緊急事態宣言も解除になり、6月6日土曜日、３カ月ぶりに路上で「定点観測」を実施したが、そんな日が来るとは想像できなかった4月末。ファッション・カルチャーの記録の一旦として「ACROSS」編集部のアルバイトOGで現在ファッション業界にて活躍する人たちを対象にzoomを使って実施したオンラインインタビュー企画。３人目は、ギャラリー・CALM&PUNK GALLERYに勤務しつつ、『i-D』や『Ginza』などでファッションライターとしても活躍しているCさん（29歳）です。
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緊急事態宣言も解除になり、6月6日土曜日、３カ月ぶりに路上で「定点観測」を実施したが、そんな日が来るとは想像できなかった4月末。ファッション・カルチャーの記録の一旦として「ACROSS」編集部のアルバイトOGで現在ファッション業界にて活躍する人たちを対象にzoomを使って実施したオンラインインタビュー企画。３人目は、ギャラリー・CALM&PUNK GALLERYに勤務しつつ、『i-D』や『Ginza』などでファッションライターとしても活躍しているCさん（29歳）です。
・29歳・ギャラリー勤務、ファッションライター
・インタビュー日時：4月28日（火）14:00〜15:30
・インタビュアー：高野、大西／zoom利用
朝の散歩と午後の10分のワークアウトがいいリズムに。
Q（「ACROSS」編集部、以下Q）：改めて、今のお仕事の内容についてと、在宅ワークになってからの変化とかありましたら教えてください。
Cさん（以下、C）：平日はギャラリーを運営する会社に勤務していて、企画開発やギャラリー業務をしています。個人ではファッションライターや企画などの仕事をしています。ギャラリーは3月末からリモートワークが推奨され、4月8日から完全に会社もクローズ。母が喘息持ちだったりするのと、中国の友だち（上海ファッションウィークに参加するデザイナーたち）も2月から怖がっているのを知ってたのでコロナに対しての危機感はまあまあ早い時期からありましたね。
生活のリズムというか、モチベーションをキープするために、スイッチのオンオフをやっとくといいよ、と完全フリーランスの友だちからアドバイスをもらっていたので意識しています。
朝10時から始業なんですが、7〜8時くらいに起きて、朝ごはん食べて、着替えたり化粧したりして、9時半くらいまで近所に川があるんですが、その川沿いを歩いて、コンビニまで行ってコーヒー買って、ちょっと30分くらいベンチで本を読んだりしてから家に帰って始業〜というのがルーティンになっています。
朝の散歩時間をだいたいふだんの通勤時間と同じくらいにしてリズムを、と思っていたのですが、2週間過ぎたくらいでちょっと発狂しそうになった（笑）。こんなに人と会わないのは初めてなので！
以前と変わらず個人の仕事（雑誌などへの執筆など）は、朝、夜や週末にやっていて。会社の有志で毎日15時からは10分くらいワークアウトをしています。誰かが動画コンテンツを見つけてきてみんなで見ながらゆるくやる、という感じです。ヨガとかストレッチとか。
おしゃれなのに楽チンなkotohayokozawaは着用頻度が高いそう。これはタイにインスパイアされた時のコレクション。
ゆるくて動きやすくておしゃれなアイテムが重宝に。
kotohayokozawaやbodysong.とか出番が多いですね。
Q：今のファッションについて教えてください。
●今日のファッション
・トップス：kotohayokozawa／20,000円程度
・ボトムス：TOPSHOP ／ロンドン5年前／3,000円〜5,000円
・インナー（グリーンのレースのトップス）：109／1,900円
・イヤホン：ソニー／2019年1月／1万円以下
・ソックス：市販で買ったもの／300円程度
ゆるくて動きやすいアイテムを重宝するようになりました。例えば、kotohayokozawa（コトハヨコザワ）のトップスやbodysong.（ボディソング）のビッグスウェットなど。
ゆるくて動きやすいアイテムを重宝するようになりました。例えば、kotohayokozawa（コトハヨコザワ）のトップスやbodysong.（ボディソング）のビッグスウェットなど。
zoom飲みにはFELIX THE CAT100周年のスウェットで。
