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BEACON Tower Residence(ビーコン タワー レジデンス)

BEACON Tower Residence(ビーコン タワー レジデンス)

レポート
ライフスタイル
2007.09.14
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開発が進む東雲エリアに新コンセプトの
タワーマンションが登場

キッチンは全室次世代型オール電化
システムを採用。
トランジットジェネラルオフィスがブランディング・プロデュースで参画する高層タワーマンションが2009年、湾岸エリアの江東区東雲に誕生する。それが「BEACON Tower Residence」だ。大成建設グループの有楽土地株式会社を中心とした共同事業によるもの。今回、都内でカフェやデザインホテルを手掛けるトランジットジェネラルオフィスがソフト面のコーディネートを担当。「生活の遊び場」をコンセプトに、[ファッション][音楽][デザイン][アート]の4つのキーワードを掲げている。

トランジットジェネラルオフィス代表・中村貞裕氏のプロデュースにより、一般的なマンション開発には見られない、ジャンルを超えたメンバーが集結。「ロゴ・サイン計画」はタイクーングラフィックスの鈴木直之氏、「照明デザイン」はI.C.O.Nの石井リーサ明理氏、「カフェデザイン」はLINE-INCの勝田隆夫氏、「スタッフのユニフォームデザイン監修」はファッションディレクターの森岡弘氏、「レジデンシャルスイートのデザイン」はLVJグループのセリュックス、「アーティスト・ウォールアート」には、SCAI(株式会社白石コンテンポラリーアート)「アートキュレーション」推薦による、アメリカ人アーティストのDzine氏、「カフェサウンドプロデュース」はトランジットレコーディングスタジオの江頭ミニマム康郎氏といったそうそうたるメンバー。分譲マンションよりもエッジの効いた商業施設やホテルといったフィールドのイメージが強い人材ばかり。

高層マンションにブランディングプロデューサーを起用するというのは珍しいケースだが、この「BEACON Tower Residence」を含む東雲地区開発のメガ・プロジェクト「東雲キャナルコート」全体が既に、デザイン街区として独自のカラーを打ち出している。有識者・実務家からなる街づくり委員会を設置し、街区ごとに山本理顕氏をはじめとする建築家を起用。中心にある住宅都市整備公団の集合住宅は、オープン時に大貫卓也氏のディレクションによって「CODAN」として、大胆なブランディングを実施したのは記憶に新しい。しかし、CODANのブランディングとは裏腹に、民間によるキャナルコート内の分譲タワーマンションが、それを活かし切っているとは言いがたい。

リビングルームからは、東雲の景色が一望
できる。
ウォークインクローゼットが併設され、
収納スペースもきちんと確保されている。
靴を履いたままでも利用できる、シューズ
インクローゼット。
「東雲キャナルコートは街のインフラとして、デザイン街区のイメージがすでに成り立っていたので、僕らはその辺を受け継ぎながら、時代のセンスを加えていくような形で展開していきたいと考えました。東雲は豊洲に対するオルタネートというか、湾岸開発の中でもちょっと違った街並みだ、という感覚を出したかったんです」(有楽土地(株)土山広志さん)。

現在、東雲に限らず、湾岸エリアのマンションの広告は田村正和や本木雅弘、マドンナなど、軒並みビッグタレントを起用したプロモーションを展開している。しかし、タレントフィーは億単位、さらにTVCMも含めれば莫大なコストがかかっているのは明らかで、ユーザーの中にはこうしたタレント起用のプロモーション手法が、物件価格に跳ね返っているんじゃないか、という意識もあるはずだ。このように、タレント頼りのプロモーションに傾きがちなのは、宣伝予算のフィーが大きいから、というばかりではない。かつて富裕層向けの8000万〜1億円の価格帯中心だったタワーマンションも、05〜06年あたりからは、一般的なファミリー層からも購入の対象として検討されるようになった。そうした事から、供給も増え“湾岸エリアのタワーマンション”というだけで売れる時代は終わり、激しい競争と選別の段階に入ったためと考えられる。加えて湾岸エリアは、土地固有の文化やイメージが希薄という事実もある。そのため、物件のイメージをビッグタレントに託したプロモーションに傾きがちなのは、無理もない。「BEACON Tower Residence」の場合は、デザイン街区としての東雲スタイルにこだわり、タレント起用の大型プロモーションから離れた戦略を取った。

「やはり普通の戦略では後発の僕らは埋没してしまう、という危機感がありました。しかし実際は、タレントを使っていないということが、かえってお客さんにも信頼感をもって受け止められているようです」(土山さん)。

CODAN住民を対象としたグループインタビューを徹底して行った結果、青山・渋谷という東京の西側先端エリアへの勤務者が予想以上に多かった。内訳として、公団が狙っていた通りのクリエイティブ層も入居しており、やはり、りんかい線を使えば移動時間20分程度という西側との近接性と、比較的リーズナブルな価格には魅力があるといえる。

