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■都市のコード論:NYC編  vol.06
テーマ:HOTEL
レポート
2018.03.08
この記事のカテゴリー |   |   カルチャー | 

■都市のコード論:NYC編 vol.06
テーマ:HOTEL

在NYC17年の日本人ビジネスコンサルタント、Yoshiさんによるまち・ひと・ものとビジネスの考察を「都市のコード論:NYC編」と題し、不定期連載しています。

1年半ぶりの起稿。テーマは“HOTELと都市“です。日本でも異業種からの参入が増え、新しい展開をみせていますが、NYでは? データとともに解析します。


ニューヨーク市内で新しいホテルのオープンが相次いでいる。


2015年時点で市内には696件のホテル (107,000室) が営業していたとされているが、その後新規オープンが続き、2017年10月時点では、ホテル数はおよそ785件、 部屋数は115,000室に達したと考えられている。

ニューヨーク市のマーケティングを担うニューヨーク・シティ・アンド・カンパニーが2017年に発表したレポートによると、2017年末から2019年までに、おおよそ40-50件の新しいホテルのオープンがさらに予定されていて、27,000室が追加されることになり、その結果2019年末には900件近くのホテルが市内に存在することになる。

新しいホテルの業態はさまざまで、部屋数をみても14室のみの小規模なものから600室を超える大型のものまでそのバラエティは幅広く、ターゲットとする市場のセグメントもさまざまだ。とはいうものの、そこには共通する傾向もあり、そして新しい試みも散見される。

ということで、今回はNYマンハッタンのホテルの変化についてデータとともに解析してみることにした。



2015年以降オープンした (そして今後予定されている) ホテルの数を、ボロウ (区) ごとにみてみよう。

ニューヨーク市の中心であるマンハッタンでは、1年に20−30件のホテルが継続してオープンしていることがわかる。少し前に話題になったブルックリンも毎年5-10件ほどオープンしているもののすでにピークアウトしている。

一方、クイーンズでは2017年と2018年にそれぞれ10件前後、2019年には15件のホテルのオープンが予定されており、そのペースはブルックリンを上回っている。


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ボロウ別でなにより注目すべきことは、2017年からブロンクスにもホテルがオープンしていることだ

1980年代の犯罪のイメージから観光とは縁遠かったブロンクスが、いよいよ市内のホテル戦線に参入したことになる。確かに地下鉄に乗ればブロンクスからマンハッタンの中心部まで30分ほどで着くことができるし、近年はブロンクスの南端に位置するサウス・ブロンクスの開発も進んでいて、2017年に市内で家賃の大きな上昇率を示した地区の上位はブロンクスが占めていると報告されている。

ビジネスやエンターテイメントが圧倒的にマンハッタンに集中していた状態から、近年その重心は少しずつ隣接する他のボロウへと分散傾向にある。ブルックリンからクイーンズ、さらにはブロンクスへと、オープンするホテルのロケーションの移動は、人々の注目の移り変わりをも反映しているといえる。

ホテルの新規オープン (2015-2019年)を、マップにしたのが下のリンクである。
バブルの大きさはそれぞれのホテルの部屋数を示し、それぞれのホテル名と部屋数をインタラクティヴにみることができる。

fafsp.carto.com/viz/4a4b3f4f-2011-4e7f-8e51-46956fcf2581/public_map


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2017年11月に東京は錦糸町、大阪は本町にオープンしたマリオット・インターナショナルが20〜30代のミレニアル世代を対象とした家具や内装にこだわったデザイナーズホテルブランド「モクシー・ホテル」。ウエブサイトもポップで従来のホテルのイメージとは異なる。

マンハッタンをみてみると、伝統的に観光客とホテルが多いミッドタウンにひき続き新しいホテルが多くオープンしていることがわかる。

たとえば、マリオットが手がける、612室のモキシーNYCタイムズ・スクエア (http://moxy-hotels.marriott.com/en) が2017年にオープンした。