Q：在宅ファッションについて教えてください。
C：タイトな服は着なくなりました。ワンピースも着ない。圧倒的にパンツの方が多くなりました。タイツ＋スカートで外に出て行くような服装の時もあったのですが、3時にワークアウトする時にパツパツだとやりにくいのと、床だと滑るし楽チンな服になってます。なので、今日のコーディネートのようにシワにもならず、動きやすいアイテムはとっても重宝しています。
zoom飲みのときとかは、部屋着モード。FELIX THE CATの100周年記念で販売してたスウェットにユニクロのヒートテックスパッツですね。
会社からおこもりセットということで、好きな本3冊とWABARAのバラのお花が届きました。窓側に飾って毎日眺めています。
実家の側にある川沿いは朝の散歩コース。少し行ったところにコンビニがあるので、そこでコーヒーを買って、途中のベンチで読書をするのがオンへのプロローグ。
食生活もバランスを意識。
難しいオフ時間は脱PCとお香で。
Q：生活・意識はどう変わりましたか？
C：会社から“おこもりセット”というのが届いて、本３冊とWABARAというバラの花。本は朝の散歩やお風呂で半身浴をしながら読んだりしています。音楽かけたり。
食生活については、前から朝には納豆ご飯とかヤクルトとビタミン剤の３点セットは必ずで。朝にコンビニ行くようになってからは、黒酢ジュースも飲むようになりました。お昼は、アボカド和風パスタとか家族の分も作ったりしています。
難しいのはオフの時間をどう作るか。20時以降はパソコンを見ないようにしていて、読書したり映画観たりマンガ読んだりする時間を作ろうって意識的に思っています。湯船に使って本を読むとか。音楽かけながら。
あと、お香とか焚くようになりました。日本香堂の「かゆらぎ」というシリーズで、朝は白檀、昼はジャスミン、夜は沈香。香りで気分を変えています。
でも、つくづく人に会いたい、って思いますね。毎週金曜日の夜に、友だちと会ってご飯食べたり話したりしていたのが実はすごく楽しかったんだな、って改めて思います。
読書する時間も増えたそう。直近で読んだのがこの２冊。めっちゃ面白かった。
zoom飲みもNet Flix Partyも、
いつも遊んでる仲間と一緒にだらだらと。
Q：メディア接触ついては？
C：zoom飲みは４、５回やったかな。kotohayokozawaのコトハやKOTONAのコトナ、AKIKOAOKIのあきちゃん、BALMUNGのHachi、城光寺さんがいた回もあれば、写真家の佐藤麻優子ちゃん、アーティストのNukemeさん、ロボティクスファッションクリエイターのきゅんくんがいた回もあれば、アーティストの河野未彩さん、SKYDIVING MAGAZINEのみのりちゃんがいる回もあれば。居たりいなかったり、ゆるーい感じでお話しする感じです。
kotohayokozawaのコトハ、KOTONAのコトナ、城光寺さん、私の4人で、それぞれ１,000円って決めて、プレゼント交換をしました。届いたプレゼントをオンラインで発表し合うんですが、コトハがコトナに贈ったのが面白くて、ソフトキャンディを練って作るお菓子のお寿司「たのしいおすしやさん」！ その場で作ってもらってそのあと、インスタにあげてました。わたしは、城光寺さんにレトルトカレーとか、入浴剤をプレゼントしました。
他にも一緒にご飯食べよーって行って、みんなでモグモグしながらダラダラ話したり。Zoomは外の人が突然入ってくるって問題になっていたけど、SNS上でリンクを公開して、こちらが承認することで実際に見知らぬ人が入ってきたこともありました。映像も音声もミュートにしているから黙ってるんだけど明らかにいる！ 結局、しばらくしたら無言のまま去って行きました（笑）。
あと、Netflix Partyでみんなと映画を観たり、Amazonプライムとか観たり。YOUTUBEでKEMIOとか丸山礼のチャンネルとか見たり。TVはリビングにあるのですが（実家なので）、あまり見ません。
インスタとかツィッターとかは見てるしポストもするけど、コロナのニュースであまり振り回されないようにしようって思っています。
まとめてマンガを見たり読んだりも自粛ならでは。気持ちの切り替えはお香で。朝は白檀、昼はジャスミン、夜は沈香。
生活もファッションも今までとは変わりそう。
バーチャルファッションショーとかも増えるし、
よりパーソナルなものが支持されるようになると思います。