「他の湾岸タワーマンションよりも、デザイン性の高さを追求していきたいと考えました。社内でも「What's Designe?」みたいな議論を重ねたんですが、デザインを意匠的な“設計”から、より広義な“暮らしを計画する”という、大きな概念として捉え直した時に、何となく着地点が見えたような気がしました。」(土山さん)。

トランジットジェネラルオフィスがプロ
デュースしたカフェスペース。
食器もオリジナルのもので、ロゴが配されたデザイン。
トランジットジェネラルオフィスとの商品企画のなか、手間暇をかけて練られてきたのは、共用施設にあたるカフェのデザインと、その運営だ。LVJグループのメンバーズクラブを手掛けたセリュックスによるレジデンシャルスイート、パリ・ノートル・ダム大聖堂のライトアップ・プロジェクトを手掛けたデザイナーによる照明、表参道ヒルズのオープニングアートを手掛けたギャラリーがキュレーションしたアートなどだ。このような要素を取り入れると、相応なコストがかかり、ユーザーが負担すべき共益費が大きくなるのでは、と考えたくもなる。だがしかし実際は、ほかの分譲マンションがウリにしている、プールやジムといった水を使う施設に比べれば、コストは断然少ないという。たとえカフェの営業が終了してしまったとしても、器はそのままで共用のラウンジスペースとしての転用が可能なのだ。

「カフェのデザインにあたっては勝田さんに、30年経っても飽きないカフェを作ってくださいと、お願いしました。メンテナンス性だけでなく、運営面も従業員がワンポストで動ける導線計画を考えてあります。部品の補充や修理は、管理会社が確実にまかなえるルートを確保。トランジットジェネラルオフィスさんからは、飲み物の出し方に至るまでマニュアルを整備して、オペレーションを細かくディレクションして頂いてます。照明デザイナーの石井リーサ明理さんには、30階のレジデンシャルスイートの照明をお願いしたのですが、室内空間に必要な明るさと雰囲気を作り出しながらも、かつ夜景が見やすいように映り込みのない照明手法を確立する、という矛盾する要素をいかに両立させるか、ということを当たり前のようにデザインして頂きました。僕らにはそういう視点はなかったので驚きましたよ」(土山さん)。

ファッションディレクター・森岡弘氏が
プロデュースしたスタッフユニフォーム。
サインプレートも今回の為にデザイン
されたオリジナルのもの。
賃貸のようにディべロッパーが所有しつづけるものであれば、中身もマーケットの変化に合わせて変えていくことができる。しかし分譲マンションは入居者に引き渡した後は管理組合が運営していくもの。“センスよく、ハンドリングが簡単で、なおかつ容易には古びないものを”というのは非常に難しいテーマだといえる。「BEACON Tower Residence」のソフト面に持ち込まれた“ファッション、音楽、デザイン、アート”というイメージは、持ち出し方によっては浮ついた印象を与えかねない言葉でもある。しかし一方では生活を遊ぶ上では欠かせない要素だ。マンション販売の中で、ユーザーから「近くにカフェがない」「おしゃれな店がない」という要望が寄せられたり、共用スペースにお洒落なラウンジを設置しても“ドリンクコーナーに置いてあるのは、ただの紙コップ”というような事例も少なくない。消耗品や備品、スタッフの制服なども同様だ。ハードではない機能として、マンションの運営に関するソフトを飽きのこない、センスのよいものを提供することは、タレントイメージのために予算を割くよりも、意味のあることのように思える。

「生活を全方位で楽しみたい、というニーズは高まっているのではないかと思います。遊びというものを、もっとポジティブに考えて、普段の生活を楽しんだり、遊びながら仕事のクリエイティブな部分を発見したりといった、連鎖が生まれているのではないでしょうか。マンションの共用施設であるカフェを仕事とオフの間、自宅とコミュニティの間に位置づけて使っていただければいいですね」(土山さん)

カフェは書斎や客間、パーティールームなど、個々の住宅の機能を補完するものだが、「外からわざわざ行ってみたい」と思わせる魅力がれば、街の機能を補完するものにもなり得る。しかし住民のコミュニティ形成だけは、作り手側から供給することは困難だ。これからここに住む人々によって、どんな生活がデザインされていくのか、その回答はこれから時間をかけて紡ぎだされていくはずだ。

[取材・文/本橋 康治(フリーライター)+『WEBアクロス』編集部]

BEACON Tower Residence 施設概要

■所在地:東京都江東区東雲一丁目1番21
■交通:東京メトロ有楽町線「豊洲」駅徒歩12分
    東京メトロ有楽町線「辰巳」駅徒歩9分
    りんかい線「東雲」駅徒歩13分
■用途地域 :第二種住居地域
■総戸数:440戸
■第1期:予定販売戸数 50戸
■予定販売価格:3,900万円台〜10,200万円台
■予定最多価格帯:6,700万円台
■敷地面積:6,800.33平方メートル
■建築面積:2,929.56平方メートル
■建築延床面積:53,209.98平方メートル
■構造・規模:鉄筋コンクリート造一部鉄骨造・地下1階地上41階建

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