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PLAYatré TSUCHIURA(プレイアトレ土浦)
レポート
2018.05.21
この記事のカテゴリー |  カルチャー | 

PLAYatré TSUCHIURA(プレイアトレ土浦)

物販主体だった土浦の駅ビルが体験型サイクリングリゾートとしてリニューアル!

新しくオープンし、賑わうSC(ショッピングセンター)がある一方で、テナントの退店が相次ぎ、それどころか歩いている人がほとんどいない、という“まち”も少なくない。

今回取材した、JR土浦駅の駅ビル「ペルチ土浦」もそのひとつ。2009年にイオングループが経営に参画するも、賑わいは回復せず2010年に撤退。2011年より(株)アトレが運営を引き継ぎ、2018年春、日本最大級の体験型サイクリングリゾート「PLAYatré(プレイアトレ)」として大きくリニューアルしたというので、さっそく取材した。

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JR土浦駅およびPLAYatre外観(写真は株式会社アトレ提供)
同施設のポイントは、施設のターゲットを“サイクリスト(自転車乗り)”と定めたことだろう。茨城県は、2016年に県道桜川土浦潮来自転車道と霞ヶ浦湖岸道路を合わせた総延長180kmのサイクリングロード「つくば霞ヶ浦りんりんロード」として整備。東京都心部から約1時間で訪れることができる立地を活かし、サイクリングを観光戦略の1つとして位置づけてきたが、その拠点となるような場所がなかったことから、今回、国の地方創生拠点整備交付金を活用して、土浦の駅ビル内に設け、それをコンセプトに大きくリニューアルすることにしたのだそうだ。

「モノを売ることにこだわらない駅ビルの形はないだろうか?というのが発想の原点です。モノではなくコト=体験を提供する場として、このプレイアトレを構想しました」。そう話すのは株式会社アトレ土浦店課長兼プロジェクトリーダーの藤本沢子さん。

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株式会社アトレ土浦店課長兼プロジェクトリーダーの藤本沢子さん
核施設となるBIKE BASE「りんりんスクエア土浦」は、1Fと地下に配置。自転車の販売・修理およびサービス事業を全国で展開する株式会社サイクルスポットによる自転車にまつわるさまざまなサービスを提供するショップ「le.cyc(ル・サイク)」(1F)や、OpenStreet株式会社のプラットフォーム「HELLO CYCLING」(B1F)を活用したレンタサイクルのほか、コインロッカーやシャワー、更衣室(B1F)などがある。

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1階の中心となる「le.cyc」(写真は株式会社アトレ提供)
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地下1階に設置された「HELLO CYCLING」のレンタサイクル。奥は駐輪場になっている(写真は株式会社アトレ提供)
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地下のシャワー室(写真は株式会社アトレ提供)
その他のテナントは、おなじみの「タリーズコーヒー」が、イタリアの自転車メーカーの「Bianchi(ビアンキ)」とコラボレーションしたサイクルカフェや、近年店舗数が急増している高品質な映像授業と個別学習ナビゲーションが定評ある「河合塾マナビス」、「ココカラファイン」、「ミニストップ」、「エステティックTBC」、「おしゃれ工房」など1FとB1Fのみ今回オープン。11月には株式会社バルニバービによるクッキングスタジオが併設された飲食店「STATION LOBBY TSUCHIURA(仮)」や、2019年5月には地元の人気店を集めた「LOCAL FOOD MARKET」、3Fの一部から最上階の5Fまでは「CYCLING HOTEL」などが計画されているという。

「Bianchi(ビアンキ)」×「タリーズコーヒー」のカフェ(写真は株式会社アトレ提供)
「茨城県は「都道府県魅力度ランキング 」で5年連続最下位(*1)。とにかく情報発信が下手なんです。若者に対して発信力のあるアトレとタッグを組むことで、より多くの人に茨城の魅力を知ってもらう機会ができるのでは、と期待しています」と言うのは、茨城県企画部地域計画課の中村さん。

「ペルチ土浦」はその前身である「土浦WING」が創業した1983年から数えると、今年35年目。売り上げのピークは1991年(112億円)だったという。日本ショッピングセンター協会のデータによると、90年代はショッピングセンター(SC)の開設ラッシュで、80年代の562件から1001件へと開業数が倍増 (*2)。その後、2005年のTX(つくばエクスプレス)が開通すると、さらに周辺に商業施設が乱立し、他の地方都市に違わず、JR土浦駅の利用者はすっかりシニア層や中高生が中心となり、閑散としていったのは冒頭に記した通り。

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茨城県企画部地域計画課の中村さん
今回のリニューアルにあたり、デザイン監修は、弊サイトでも取材・掲載した“Cycle, Travel and Good things”の「ONOMICHI U2」を手がけた建築設計事務所SUPPOSE DESIGN OFFICE(代表:谷尻誠氏)に依頼。環境デザインのコンセプトメイキングにあたっては株式会社THINKGREEN PRODUCE(代表:関口正人氏)に依頼したそうだ。

他にも、JR大津駅に直結する複合施設「THE CALENDAR」、米西海岸、特にポートランドのまちづくりなど事例研究にも時間を費やしたそうだ。

「単なるサイクリング施設というよりも、体験のひとつとして自転車を提案する施設です。本格的なライダーだけでなく、女性やシニアの方など幅広く利用してもらいたいですね。実は、地元の人には“自転車文化”がまだ浸透していないので、それを根付かせていくことが今後の課題です」(中村さん)。

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JR土浦駅の待合室からも「自転車のまち」を押し出していく姿勢が窺い知れる
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駅前の交差点にある「りんりんロード」の案内には茨城県のシンボル水戸黄門が!
「売上や来館者数の目標値は定めているが、それだけがゴールではない(藤本さん)」とのことだが、たしかに、全国各地が抱えている“地方創生・地方の活性化”といった課題に対しては、もはや従来のように、単純な“逆算思考”では無理があるのは周知の事実。あえて “積み上げ思考”で一歩一歩、状況をリサーチし、調整してタスク管理していくアプローチが求められているのではないだろうか。

「まだまったく未定ですが、将来この新業態である“PLAYatré”の2号店ができたらいいなと」(藤本さん)。

【取材・文:宮英理子+大西智裕+『ACROSS』編集部】


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