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PANAMABOY(パナマボーイ)

PANAMABOY(パナマボーイ)

レポート
ファッション
2007.02.16
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

古着屋の老舗パナマボーイが
初のアウトレットスタイルの店舗をオープン

店内は約6坪。所狭しと並ぶ古着から
“お宝”を探すのが古着屋の醍醐味。
50%オフの特売コーナーも設置。
もちろん付いている価格からさらに
割引される。
古着経験値の高い大人の男性は
慣れた手付きで商品をチェックしていた。
左から、ジャケット525円、チャンピオンの
トレーナー1,050円、コロンビアの
プルオーバー525円。という激安価格!
レディースはポップな柄ものが充実。
少量だが雑貨や家具類も扱う。
06年10月、古着の老舗ショップ・PANAMABOY(株式会社パナマボーイ)が、初となるアウトレットスタイルの店舗を渋谷区・富ヶ谷の本社ビル1Fにオープンした。1979年に原宿・竹下通りでスタートして以来30年以上のキャリアがある同社の、7店舗めとなる店だ。

「場所的にもただの古着屋では見向きもされないので、アウトレット以下の価格で勝負しています。全体的に相場から3〜4割安くしていますが、特売コーナーも常設し、セール時は50%OFFで提供もしています。今、店内にある商品で一番安いのは175円のTシャツ。自分でいうのもなんですが、スペシャル安いんですよ(笑)」(同社事業部長 山田峰人さん)。

同社が現在の場所に本社を移転したのは97年。当初から、併設する倉庫で、アメリカから大量に仕入れた古着を状態や売れ筋で仕分ける作業を行っていた。その際に出た直営店舗に合わないものや流行に合わないものを1Fの倉庫前で箱売りしたのが最初である。その後ラックを設置し、1枚100円〜として販売したところ人気に。客層は近所の主婦や近隣のアパレル会社の社員などで、リメイクのパーツとして購入されることもあったという。その後、徐々に購入者が増え、とうとうアウトレットの「店舗」として本腰を入れることになったというわけだ。

場所は、最寄駅である井の頭線の駒場東大駅、小田急線の代々木上原駅のどちらからも徒歩10分以上かかる住宅地。ちょうど東大駒場キャンパスの裏手にあたる。人通りは少ないが、環七方面から渋谷界隈への抜け道のため車やバイク、自転車は多い。

店先に500円〜という破格の商品やデッドストックの小物が並ぶ様子は、外国のガレージセールさながら。約6坪の店内の奥では、仕分け等の作業を行っているという雑然とした雰囲気にも、“穴場”感を感じる。店舗にしたことで、アウトレット品だけでなく既存店に並べられるグレードの商品も投入しているということだが、ざっと見たところ全体的にも目立った汚れや傷はなく、十分に活用できる品ばかりであった。そして探せば、500円のアバクロンビー&フィッチのTシャツや、300円のエディー・バウアーのサーマルシャツといった掘り出しものに出会える。

商品構成はメンズが約7割。Tシャツやサーマル、パーカー、ミリタリーアイテムやブルゾン類など、流行に流されない王道のアメカジ古着が主流。倉庫(現在はB1F)に直結した店舗のため、女性客が増えるなど状況に合わせて臨機応変に対応できるのも、同店ならではのメリットだろう。

原宿本店や池袋パルコ店など既存店では10〜20代の女性をターゲットにしているが、同店では近隣に在住・勤務する20代後半〜30代の男性がメイン客層。大人になった今も新品と古着をうまくミックスした着こなしができる、若い頃から古着に馴れ親しんだ世代である。

大型の古着量販店の普及により古着界では客層の低年齢化が進み、小学生〜中学生が主流になりつつあるという。一方、大人には一部の古着屋やセレクトショップなどで扱う高価な人気ブランドのヴィンテージが売れているというが、それには“ブランド”と“ここで買った”という安心感による購買が大きい。かつての、古着の“お宝探し”的な楽しみ方は薄れてきていると山田さんは話す。

「トレンドがカジュアルよりもドレスアップ志向になっているし、新品が求められる傾向も強い。昔はファッションビルにひとつは古着屋が入っていましたが、今はほとんどありませんよね。以前のように“古着ブーム”という状況とはいい難いのが現状です。でも逆に古着好きにとってはいい時ともいえるんです。たとえば数年前に数十万単位の高値が付いたヴィンテージのリーバイスが数万円などかなり手頃な価格で買えるようになっていますしね。そして、古着の面白さは、こんな所にこんなモノという発見。自分の価値観で満足してもらえることです。そんな古着を探しに来てもらえたらと思います」(山田さん)。

子どもをターゲットにした量販店と、大人をターゲットにしたヴィンテージブームという二極化が目立つ昨今の古着業界。だが、住宅地のど真ん中というマニアックな立地であったり、日用品を買う感覚で気軽に立ち寄りやすい雰囲気であったり、深夜まで営業していたりなど、安価でジャンクそして“探す楽しみ”という古着の醍醐味を大人が気兼ねなく楽しむことができる構造を作るのも、古着屋のひとつの形態としてありえるのかもしれない。

[取材・文/本田亜友子+『WEBアクロス』編集室]

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