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ZEN SOURCE CLOTHING
レポート
2017.09.01
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

ZEN SOURCE CLOTHING

Googleマップがあってもなかなか辿り着けない!?
新旧デザイナーズブランドから無名の古着まで揃う渋谷の古着屋

“都市部のすき間”に増える古着屋シリーズ。2軒目として、渋谷の桜丘にある「ZEN SOURCE CLOTHING(ゼンソースクロージング)」を取材した。

日本ではファッションのポジションが低すぎて、文化的な遺産として見られていないのが残念。ファッションには着る以外の見方もあるというのを、口頭だけでなくて実際にものを見せながらやりたかったんです」と言うオーナー帆北さんは、大阪府出身の23歳。高校卒業後は東京の服飾専門に進学するも3ヶ月ほどで退学し、飲食店に約2年間勤務した後、2016年2月に同店をオープンした。

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オーナーの帆北さん。
同店にコンセプトのようなものはない。デザイナーズブランドの古着と無名の古着、さらに現行のデザイナーズブランドをミックスした商品構成で、帆北さん自身が本当に着たいもの・本当に人に広めたいものだけが選ばれている。

ブランドをセレクトする際に大きな判断基準となっているのが、“その服を後の世代に残す価値があるのか=文化的な遺産としての価値があるかどうか”ということだという。それは古着も現行のブランドも同様だ。10年後・20年後に色あせない魅力があり、「こういうのを作っている人もいたよね」と後に評価できるようなブランドを選んでいる同店には、アイキャッチなコマーシャルピースを作ってシーズンごとにテイストをガラッと変えるブランドではなく、世界観が確立されていてブレがないブランドが揃っている。

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基本的に緑系もしくは寒色のアイテムが多い同店。取材日は珍しく赤いTシャツが1点入荷されていた。
古着はHelmut Lang(ヘルムートラング)やHussein Chalayan(フセインチャラヤン)を中心に、Martin Margiela(マルタンマルジェラ)やKatharine Hamnett(キャサリンハムネット)、VEXED GENERATION(ヴェクスドジェネレーション)といった、90年代〜00年代を中心に活躍したブランドのものがラインナップ。

現行のブランドではリニューアル後のChalayan(チャラヤン)やCollina Strada(コリーナストラダ)、Camiel Fortgens(カミエルフォートヘンス)の最新コレクションの他、Nasir Mazhar(ナジールマザー)やCraig Green(クレイググリーン)といったロンドンのブランドが中心だ。

“新しい才能を発掘しよう”っていうのも店をやろうと思った理由ですね。いつもマイナーなブランドを探しては、日本だとどこで売っているのかなって調べています。昔のものといまのものをうまく共存させて、同時に並べて見せたいんです」(帆北さん)。

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同店でもっとも品揃えが豊富なのがHelmut Lang。特に同ブランドのアイコニックなアイテムのひとつであるジーンズは、さまざまな種類がストックされている。
メインとなる客層は、デザイナーやパタンナーといったファッション業界人。また、海外からの来客も多く、エディターが新しい特集のための衣装を探しにきたり、自身のブランドを持っている人がリサーチにきたりと、やはりファッションのプロがほとんどだという。

1年間、店をやってみて、本当に服にストイックな人っているんだなと思いました。40〜50歳くらいになっても服好きであることをやめられない人を見ていると、服ってやっぱりそれだけ何か人を惹きつけるものがあるんだなと。あと、メディアでいわれているほど、若い子が服に関心がないわけではなく、それは新しい発見でしたね」(帆北さん)。

かくいう帆北さん自身も、服の魅力に取り憑かれた若者の1人。小学校高学年の頃には近所のリサイクルショップでYohji Yamamoto(ヨウジヤマモト)などの服を買い始め、高校生の頃にはすでにMartin MargielaやHelmut Langのアーカイブ蒐集を始めていたそうだ。次第に自分が着るのではなく「ものとして保管しておきたい」と思ったものまで買い集めるようになり、気づいたらお店を開けるほどのストックになっていたという。

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帆北さんの最近の気分は“ミリタリーとワークの間”みたいな感じだとか。色味でいうと工場とかの職員が着ていそうな、淡いグリーン・グレー・イエローに惹かれるているという。
近年、近〜現代ファッションのアーカイブ化が進行している。世界的に見ても、現在NYのメトロポリタン美術館で「Rei Kawakubo/Comme des Garcons Art of the In-Between」が、ロンドンのV&A博物館で「Balenciaga: Shaping Fashion」が開催中だ。また日本国内でも、「エスプリ ディオール」や「旅するルイ・ヴィトン」、「エルメスの手仕事」など、ビッグメゾンによる独自の回顧展が続けて開催されている。

一方、『ACROSS』編集部も参加しているGoogle Cultural Instituteの「We Wear Culture」のような、オンライン上でファッションの歴史をアーカイビングし、広く伝えようという動きも出てきている。

そう考えると、ファッションの歴史的な価値を遺していくというアーカイブ的な意図を持った同店の出現は自然なことのように思える。特に同店は、単に過去のデザイナーズブランドを並べるというだけでなく、現行ブランドの新品や無名の古着をミックスし、帆北さん独自のファッションの歴史を表現している点がユニークだ。

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日本ではなかなか見かける機会がない現行のChalayan。
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店内のレイアウトは帆北さんの気分によって頻繁に変更される。
【渋谷との関係性について】

「別に渋谷の街が好きとかではないですね。とりあえず自分が住んでいる祐天寺からアクセスがいいターミナル駅が渋谷だったからというだけ。誰でも来やすいターミナル駅の近くで人が少ないところを探していたんです。裏通りがよかった。それでも好きな人は探してくるだろうと思って」(帆北さん)。

その言葉の通り、日中でも人通りがまばらな路地にある同店に辿り着くのはかなり困難だ。

「ここは“陸の孤島”みたいな感じですよ。外に看板も何にも出してないので、近くまで来ても見つけられないって人も多いですね。Googleマップがあるようなこんな時代にでも見つけづらいって、逆に新しいかなって。結構気に入っています」(帆北さん)。

もちろんたまたま通りがかって入ってくるお客さんはゼロで、人づてで知って来るか、Instagramを見て来るお客さんばかりだそうだ。

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通りに看板ひとつない同店。こんなところに服屋があるとは露程も思えない。
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外見はいたって普通のマンション。2階の角部屋が同店だ。
しかしそんな“陸の孤島”は、渋谷駅周辺の大規模再開発計画地に完全に含まれている。人嫌いの帆北さんは当然すでに移転を考えて動いているというが、やはり“渋谷からアクセスのいい僻地”という方針は変えず、南平台方面などにスライドしていくつもりだそうだ。

実は都心に近い工場跡地のようなところで店をやってみたいというが、そうすると海外からのお客さんも含めてあまりにも人が来なくなってしまう。また、オンラインショップのみにするという方法もあるが、「服好きな人と話せたら楽しい」という思いもあるため、しばらくは渋谷の影で店を続けていくつもりだということだ。

【取材・文:大西智裕(『ACROSS』編集部)】


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