やはりミッドタウンのハドソン川近く、ハイラインの北端に位置するハドソン・ヤーズでは大規模な開発が進んでいる。最新のインフラを備えた大型オフィス・スペースが建設中で、完成と共に多くの企業がミッドタウンからハドソン・ヤーズへと移転することが予想されている。企業が移転する先にホテルができるのは当然なのだろう。ハドソン・ヤーズの隣には巨大なコンヴェンション・センターであるジャヴィッツ・センターもある。部屋数の多い大型ホテルが多いのもミッドタウンの特徴といえる。

マンハッタンの南端に近いファイナンシャル・ディストリクト (旧金融街) からバッテリー・パークにかけても新しいホテルが増えている。グラウンド・ゼロ1ワールド・トレード・センターが完成したことで、コンデナストやデイリー・ニュースなど、多くのメデイア企業がタイムズ・スクエアからダウンタウンへと移転している。そうしたビジネス向けの需要はもちろんのこと、ロウワー・マンハッタンはかつての金融街から比較的若年層の人たちが住む地区へと急速に変化している。伝統的な観光地のミッドタウンを敬遠してロウワー・マンハッタンに宿泊することを選ぶ観光客も増えているということなのだろう。


 
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ハドソンヤードの開発のようす(2018年1月撮影)


ブルックリン
はというと、ダウンタウンウィリアムズバーグからグリーンポイントにかけて、そしてクイーンズではロング・アイランド・シティのほかにジャマイカでもホテルがオープンしている。

ロング・アイランド・シティは、マンハッタンのミッドタウンまでイースト・リバーを超えてすぐの場所にあり、マンハッタンよりも手頃な宿泊料金に設定されている。さらには部屋から川の向こうにマンハッタンの眺めを楽しむことができる。マンハッタンに滞在していたら目にすることができない贅沢だ。JFK空港行きのエアトレインが発着するジャマイカは、空港と市街地との両方へのアクセスの良さからホテルができているようだ。

ホテル数が急速に増えていることから、ニューヨークのホテル需給は緩和すると予想されている。激化する競争に生き残るためのカギは、差別化にあるようだ。

ニューヨーク市シティ・プランニングのレポート
によると、市内のホテルの部屋数のおよそ38%は独立系のホテルだという。チェルシーにあるハイライン・ホテル (http://thehighlinehotel.com/)、ミッドタウンのルーズヴェルト・ホテ (http://www.theroosevelthotel.com/)ロジャー・スミ (https://www.rogersmith.com)、ブルックリンのウィリアムズバーグのウィリアム・ヴェイル (https://www.thewilliamvale.com/) などが独立系に相当する。

これらのホテルは全国展開する大手ブランドとは提携していない。戦略的な選択だ。

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市内に43,600室あるとされる独立系ホテルの部屋のうち、49%は広義のハイエンドに属し、エコノミーのセグメントに相当する部屋数はその28%にすぎない。独立系のホテルがハイエンドをターゲットとしていて、独立系
であること (大手ブランドの一部ではないこと) を高付加価値化に利用していることがわかる。実際に、大手を避けて、独立系のホテルでの宿泊を選ぶ人は増えている。


独立系のホテルは、マンハッタンではダウンタウンブルックリンの一部クイーンズのロング・アイランド・シティなどでオープンしている。典型的な観光地ではない場所の選定がその価値の欠かせない一部であり、ハイエンドのイメージとロケーションが分かちがたく結びついていることがわかる。ロケーションはそのブランドの一部といってもいい。

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トリップ・アドバイザーが買収した現地ツアーの予約ができるプラットフォーム「ヴィアター(www.viator.com)」。

