当時、「“新品屋”は誰もが感じることですが、売り場に出た時、商品のバリエーションの少なさに悩まされた」と指摘する。トレンドに沿った商品提案の上手なアパレルほど、売れ残りを嫌う。回転の速い売り場では必然的に外す商品が少ないが、その一方で物足りなさを感じている人は少なくないのでは、と感じていたという。

「トレンドに沿った提案をしながら、流行に関係なくビンテージものも揃えています」(尾崎さん)。

そのため商品は、きれいに磨き上げられ美しい光沢を放つ革靴、色落ちの少ないニット、程よくビンテージ感を持つレザーアイテムなど、どれも状態の良いものばかり。古着特有の消毒臭はなく、どれも丁寧に手入れが施されている。「安さやジャンク感といった従来の古着的価値ではなく、古着を通常買わない人がスタイリングに取り入れるような品揃えを目指した」という。その狙いは、成功したと言えるだろう。客単価は6,000円で高いとされる古着の相場において、それを大幅に上回る1万4,000円ほど。しかも予想以上に商品の回転が早く、2ヶ月に1回だった買い付けを増やす予定という。

今後は、グレード感は維持しながら、ちょっとテイストの違うアイテムを揃えた店を原宿辺りにオープンしたいという。セレクトショップの販売ノウハウと古着ならではの商品バリエーションの豊かさを結びつけるやり方は、まだまだ伸びそうだ。

[取材・文/横山 泰明(ファッションライター)+『WEBアクロス』編集室]


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