ACROSS Street Fashion Marketing

コンテンツメニュー
Wut berlin(ヴット・ベルリン)

Wut berlin(ヴット・ベルリン)

レポート
ファッション
2007.12.18
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

ベルリンのクリエーションを紹介するセレクトショップ「Wut berlin(ヴット・ベルリン)」が移転リニューアルオープン。

07年10月6日、ベルリンのファッションブランドに特化したセレクトショップ「Wut berlin」が移転リニューアルオープンした。同店は06年2月にアッシュ・ぺー・フランス(株)の新業態として表参道にオープン。07年3月には渋谷パルコパート2に移転し営業していたが、今回さらにパート1の3階に移転。当日開催されたレセプションパーティーには、ファッション関係者が多数来店。振る舞われたシャンパンやワインを手に、新生「Wut BERLIN」の門出を祝した。

ロンドンやパリに比べると、ファッションの分野ではまだまだ遅れがちな印象を与えるベルリンだが、00年以降、新進気鋭のファッションブランドが続々と登場している。というのもベルリンは、同じヨーロッパ圏の他の大都市に比べて家賃が安いためアトリエを設けやすく、クリエイターの琴線を刺激するアートイベントも頻繁に行われる。そんな背景から、ヨーロッパ中の若手クリエイターたちがベルリンに集結、経済的には困難な状況にありながらもそれをもパワーにし、斬新なクリエーションを産み出しているというわけだ。それをいち早く日本に紹介するというのが、同店のコンセプトである。ベルリンブランドの卸売も展開しているため、同店はそのショールーム的役割も果たす。

「以前は、地下1階の奥に店舗があったためコアな顧客がメインでしたが、今回よりメジャーなブランドが集まるフロアに移転したことで、お客様がふらりと立ち寄れる気軽さがアップしたと思います。ひとりでも多くの方に、ベルリンの世界観や雰囲気を感じてもらえれば嬉しいですね」(バイヤーのヤン・ル・ゴエックさん)。

以前の店舗が、コンクリート打ちっ放しの壁にペインティングが施され、まるでベルリンのナイトクラブのようなアンダーグラウンドな雰囲気だったのに対し、今回はぐっと明るくオープンにイメージチェンジ。「ある女の子の部屋」をテーマにした真っ白な店内には、世界に5体しかないという独創的なフォルムのマネキンが天井からぶら下がり、まるで空想の世界に紛れ込んだかのようなイノセントな雰囲気だ。

商品は以前と同様、「macqua」や「ADD」「ANN' TIAN」といったベルリンのデザイナーズブランドを中心に、「near」など日本のブランドも取り扱う。ベルリンのブランドも日本のブランドに関しても、どこか独創的で、グローバルなエッセンスを持っているものをセレクトしているのだそうだ。

ベルリンのブランドと一般的な日本のブランドの大きな違いは、“フェミニティ”にあるとゴエックさんは語る。日本のブランドは胸の開きが狭く、ボリュームがあってかわいらしい、フェミニンな雰囲気のデザインが多いのに対し、ベルリンのブランドはヨーロッパの消費者を意識しているためか、シャープでユニセックスなテイストのものが多いのだそうだ。パターンや素材感にこだわりがあるのも特徴で、それでいて価格はヨーロッパのハイブランドよりもぐっとリーズナブル。現在は黒を中心としたダークカラーのアイテムが多いが、08S/Sはテイストをガラリと変化。柄ものやカラフルなものなど、より「ストロングなデザイン」のアイテムを充実させる予定だという。

06年あたりから、ブラジルやオーストラリア、ベルリン、スウェーデンなど、ファッションにおいてこれまで日本で馴染みがなかった国々のブランドを扱う直営店やセレクトショップが急増。原宿〜渋谷界隈だけみてみても、ブラジルブランドを多く扱う「dual」を皮切りに、アッシュ・ぺー・フランス(株)が手がける「ヘルコビッチアレキサンドレ」や「イザベラカペート」の直営店、オーストラリアブランドを多く扱うセレクトショップ「HEATHEN」などがオープンし、ファッション感度の高い若者を中心に人気が高まっている。05年以降、東京のストリートファッションはパリやミラノのコレクションでビッグメゾンが発表したトレンドアイテムがそのままヒットするという流れが続いて久しい。そんな中で、通り一遍のトレンドに飽きたファッション感度の高い消費者が、これらの国々の多様文化を背景に生まれる、自由なクリエイションに魅力を感じるのも自然の流れといえるだろう。

さらに同店では今後、ギャラリーとしての活用も考えており、国内外のアーティストの作品の展示やインスタレーションも展開していく予定だという。

[取材・文/高橋まきこ(フリーライター/エディター)+『WEBアクロス』編集部]




全文を読む
同じカテゴリの記事