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maruse(マルセ)

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レポート
ライフスタイル
2007.07.31
この記事のカテゴリー |  インテリア・雑貨 | 

国内外からセレクトされた「こだわり」の
品々が並ぶ代官山の雑貨店

天井まで届く高さの陳列棚。木材の
質感を生かしたシンプルなデザインが
商品を際だたせている。
琉球ガラス工芸職人の稲嶺盛吉氏の作品。
ドイツ在住の友人が蚤の市で買い付ける
アンティークの雑貨のほか、江戸箒などの
荒物も揃う。
07年6月14日〜6月24日まで開催されていた
「されど、Tシャツ展。」。個性的な作品が
店内に展示・販売された。
通路側から自然光が差し込む店内。落ち着
いた雰囲気のなか、買い物ができる。
代官山駅からも渋谷駅からも近い雑居ビルの2階に、木曜日〜日曜日の4日間のみ営業している雑貨のセレクトショップ『maruse(マルセ)』がある。オープンしたのは06年4月16日。オーナーの黒川洋行さんの本業はイラストレーター、CMプランナーだ。

運営するのは有限会社黒川庄太郎商会。もともと名古屋で二代に渡りかつおぶし屋を営んでいたが、8年前に解散。いつかは「祖父の名前が付いている会社名を復活させたい」という黒川さんが3年前に同名の会社を設立した。

「長年グラフィックデザイナーという仕事をしてきたんですが、クライアントとの取り引きのみで生活者と接触する機会がなく、リアル感にかけていると感じていました。それが、ある日、某アーティストのコンサート会場で自分が関わったグッズが売られており、それを嬉しそうに買い求めるお客さんの姿を見てリアル感を肌で感じました。それがお店を意識するようになったきっかけです」(黒川さん)。

オープン当時のコンセプトは「男性が気軽に雑貨を選べる店」。以前から、女性がメインターゲットの雑貨店が多いことに疑問を感じていたという黒川さん。男性がひとりでも入りやすい店を目指した。そのため、想定していたターゲットは30代〜60代くらいまでの男性だったが、実際は女性も多く、また夫婦での来店も少なくないという。

商品は全て黒川さんが直接買い付けてきたもの。主力商品の琉球ガラスは、その道の第一人者でもある稲嶺盛吉氏のもの。黒川さんが沖縄の工房に直接交渉をして取り扱うことになったもので、工房でも入手困難な作品も多く取り扱う。わざわざ遠方からくるファンもいるそうだ。その他、フィンランド人アーティストのタルモ・マーロネンによるクラフトガラスの「ビアンコ・ブル」や、ドイツ在住の友人が蚤の市で買い付けてきた雑貨もある。国内からは家具の修理、リメイクデザインを手がける工房「pneuma」とのコラボレーションによるオリジナルのリメイク家具も販売している。

「他店じゃ買えないようなこだわりのものがあり、ウンチクもある店というのが理想ですね。ただ商品を並べて売るだけでなく、コミュニケーションを取りながら、納得して買って頂きたいです」(黒川さん)。

この立地に決めた理由は、「多くの人が利用するターミナル駅の近くだが、表通りには面していない少し分かりづらい場所」という当初からの条件に合致していたから。もともと気になっていたところ、タイミングよく空きになるということが分かり即決定したのだそうだ。

14坪の店内は白を基調にしたシンプルで清潔感のある雰囲気。天井まである大きな白い陳列棚が一際目をひく。内装はインテリアデザイナーの小泉誠氏に“粗く、ワイルドに”と依頼。コンクリートがむき出しの天井や、極力加工を施さず素材そのままの味を出した什器により、客をほっとさせる効果が演出された。「無駄のない完璧な内装の中で商品を見るのは疲れるから、リラックスしてほしい」という思いからだそうだ。

また同店では、月1回ほどのペースでイベントが行われている。「商品と客層が偏らないように」という思いから。チベットのビーズなどを展示した「アンティーク・ビーズ展」や、16組のアーティストによるオリジナルTシャツの展示・販売を行った「されど、Tシャツ展。」などが開催された。終了後もそのまま店頭で取り扱うことになった作品もあり、同店の「こだわり」の源といえる。

弊誌でも取り上げた宇田川町にあるレストラン「cafe gooch(カフェグーチ)」や、06年4月にオープンした菜食主義レストラン「ビーガン ヒーリングカフェ」のように異業種に従事しながらも、オーナーのこだわりを形にした店舗を立ち上げるケースが増えている。そこに共通するのは生活者としての視点と、異業種出身ならではの固定概念に縛られることのない自由な発想だろう。そこに次の時代のトレンドにつながるヒントもありそうだ。

[樋口大輔(フリーエディター)+WEBアクロス編集部]

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