定点観測
report : 2019 | 
09 / 07

#465 | 実施日 : 2019 / 09 / 07 | 最高気温 :  | 最低気温 :  | 天候 : 

サンダルから分かった、トレンドのジェネレーションギャップ!

2019−2020はトレンドの大きな転換期。
Generation Zを中心に、新しい価値観が浮上中!

2019年9月7日(土)、第465回「定点観測」は、「女性サンダル、うちフラット」、「フレアパンツ」、「バケットハット」の3つ。

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渋谷パルコはいよいよ11月22日にリオープン(左)。工事の囲いはほぼ取れています/今季アラサー以上の大人の女性はぺたんこ・フラットなサンダルでリゾート風がトレンド。

今月の観測テーマは、「女性サンダルうちフラット」、「フレアパンツ」と「バケットハット」の3つ。


今年はいつもにもまして異常気象が続いている。気候が「予測不能」な段階に入ったのでは、という議論もあるようだ。予測不可能な時代には、「定点観測」が有効だ(!)。ということで、
465回目となる9月の「定点観測」を、7日(土)に実施した。

8月後半はぐっと涼しくなり、「このまま秋になってしまうのだろうか。梅雨も長かったし、短い夏だったな」と思いきや、実査当日は再び真夏日に。しかし、翌日曜日は台風15号が関東を直撃し、未だに復旧していないエリアも少なくない。

現在、千葉県では「令和元年台風第15号千葉県災害義援金」の募集を行なっているので、関心のある方はぜひ下記のURLを参照ください。

www.pref.chiba.lg.jp/bousaik/bousai/gienkin.html
 
さて、今回メイン(マス)のトレンド(=Count Item)として注目したのは、「女性サンダル、うちフラット」“これから来そう/もっと増えそうなトレンド”(=Zoom Up Item)は、「フレアパンツ」「バケットハット」、合計3つのテーマを軸に路上観察・測定・撮影・インタビューを行なった。

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写真左から「男子スニーカー、うちダッドスニーカー」(2018年3月)、2018年5月に「女性厚底靴」、2019年8月「女性ロングスカート」。

大人と若者でトレンドが異なる結果に。
2019-2020は価値観の大きな転換期になりそう。

 
夏の定番アイテムともいえる「サンダル」今年は、アラサー以上の大人には、春夏からのリラックス感あるルーズなシルエットの服装に、あえてぺたんこ、フラットなサンダルで、“(セレブの)リゾート風”が主流となった。一方、20歳前後、またはティーンズの“ジェネレーションZ”には、おそらくスニーカーから履き替えたのだろう。真逆の厚底サンダルが大人気だった。

「定点観測」を振り返ると、今季の「サンダル」をめぐるトレンドの起点は、2017年ごろといえる。2017年6月のズームアップアイテムで「つっかけサンダル/ミュール」を取り上げ(写真左3点)ている。当時は、女性に限ってみると、①スポーツサンダルのカジュアル系と、②リゾート感(ヌケ感)あるエレガント系に二分していたと考察した。

その後、2018年は“デムナ旋風”が急伸“郊外的、ファッションから遠い場所やもの”をファッションのど真ん中に提示し、“ラグジュアリー・ストリート”という名称で評価された“価値の大逆転”というトレンドは、メンズファッションから広く一般へと浸透。ゴリゴリ&ゴツゴツしたハイテク系スニーカーの大ブームをはじめ、「男子スニーカー、うちダッドスニーカー」(2018年3月)をカウントアイテムとして取り上げたのは記憶に新しい(写真いちばん左)。

その後、2018年5月に「女性厚底靴」という名称で取り上げた際には、一見ダサい(エレガントではなく無骨)けどアニメっぽいという文脈が加わり、厚底靴が大ヒット。その担い手がティーンズだったことから、「ミレニアル世代=ジェネレーションZ」のストリートでの存在がこの時期より顕在化していったと考察した(写真左から2番目)。

「足元」に絞って振り返ると、2018年春夏に大人気だったアンクル丈のブーツに加え、“スポーツ”というグローバルトレンドを背景に、“スポーツ×厚底ごつめサンダル”が大人気(右から2番目)になる一方、“ヴィンテージ”というグローバルトレンドを背景に、“脱スニーカー”の流れもあり、レザーで厚底×ブランドという観点から「ドクターマーチン」が若者たちのあいだで定番化。2018年1月のズームアップ・アイテムとして取り上げた。2019年3月には「ショートブーツ、うち黒いショートブーツ」として注目したが、その後、そのデザインがスポーツや厚底、ビンテージ感、フェミニン感など、いろんな要素がミックスされたMDが急増。春の「デザインが多様になり過ぎたトレンチコート」を思い出すが、行き過ぎるとその揺り戻しが起きるのが流行の本質でもある。

そんななか、着用率が女性の25%を上回った(=かなりの浸透率)先月(2019年8月)の「女性ロングスカート」に該当する女性の足元を改めて見てみると、ソールがフラットなサンダルが多いという共通項が目についた。同時に、実際に佇み、編集部員全員で路上でプレサーベイを行なったところ、以下の理由から、フラット/ぺたんこのサンダルを履く女性が今シーズンは量的には多いのでは、という考察となった。