興味深いのは、大手ブランドもニューヨークでは独立系のアプローチを模索していることだ。

テキサスを拠点とするあるデベロッパーは、通常マリオットやヒルトンと提携してホテルを展開するものの、ニューヨーク市内では大手ブランドと提携せずに運営している。

なかには大手ブランドの傘下であることを隠して、独立系にみせて運営する覆面独立系ホテルもあるという。そのため、市内のホテルを独立系と非独立系にホテルに分けることは容易ではない。少なくともニューヨークに関する限り、ハイエンド市場は、独立系としての独自性を提供することが条件となっているようだ。

同時にヒルトンマリオットも、別名を用いたソフト・ブランドのホテルをオープンし、より小規模で、標準化されていない部屋を提供しようとしている。

日本でも2018年の春に軽井沢にオープンする予定のキュリオ・コレクション・バイ・ヒルトン
(http://curiocollection3.hilton.com/en/index.html) や、タイムズ・スクエアとミッドタウンの2カ所にあるマリオットのオートグラフ・コレクション (https://autograph-hotels.marriott.com/) などがその例であり、既存のブランドとは距離を置く位置づけになっている。

ソフト・ブランドはブティック・ホテルとして運営しつつ、同時に大手ブランドの一部として、予約やリウォードのシステムにアクセスできる利点もある。

 
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2017年、マンハッタン31丁目にオープンしたライフ・ホテルは、かつて雑誌『ライフ・マガジン』の本社だった建物を改修したものだ。

ホスピタリティのビジネスにもテクノロジーとデータは欠かせない。
ニューヨークのホテルでは、自分でチェックインを済ませるところが増えているiPadに接続された端末を利用してチェックインする。わからなければ、必要に応じてスタッフが助けてくれる。テクノロジーの利用でコストを抑えるホテルは多い。


ホテル各社はゲストに関する大量の情報を有している。そのデータをもとに、それぞれのゲストにどんなサービスを提案するのかがビジネスを左右することから、ホテル・テクノロジーのスタートアップ企業の買収も活発になっている。

現地ツアーを予約するサイトのヴィアター (https://www.viator.com) を買収したことで、ホテルやレストランの予約サービスを提供するトリップ・アドバイザー (https://www.tripadvisor.com/) では、ホテル以外の売上が31%増加した。マリオットは、データに基づいて、それぞれのゲストが気に入りそうな体験を個別に提案している。


ローカルな体験を提案するホテルは多い。マリオットが最近買収したアロフト・ホテル (https://aloft-hotels.starwoodhotels.com/) は、ローカルのアーチストによる音楽の演奏をスポンサーしている。ホステル感覚のブティック・ホテルを謳うモキシーは、部屋は狭くそれ自体がニューヨークの経験だという。

こうした動向の背景には、ホテルの競合はairbnbだという認識がある。airbnbがマーケットする、これまでのような観光客ではないローカルとしての体験をとりこむべく、宿泊に付随するローカル性をホテルが重視し始めていることが、現地ツアーやアクティビティの予約サイトの買収を後押ししている。ホテル周りのビジネスをいかにして取り込むのかは、これからも大きな課題だ。

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アーチ状の構造を多く手がけた建築家、エーロ・サーリネンによって1962年にTWA航空のターミナル4をホテルに改修したTWAホテル。
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TWAホテルのHPより。独特のレトロモダンな内装はある層にとっては宿泊することが目的となりそう。


新しいホテルを見て回ることで気づくことのひとつは、かつてのように、入口を入ると目の前に巨大なレセプションが広がっているという光景を目にすることはないということだ。ハイエンドのホテルにその傾向が強く、大きなデスクの背後に何人ものスタッフが立って待ち構えているという光景は過去のものになりつつある。

自分でチェックインするためのiPadが並んでいる以外には、入口のフロアにはソファが並ぶくつろぐ場所があったり、レストランがあったりする。2017年にマンハッタンの31丁目にオープンしたライフ・ホテル (https://lifehotel.com/
) のように、入口を入ってもどこにレセプションがあるのかすぐにはわからない、むしろレセプションをできるだけ見せないようしているようにさえ思えるところもある。