Q：ポスト・コロナ、アフター・コロナ、ウィズ・コロナについて、感じていること、思っていることがあったら聞かせてください。
C：今年はこんな感じなんだろうなあ、と思いますね。うちはギャラリーなので、営業の方法とか考えないといけないだろうなあ、と思って、早速オンライン展示の準備をしています。
上海とかロンドンとかの友だちとチャットしていると、ロックダウンなので、個々人がどれだけ頑張れるか、というのにかかっているのに比べると、蜜はNGだけど、ルールに従って外には出られる。彼らと日本の状況、どちらがいいかは分からないですが、みんなお互いを思いやって行動するのみですね。
マスクは下着と同じくらいのものになりそう。生活も今までとは変わりそう。パリやロンドンのコレクションとか、６月にどれだけデジタル上で見せられるのか気になりますね。上海とかは３月の時点で、TAOBAOがスポンサーで、レーベルフッド含めた上海ファッションウィークをがオンライン上でやっていて盛り上がっていた。バーチャルファッションショーとかも増えそう。
『BoF』とかだと、ライブ動画配信とかでトークイベントやったりしていて、そういう新しい方法が広まっていきそうだな、と。
ファッションの分野だと、20AWシーズンはルイヴィトンが「時間」をテーマにしていたり、グッチやバレンシアガがさらにパーソナルな方向にテーマを置いたり、「過去」を思い出すときの人間の時間への感覚が今回を機にますますパーソナルかつ深くなりそうですよね。
「懐かしい」って感じる時間のスパンも変わるだろうし、「非現実 / 逃避」も現実に基づいた方向になりそう。コロナが開けた後は、自分の体験と重なるようなナラティブ性のあるブランド、モノに惹かれるようになると思います。それぞれの人の記憶というか体験というか、香りもそうだと思うんですが、昔買っていたものとか、知ってるものとか、安心感のあるところに落ち着くような気がします。
「懐かしい」って感じる時間のスパンも変わるだろうし、「非現実 / 逃避」も現実に基づいた方向になりそう。コロナが開けた後は、自分の体験と重なるようなナラティブ性のあるブランド、モノに惹かれるようになると思います。それぞれの人の記憶というか体験というか、香りもそうだと思うんですが、昔買っていたものとか、知ってるものとか、安心感のあるところに落ち着くような気がします。
6月から『fashionsnap』で動画配信企画 「THINK FASHION.」をはじめました。 ファッションとファッションの周縁を拡張したい。
私も6月から『fashionsnap』で動画配信企画「THINK FASHION.」というのをスタートしました。特に、ステイホームに入ったから、と短期的なきっかけではなくて、ここ数年、自分が学生の頃に感じていたファッションへの間口って何だったけ、と思い出すことが多く、展覧会や本などさまざまなメディアを検討していたのですが、今のタイミングとしてまずウェブメディアを選びました。
「ファッション業界はシュリンクしている / 盛り上がっていない」というコメントは、散々これまで聞いてきたので、少しずつだけど なにか間口を広げる術はないかなと。そういう意味でも、自分のSNSで配信などではなく、やるなら大きな船で、と思ってFashionsnap.comさんに相談させていただきました。
いつもデザイナー主導で、何か能動的なアクションは起きるけど、それ以外の「周縁」で起きていたのってここ数年なかったと思うし。とはいえ、企画にするまでは、コトハやハチ、城光寺さんなど周りの友人にたくさん助けてもらいました。
どんどん回を重ねていくごとに、ファッションについて、ファッション業界だけではなく、ほかのジャンルの方々との対話も仕掛けていきたいなとプランしています。
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どんどん回を重ねていくごとに、ファッションについて、ファッション業界だけではなく、ほかのジャンルの方々との対話も仕掛けていきたいなとプランしています。
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ずっと以前から考えていたことをコロナを機会に実行する人も増えている。Cさんはこの動画配信企画「THINK FASHION.」をスタート。次回も楽しみだ。
