日能研が始めた“本のセレクトショップ兼知育の場”

日能研が始めた“本のセレクトショップ兼知育の場”

レポート
2002.07.06
カルチャー|CULTURE

5月9日、渋谷警察署の向かい側にあるビルの1Fに、児童書や絵本を中心に扱う書店、『ちえの木の実』がオープンした。同店を運営するのは、小学校4〜6年生を対象に、中学受験専門の学習塾を展開する、(株)日能研。今年2月の渋谷校移転を機に、その1F部分(約40坪)を改装し、書店を開業することになったのだという。

店内は、書棚をはじめ床や柱などに木材を使用。書棚には「はじめてじぶんで読む本」、「読みきかせのためのおはなし」など、クレヨンで書かれた手書き文字の画用紙が掲示されており、どこか小学校の図書館を思わせる雰囲気だ。また、座って読むことのできるスペースも2ヵ所ほど設けるなど、ゆったりと本が選べる空間となっている。

「子供たちにとって“良質な本”と触れ合える場を提供したい、という思いから始めました」と話すのは、同店のマネージャー・大西さん。周辺は、渋谷の中でもビジネスエリアということあって、平日は、仕事の合間や帰宅途中に子供の本を求めて立ち寄るお父さんも少なくない。
「品揃えの基準は、子供が読みたい、というよりも、親が子供に読ませたい本です」(大西さん)。

同店の蔵書は約2万冊。現状では、マンガ本や学習参考書は置いていないが、子育てに関する本や心理学、哲学の本など、大人向けの書籍も一部取り扱っている。
「この場所を、子供に関する情報の発信基地にしたいんです。そのために、親子関係で不安を抱える大人たちの参考になるような書籍も用意しました」。

5月31日付けの「Today's Shibuya?」で紹介した『PROGETTO』(http://www.web-across.com/todays/rjjvqh000000rm56.html)が、“デザイン関連の良質な本”を集めた書店をオープンしていたが、『ちえの木の実』では、“子どものための良質の本”を集積。利益を重視しがちな大型書店とは異なる、“本のセレクトショップ”とでもいうような新業態が、確立されつつあるともいえるだろう。

その後、おはなし会やワークショップなども定期的に開催。

毎月第2土曜日には絵本の読み聞かせ・手遊びなどを行う「おはなし会」をはじめ、手芸のワークショップなど、定期的にちいさな規模ですが、知育の場、学びの場として定着しています。 取材時にはなかったホームページも充実しています。

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