KEITO zzz ZZZ(ケイトーグーグー)

KEITO zzz ZZZ(ケイトーグーグー)

レポート
2002.09.26
ファッション|FASHION

02年5月、渋谷区神南1丁目に、『KEITO zzz ZZZ(ケイトーグーグー)』がオープンした。

これは、01年春より運営していたアンティークビーズのアクセサリーショップ『KEiTO(ケイトー)』が、アメリカの古着や靴、帽子、さらにメンズの古着などを加えたアンティークショップへと業態転換したものである。

店内は約10坪。控えめな照明にオーク調で統一された什器、赤い絨毯など、どこか懐かしい昔のクローゼットのような印象を受ける。商品構成は、7割が古着、3割がアクセサリーや靴、バッグ、帽子などの小物類。女の子向けの商品が中心だが、実は4割はメンズというのもこういった業態では珍しい。

「リニューアルのコンセプトは2つ。1つは、もともと扱っていたアクセサリーを核に、40〜70年代のアメリカのアンティーク古着を加えた“大人っぽい店づくり”。2つめは“宝さがししたくなるような品揃え”です」と言うのは、同店の責任者、内炭千佳子さん。

同店のオーナー・斉藤さんは、今回のリニューアルのプロデュースを、以前より交流のあった山本敬敏さんに依頼。山本さんは、10年ほど前から神戸などでアンティーク古着店『haberdashery(ハバダッシェリー)』を運営している。

たしかに、よく見ると、手刺繍が施されたマキシ丈のスカートや襟元にフリルがあしらわれたブラウスなどのレディスはもちろんのこと、ドレスシャツやテーラードジャケットなどのメンズもどこか上品な雰囲気の服が多いことに気づく。とはいえ、価格は1万円未満のものがほとんどで、50年代にテーラーで仕立てられたコートが1万円台、40年代のベークライトのネックレスでも3万円台と意外とお手ごろだ。

「新たに加えた古着や靴、バッグ、帽子などはすべて山本のセレクト。流行にとらわれ過ぎず、スタンダードだけどちょっとゴージャス感のある“神戸スタイル”を意識した商品を集めました。いろいろなものがぎっしり詰まったところから宝さがしをする感覚。そんな東京にはあまりない感覚を楽しめるお店にしたいと思っています」(内炭さん)。

原宿や下北沢、高円寺のカジュアルな古着屋でもなく、代官山のここ数年急増したヴィンテージショップとも異なる。上質感がありトレンドに流されていない、そんな“神戸スタイル”の古着屋が、ここ渋谷の坂上に登場したといえるだろう。

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