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the words(ザワーズ)
レポート
2017.10.11
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

the words(ザワーズ)

高円寺の人気店MAD TEA PARTYがリニューアル!
服を実際に見て、手に取って、触って、着ることの大切さを発信

“都市部のすき間”に増える古着屋シリーズ。今回は渋谷ではなく、高円寺の「the words(ザワーズ)」を紹介したい。

実は同店は、2010年〜2016年まで人気古着店「MAD TEA PARTY(マッドティーパーティー)」のオーナーだった岡田典士(よしひと)さんが手がける、“アップデートした高円寺のショップ”なのである。

新しいお店のテーマは“アナログ”です。服を実際に見て、手に取って、触って、そして着てもらいたいんです。すごく当たり前のことなんですけどね。でも、その当たり前のことが均衡を崩している感じがあるなって思うんです」(岡田さん)。
 
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オーナーの岡田典士さん。
「the words=言葉」という店名も、“アナログ”というテーマからつけられたもの。あらゆる情報があふれる現代社会では対面して言葉をやり取りする機会がどんどんなくなり、インターネット上の情報がとても強くなり、何かに対する評価などを簡単に検索できてわかった気になってしまうことがとても怖いと岡田さんは話す。

デザイナーさんって口で話す代わりに服を作っているというか、服を言葉みたいなものとして生み出している人も多いんじゃないかと思うんです。ですからやっぱり、受けてもらう人も直接その服=言葉に触れてもらえる場所をつくりたかったんです。店名にはそういう思いを込めています」(岡田さん)。

ウィメンズとメンズの比率は7:3だが、お客さんは男女半々だという。また年齢層も20代中心だが、30代以上のお客さんも少なくないそうだ。

店に並ぶのは「またどまーじゅ」「teasi(テアシ)」という、以前から取り扱っていた日本人デザイナーの2ブランドに、岡田さん自身が買い付けてきた古着が半々。さらに今シーズンからはアクセサリーブランドの「mellow(メロウ)」も取り扱いが始まった。

「またどまーじゅ」は全ての商品で化学染料に加えて藍染めや草木染めを5回以上繰り返し定着させるという、1着を完成させるのにものすごく長い時間と手間をかけており、独特の風合いのテキスタイルは、やはり写真だけでは伝わらない魅力を感じた。
 
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またどまーじゅのカットソー。
「teasi」は、「またどまーじゅ」以上に実物を見て着てみないと魅力が伝わりにくいブランドだ。なるべく多くの日本人女性がきれいに見えるように日本人女性の基準でシルエットを計算している。たとえば日本人女性は撫で肩が多いため、トップスやワンピースは綿100%ではなく化繊が混合された生地を使用して重みを出し、肩からきれいに落ちるようにするなどの工夫がなされている。こういったコンセプトはブランド名の英語表記にも表れている(shiではなくsi、ローマ字入力=日本のルール)。
 
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teasiのワンピース。
「mellow」はハンドメイドのアクセサリーブランドで、花を樹脂に閉じ込めたアクセサリーの数々は、1点1点がデザイナー本人による手作りのものだ。その時々によって閉じ込められる花の表情のバリエーションが豊かですべての作品に手が行き届いているところが、同店が大切にしているアナログ感と共通する。
 
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mellowのアクセサリー。
ちなみに岡田さんが「またどまーじゅ」を知ったのは、「MAD TEA PARTY」のお客さんがたまたま着用していたコートが気になり、どこのブランドのものなのか尋ねたのがきっかけだそうだ。また「teasi」に関しては、デザイナーさんは元々「MAD TEA PARTY」のお客さんで、しょっちゅうお店に来ては口論(!)をするようないい関係だったという。どちらも実際に縁あって出会ったそのアナログな関係性がポイントになっている。
 
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またどまーじゅの服に付属するタグ。
これらのブランドに加えて古着をミックスしているのは、ブランドや古着という縛りに囚われず、服というものをまっさらに見て、その人自身が本当にいいと思うものを見つけて欲しいという思いからだという。

「古着以外にもこんなブランドあるんだって、知ってもらうだけでもすごく嬉しいです。それにこの服の価格が高いのは何故なのか、ファストファッションとはどこが違うのかなど、お客さんに納得してもらいたい。たとえば、いまってシャツが1枚980円とかで売られていますけど、服ってそういうものではないというのを感じて欲しい。うちで扱っているブランドは服に対してすごく真っすぐで血が通っていることをきちんと説明したいし、古着も1点1点時間をかけて選んでいるので、どんな思いで選んだのか、ちゃんと伝えたいんです」(岡田さん)。

ECが大きな力を持ち始め、“インスタ映え”という言葉が生まれるなど、服を画面越しに見ることが一般化しているいま、同店の“アナログ”という肌感覚を大切にするコンセプトやアツい接客が、若い世代にとってはかえって新鮮なものに映りそうだ。
 
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古着はアメリカで買い付けたものが中心。
【高円寺という街について】

「MAD TEA PARTY」をオープンした2010年は、高円寺で店をやることにこだわりがあったという岡田さん。2010年というと、ちょうど原宿にH&MやForever21が上陸して間もない頃で、イギリスで1年間過ごした経験からファストファッションが絶対的に強いことを肌で知っていた岡田さんは、まず原宿を候補から消したという。また中目黒や代官山は家賃の問題で初めて店をオープンするにはハードルが高かったため、下北沢か高円寺が最終候補になったそうだ。

「そのときの高円寺は、みんなやりたい放題、楽しそうにやっていて、買い手市場が強いなかで売り手の方が的を絞って狭いターゲット相手に個人店をやれるのが魅力的でした。わけのわからない街から情報が外に出て、それがカルチャーになっていくのを見て、すごく夢があるなと思ったんです」(岡田さん)。
 
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当時は“高円寺ブーム”だったこともあり、街を歩いていたらたまたま店を見つけたという人も多かったそうだ。しかし現在では、同店を知ったきっかけをお客さんに尋ねると大半からInstagramという答えが返ってくるように、街全体から情報が発信されるということがなくなり、あらかじめ目当てのスポットを決めて来街する人がほとんどになっているという。

高円寺に限らずさまざまな街も変わりはじめており、たとえば渋谷についても、魅力的な店はあっても街とカルチャーの関係性はあまり感じられなくなり、国や大資本の開発も相まって、若者の街という印象が薄れて、少し大人の街に思えるようになったと岡田さんは話す。

いまって“ストリート”が、あってないようなものだと思うんです。それは悲しいことですけど、だからこそ逆にもう街にこだわる必要はなくなっているのかな、と思うことも最近はありますね」(岡田さん)。

【取材/文:大西智裕(『ACROSS』編集部)】


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