ライフ・ホテルはかつての雑誌の『ライフ・マガジン』本社だった建物をホテルに改修している。商品をマーケットする際に、それにまつわる物語を付加する物語マーケティングが一般化しつつあるが、ライフ・ホテルは既にそこにあるライフ・マガジンのレガシーの周りにホテルというビジネスを構築したのが興味深いところだ。

他の場所で再現不可能なプロジェクトには、他にはない固有性がある。オーセンティックなトーンを前面に出している内装にもそれは見てとれる。新しいコンセプトやデザインを考えたところで、ひとたび注目されたらそれはすぐに模倣され、あっという間に世界中でコピーされる。模倣されることを避けるためには、他にないユニークな場所を開発するしかないということなのかもしれない。

他にはないホテルといえば、JFK空港内で工事が進んでいるTWAホテル (https://www.twahotel.com) は、かつてのTWA航空のターミナル4をホテルに改修するものだ。 エーロ・サーリネンの手によって1962年にオープンしたターミナルで、トランス・ワールド航空 (TWA) はもちろんもう存在しないが、
その歴史とアイコニックなターミナルを利用したホテルとして復活する。
 
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1980年代にブティック・ホテルのコンセプトを導入したイアン・シュレージャーが手がけるPUBLIC HOTEL。冒頭のソファーの部屋の写真もここ。日本だと結婚式の会場としてのニーズは必須だが、NYの場合はアートイベントや音楽イベントが開催できるようなスペースを設けるところが多いよう。(https://www.publichotels.com/)
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日本における近年のデザインホテル、ブティックホテルのトレンドは、2012年にブルックリンに暮らす3人のオーナーの手によって開業したこのWHYTHE HOTELが有名だ。1901年に建てられた、精糖所に納める木樽を製造する工場をリノベートしたインダストリアルな意匠は、その後の日本における“ブルックリン・ブーム”や“ポートランド・ブーム”を後押ししたが、そういった表面的なことに留まらず、小資本(インディペンデント)であることをはじめ、レストランのメニュー、バー、パブリックスペース、ジムなど、従来の都市のホテルユーザーとは異なる“新しいラグジュアリー”なライフスタイルを提案していた点こそが新しい(写真は2013年8月に撮影したもの)。
 
ホテル・ビジネスの競争の中心は、部屋よりも宿泊の周辺へと移動している。

昨今の宿泊客の半分はレストランでホテルを選ぶというデータもある。ライフ・ホテルのロビーはレストランをフィーチャーしていて、近所の人たちが立ち寄るような場所を目指しているという。同レストランは、レストラン起業家のステファン・ハンソンが所有・経営している。

ホテルの中のレストランの多くは第三者の業者が経営し、ホテルとのシナジーが欠けていることが多い。ライフ・ホテルではハンソン自身が同ホテルに投資をしており、レストランの売上の一定の率を家賃としてホテルに払う仕組みになっている。

一般的に、レストランをオープンした後、その周辺が人気の地区になったら、家賃が上がり今度は追い出されることになりかねない。不動産価格の高騰に終わりの見えないニューヨークでは頻繁に耳にする話だ。ビジネス面での新しい取り組みは、その防止策でもある。

2017年にロウワー・イースト・サイドにオープンしたパブリック (https://www.publichotels.com/) は、1980年代にブティック・ホテルのコンセプトを導入したイアン・シュレージャーが手がけるホテルだ。

その名が示す通り、誰もが立ち寄ることができるように、コワーキング・スペースパブリックの場所があり、仕事をしたり、打ち合わせをしたりしている人たちが多い。上層階にはフード・ホールバーがあり、地下にはコンサート・ホールもある。エンターテイメントは利益が出せるものの、ホテル産業にノウハウがない部分でもある。その開発の意図がある。

こうしてみると、新しいホテルにはいくつかの傾向がある。宿泊周りの体験をとりこむこと。他にない固有性を求めるところもある。そしてテクノロジーとデータがホテル産業の未来に欠かせないコアであることも間違いのだろう。

[取材・データ/文:Yoshi(在NY・コンサルタント)]

 

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オープンで多様な都市?