 
①スカートの丈が超ロングになっており、見せられる足元のそもそもの面積が小さい
②ロングスカートにヒール靴を合わせるとフェミニンになり過ぎる

実際のストリートのようすは、こちらをご覧いただくとして、今夏の女性のサンダルは、以下の2つのトレンドが併走していたことがわかった。

①量的にはフラット/ぺたんこサンダルが多かったが、アラサー以上の大人のハズしとして着用されていた。
②ティーンズ/20歳前後の若者=ジェネレーションZには圧倒的に厚底サンダルが人気だっった。

同じアイテムに2つのトレンドが併走している状態、しかも支持する層の違いがジェネレーションであることが意味するのは、“大きなトレンドが終わりを迎えていて、次の新しいトレンドが若者たちから始まってる”=トレンドの転換期。2020年は新しい価値観の台頭=モードが動く、そんな時代といえそうだ。
 
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(左から)裾にスリットが入ったニットパンツ/極太パンツは歩き方によってはフレアパンツにも見える/80sブロークンというグローバルトレンドとフレアパンツがミックスしたデザインパンツ。

表面的なデザインを楽しむ時代。
フレアになったレギンスと、70sファッションの復活!

1つ目のズームアップアイテムはこちら。
 
実は、2017年12月のズームアップアイテムで取り上げた「フレアパンツ」。ちょっと早過ぎたのか、一部のエッジーな若者だけに留まってしまい、なかなかインタビューに苦戦したのが記憶に新しい(写真左3点)。

その後、約2年ほどかけて、じわじわ、じわじわと増え、今秋冬さらに増えそう、ということから、今月取り上げることにした。

本トレンドを牽引したのは、ロング丈トップスやワンピース、スカートなどの下にパンツをレイヤードする“ボトムスのレイヤード・スタイル”のトレンドが大きい。2000年初頭には“スカート・オン・パンツ”として取り上げたことがあるが、その背景にあるのは、“女性らし過ぎない/ボーイッシュ過ぎない”という、絶妙なジェンダーミックスの感覚が女性のボトムスのファッションに表徴されていたと考察した。

当時はスパッツではなく「レギンス」という名称として台頭し、タイツ〜ソックス〜レッグウエアとしてアイテムが多様になり、マーケットも拡大していったのは記憶に新しい。

テン年代以降は、そういったインサイトとは関係なく、“表面的/ビジュアル/見た目”をライトに楽しむ嗜好になっている。今回注目した「フレアパンツ」には、レイヤードするのが前提の「レギンス」が、“ヴィンテージ”というグローバルトレンドの影響を受けて「裾が広がるデザインになったレギンス(のようなアイテム)」と、70sファッションを代表するアイテムの「フレアパンツ/ベルボトム」の復活とが混在しているようだ。

前者(フレアになったレギンス)は、裾にスリットが施されたニット製のものなど、ユニクロやGUからもリリースされており、その機能面からさらに幅広い層に支持されそうだ。

一方、デザイナーズブランドからドメスティックブランドにまで今秋増えそうな極太パンツのようなフレアパンツ(写真真ん中)や、“80s/ボロ”というグローバルトレンドの“ブロークン”のデニムのフレアデザイン(右)など、ふつうじゃないシルエット、デザインが施されたパンツなど、多様なデザインの“存在感あるボトムス”がトレンドといえそうだ。


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(写真左から)フェスっぽいバケットハットルック(2018)/まるで90sの音楽好きの男子(女子?)のようなバケットハット(2019年9月)/透け感のあるトップスにスリットの入ったセクシーなロングスカートでフェミニンなファッションにバケットハットをミックスしたスタイルが新しい(2018年9月)。

スポーツミックスからグラマラスへ。
トップスのパーツを分解し、再構築したようなデザインモチーフに注目。

2つ目のズームアップアイテムはこちら。

フェスやキャンプ、アウトドアなどが一般化するなか、“ラグジュアリー・ストリート”全盛の2018年は圧倒的にキャップが多かったが、今夏は少しヌケ感のあるバケットハットが増えたので今月注目することにした。

興味深いのは、昨年までは女子も男子もストリートっぽいスタイルに馴染むように着用していたが(写真いちばん左)、今年は男子は90sっぽい“モンドな雰囲気”がプラスされているものの(真ん中)ストリートっぽく着こなすのは変わらないが、女子は、一見対峙するようなフェミニンなスタイルにミックスする着こなしになっている点だ。

フレア(デザイン)パンツもしかり、デザインのエレメントを自由に自分流に組み合わせる、そんな“マイ・ミックス・スタイル”こそが、今どきの感覚なのだろう。そのセンスは、時系列のトレンドも、バーチャルもリアルもオールフラットの“ジェネレーションZ”だからこそ持ち合わせているともいえそうだ。

[文責:高野公三子(本誌編集長)] 


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