都市の経験というべきものがあるとすれば、それは早朝のチャイナタウンで新聞を読む中国人たちにまぎれてお粥をすすることだったり、国際急行の異名をもつクイーンズを走り抜ける地下鉄7番線の車内のあちこちで知らない外国語を耳にすることになるのだろう。信号を待つ間に見知らぬ人とここ最近の荒天について愚痴を交わし、信号が変われば二度と会うことがないのも都市の日常に違いない。 そしてもちろん歩くこと。目的もなく、目指す場所などあるわけでもなくただ歩くこと。どこにでも、どこまででも、自分の足と直観を頼りに歩くことができるのが、ニューヨークの何よりの楽しみなのだ。歩くことでこの都市が刻々と変わりゆくのがよくわかる。 この十数年でニューヨークは大きく変わった。変わることが都市だとすれば、それは少しもおかしなことではないのかもしれない。ニューヨークで変わらないことがあるとすれば、それはこの都市が変わり続けることだけなのだとさえ言われるのだから。 ユニオン・スクエアの名物コーヒー・ショップが店をたたみ、通りのあらゆる片隅が忙しなく短命のポップアップに姿を変え続けることは変化には違いないものの、そうした移り変わりとは違う次元で何かが異なるステージにすべり込み、後戻りできなくなったような感覚がずっとつきまとっていた。それが何なのか少しわかったような気がしたのは、クリストフ・ギリュイの本を読んだときだった。 1. パリに住むジオグラファーのギリュイは、グローバル化がもたらす利害関係を軸として、パリやリヨンなどの繁栄するフランスの大都市と、それ以外の衰退する「周縁のフランス」の間の落差を示したことで知られている。彼が提示した周縁のフランスはフランス国内で大きな議論を呼び、最近ではイエロー・ヴェストを予見したとして、英語圏でも注目を集め始めている。なるほどギリュイが言及する周縁には、米国の周縁にも、英国の周縁にも共通するところが少なくないというわけなのだろう。 そのギリュイの主張の中で特に興味を惹かれたのは、パリのような大都市は城砦を築きつつあるというもので、その城砦を築く上で、オープンで多様という、城塞とは本来矛盾するようなスローガンが利用されているという点だ。 ギリュイによれば、今日のフランスの分断はもはや従来の資本家やエリートとの間にはなく、そこで大きな役割をはたしているのは大都市に住む新しい上流階級なのだという。高等教育を受けた彼らはテクノロジー、メディア、教育といった分野で高給の仕事に就いていることが多い。 デイヴィッド・ブルックスが描いた、かつては相容れることなど考えられず、相反する存在だったブルジョワとボヘミアンが、最近では外見だけでなくその指向性や価値観においても似通っていて、区別することが難しいばかりか、今や両者が一体化しているという「ボヘミアン・ブルジョワジー (=ボボ)」に着想を得て、ギリュイはパリにボボを見出す。 元労働者のネイバーフッドに住むことを好んで選び、昔のプロレタリアの名残を残すバーでハングアウトするボボは、進歩主義的な価値観を信じ、左派の政治家を支持する。良心的な教育のある上流階級であり、環境問題など抗議運動に熱心なのはこうしたボボなのだ。 グローバル化の恩恵を受ける立場にある彼らは、市場を熱心に支持する。オープンかつ多様であることは彼らにとって不可欠なこと。なにしろ大都市には低賃金のサービス業を引き受ける移民が必要なのだ。共存を主張するものの、自分の子供はあらゆる手を尽くして移民が多い公立の学校に入ることを防ぎ、労働者と同じ建物に一緒に住むことはない。ボボは金融を敵視し、強く反対する。それは自分の金融 (懐具合) が心配ないからこそできること。 多様性と多元文化主義を謳う大都市こそがフランスの未来であり、それが唯一の途なのだと主張する彼らは、市場経済の利点を存分に享受しつつ、そこから派生しうる階級間の問題を直視しないでいるために、オープンで多様というナラティヴを必要とする。そうすることで、その特権的な立場を再生産することが可能になるというわけだ。 ギリュイは「ジェントリファイアー」という言葉を避ける。それがいわゆるジェントリフィケーションとは違う階級の問題であることを強調するためだ。そしてボボが「ブルジョワ」と表現されたことに強く反発したその事実こそが、ブルジョワとボヘミアンの区別を曖昧にし、その社会的地位を隠そうとする彼らの意図を明らかにしたとギリュイは主張する。大都市の城塞は偶然現れたのではなく、ここ三十年かけて周到に準備されたものなのだ。 2. その一方で、グローバル化の恩恵を享受することのない人たちもいる。大都市以外に住む労働者が概ねそれに相当する。 グローバル化が進行することで、経済の主要な機能はグローバル都市と呼ばれる一部の大都市に集中する。すでに数十年観察されている顕著な傾向であり、それは近年一層強化されている。大都市はグローバル経済に完全に組み込まれているのだから、オープンでなければやっていけないのだ。 進歩主義的に聞こえるオープンで多様というナラティヴがフランスの上位1%に歓迎され、グローバル化を進めるエリート層のアジェンダに欠かせないものになった。そのことが大都市の城砦を肥大化させ、それ以外のフランスとの分断を深めているならば、それに反対する動きが出てくることになる。 新しい上流階級の手びきによる経済的リベラリズムと文化的リベラリズムの連合を目の当たりにした労働者は、左派と袂を分かつことになる。左派であれ右派であれ政治家は拒絶し、代表制に背を向ける。上流階級に与するだけのメディアは信じない。ギリュイがイエロー・ヴェストを予見したと言われる所以だ。それは知識層ではない者たちによる初めての抗議運動になった。 今日の労働者を結びつけるものはイデオロギーではなく、失業、保障のない雇用、所得減、福祉国家の衰退という現実でしかない。事実、色々なところで、左派か右派という枠組みで考えることが無意味なばかりか、混乱を招くだけだと耳にするようになった。 隣の英国では、2019年12月の選挙で、労働党がロンドンとオックスブリッジの政党になったことがはっきりした。伝統的には労働者と都市部が支持基盤だったものの、労働者が労働党から離れてゆき、労働党が労働者のほとんどいない大都市の政党、高学歴のエリートのための政党であることが明らかにされた。 3. ギリュイに批判がないわけではない。グローバル化をはじめとする諸概念が明確に定義されることがなく、厳密な分析というよりもむしろマニフェストであり、その議論は具体的な政策を提示するものではなく、論争を焚きつけるためのものではないかという指摘はしばしば目にする。 それでもグローバル都市であるニューヨークに住み、進歩主義的な価値観を刷り込まれた者にとって耳が痛いことばかりのギリュイの主張は、当たり前とされていることをもう一度問い直してみるきっかけを与えてくれる。オープンで多様とはどういうことなのか、尤もらしく聞こえる言語の下で、実際にはどんなプログラムが走っているのだろう。 ギリュイの議論には、少し前にもてはやされた北米のアーバニストたちのそれとパラレルなところが少なくない。たとえば「ボボ」を「クリエイティヴ・クラス」に差し替えてみたらどうだろう。それでも概ね彼の議論はあてはまるように思える。 知識経済へのシフトを強調し、変化する経済の性質に適応するといえば聞こえはいいものの、それが新しい上流階級をかき集め、ホットなビジネスに相応しい生産的な、より望ましい住民に入れ替えることならば、そこに横たわるのは厳然としたエリート主義でしかなく、クリエイティヴというイノセントな言葉は、たちまち都市の中心に城塞を築くための政治的な方便に見えてくる。 経済を牽引するのが才能だとすれば、そこで都市がすべきことはその新しい上流階級向けにインセンティヴや誘引を提供することになる。そして都市には公園などのアメニティが必要なのだと唱える。いくらか飛躍があるようにみえるこの論法に、確かな因果関係や検証が伴ったことはないのだが、とにもかくにも世界の多くの都市はこれにとびつき、そのフォーミュラに忠実に従った。 観光客であれ新しい上流階級であれ、お客様を集めることに血道をあげる各都市はマーケティング合戦に終始するばかりで、出来合いのメニューの中から手っ取り早く選び、安く上げるには重宝なその術は、一部でファースト・フードよろしくファースト・アーバン・ポリシーと称されたりもした。そして何より即席アーバニズムの陰に追いやることで、根本的な改革には目をそらしたままでいられる。 4. ギリュイの主張は下手するとフランス国民戦線のスローガンのように響くことさえあり (実際マリーヌ・ル・ペンはギリュイの「周縁のフランス」を熱心に読んだと伝えられる)、彼やイエロー・ヴェストをポピュリズムと片付けるのは簡単だが、それなら彼らを内向きとフレームする進歩主義的で聞こえのいい言語には、出世の階段を上ることや保身といった、気が滅入るほど内向きな利益のためのジェスチャー以上のものがあると言えるだろうか。それはフランスのことではない。 多様性と言いつつ、コンフリクトなど存在するはずもないかのようなシームレスで表情のないその世界観は、その言語を共有する者の間でのみ流通し、それに同調する限りにおいてオープンと認められ、自分と同じように考え、行動しない人は後進的と片付けることで安心する。コスモポリタニズムとはおよそかけ離れた似た者同士の仲良しクラブを、オープンで多様と呼ぶこの奇妙な状況はいつ生まれたのだろう。 都市が投資の対象として再発見され、多くのマネーが向かったことが都市の時代だったならば、金融危機に続いたグローバルなゼロ金利と手をとりあい、アーバニストたちが都合よく提示したいかにも楽天的であっけらかんとしたピクチャーが多くの政治家に歓迎されたことは注目に値する。どこまで真に受けたのかは別にして、彼らが抱えるアジェンダを達成するには役に立ったに違いない。 5. 2010年代にかけて都市の人口が大きく成長を続けた米国では、数年前からニューヨークやシカゴなど大都市の人口が減少に転じた。多少割高であってもアメニティに恵まれた都市の中心部に住むと言われたミレニアル世代向けのアパートを、デベロパーはニューヨークの郊外に建て始めている。販売価格が記録を更新し続けたニューヨークのコンドミニアムは、その建設ラッシュがまだ落ち着いてもいないというのに、完成した物件の多くが売れ残り、隠し在庫が増えている。 面白いものを求める人たちが、その題材となる人や対象を求めて都市の外へと向かい始めたのはもうずいぶん前のこと。エッジを装う中央が都市の隅々を埋め尽くしているとしたら、都市がどんどん息苦しいだけの場所になってきているのも無理はない。一方でグーグルやフェイスブックなどテクノロジー大企業によるニューヨークでの雇用意欲は一層強く、ハドソン・ヤーズという名の城塞の周辺でオフィスを拡張中だ。マネーはまだまだ回るのだろう。 あちこちにゴミを散らかした2010年代の都市の時代、そして即席アーバニズムの一時的な流行は、幸い思った以上に短命に終わってくれそうだ。都市はどこに向かっているのだろう。そしてこれからどのように都市を書き換え、再プログラム化できるだろう。 まずは窓を開けて外気を入れ、外に出てみよう。外は冷たい風が吹いていて、コントロールされた環境と違って楽ではないことが少なくない。それでも外に出ることこそが都市なのだから、それは喜んで受け容れるべきことなのだ。

FAFSPさん


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