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green drinks下北沢
レポート
2013.09.10
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green drinks下北沢

シモキタはこれからどうなる?
地域メディアが語る下北沢の現在と未来

地域メディアの動きが活発な下北沢。「下北沢経済新聞」「ぶらり下北沢」「I Love 下北沢」「下北沢ブロイラー」の4媒体が揃ってのディスカッションの模様
各媒体/団体ごとに活動内容はさまざま。それぞれのスタンスや事業内容について共有できる場の存在は重要だ
懇親会でも積極的に情報交換をする参加者たち
小田急線下北沢駅の地下化に伴いその役割を終える踏切を惜しむ人々が集まった「さよなら踏切 ようこそシモチカ!」の模様 写真提供:I LOVE 下北沢
戦後の闇市時代の記憶を今に残す北口の駅前市場も撤去が進んでいる。跡地利用のプランは未確定だが一部は暫定的に広場としてイベントなどに活用されている
東京の「訪れるべき街」として2013年、吉祥寺とともにミシュラン・グリーンガイドにも紹介された下北沢。小田急線の地下化によってその中心部が大きく変化を遂げつつある今、未だ確定していない駅前の跡地利用など下北沢の未来への関心は高まっている。

下北沢の街づくりに関心を寄せる人たちが集まり“これからの下北沢”をテーマに語り合うイベントとして開催されているのが「green drinks下北沢」だ。「green drinks」とは、環境に関心のある人が、エコやソーシャルをテーマに食事やお酒を楽しみながら語り合う飲み会/パーティで、世界約600以上の都市で行われている。日本ではNPO法人「グリーンドリンクス・ジャパン」を核としてネットワークされ、全国各地で開催されている。

下北沢を拠点とする4つの地域メディアが集まるということで「green drinks下北沢 vol.2 地域メディアが複眼的に見る、今の下北沢」を取材した。開催されたのは4月15日、会場の「cafe kick(カフェ・キック)」には20~30代の若い世代を中心に、約40人の参加者が集まった。下北沢の地域メディア4媒体が個別にプレゼンテーションを行い、その後全員が登壇してのトークイベントという2部構成で行われた。以下、この日の登場順に紹介する。

「下北沢ブロイラー」(プレゼンター:佐藤蕗子さん)はSNSとしてスタートしたが、「音楽」「演劇」「映画/コメディ」「アート」「イベント」のカテゴリー別に“今週、下北沢のどのライブハウス/劇場で何が開催されているか”が一覧で分かる情報サイトとしてリニューアルした。網羅型の情報誌がない現在、こうしたタウンガイド的なメディアの存在は下北沢では有効だといえるだろう。

「I Love下北沢」(同:阿部達哉さん)は“下北沢を愛している!盛り上げたい!好きだ!と言う人達を繋いでいく地域密着型ソーシャルネットワーキングサイト”。商店街にも地道に入り込んでネットワークづくりを行っているのが魅力で、現在420件以上の店舗の情報を掲載、ショップ情報やクーポンなども提供している。ファッションショー「シモキタコレクション」や2万人を動員した「下北沢カレーフェスティバル」イベントも開催し、注目を集めている。

「ぶらり下北沢」(同:鍛治川直広さん)は下北沢中心部から池ノ上、東北沢、新代田、世田谷代田なども含む“広域下北沢エリアの活性化”をテーマに、カフェ、古着、雑貨などのショップやイベントなど、下北沢の情報を扱うポータルサイトだ。サイトを運営する「合同会社ぶらり」は商店街のコンサルティングなども手がけており、気仙沼との下北沢の間で生産地-消費地を結ぶ地域間事業を仕掛けるなど、エリア内にとどまらない活動を展開している。

「下北沢経済新聞」(同:小川たまか編集長)は「みんなの経済新聞ネットワーク」の下北沢エリア版で、2006年8月にスタート。全国に向けて下北沢エリアの情報を発信する役割を担っている地域ニュースサイトだ。下北沢駅の地下化は全国に流通した久しぶりのニュースだったが、同サイトの記事が日本最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」のトップページにニュース・トピックスとして掲載され、話題となった。
 
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商店街や団体がそれぞれ異なる活動を展開している。それが下北沢の魅力でもあると同時に課題でもあるといえるだろう
「グリーンライン下北沢」事務局の泉山塁威さん(写真中央のマイクを持つ人物)
「下北沢ブロイラー」は演劇や音楽などの開催情報が一覧できる情報サイト
「ぶらり下北沢」は求人情報や生活関連情報などを網羅する情報ポータルサイト。石巻との連携でマルシェを開催するなどローカルビジネス化にも取り組んでいる
「下北沢カレーフェスティバル」「シモキタコレクション」など商店街との連携によるイベントを開催し注目を集める「I LOVE 下北沢」
地元で活動する媒体でもそれぞれ「下北沢観」が微妙に異なっていたのが興味深いポイントだ
2013年7月末時点における小田急線下北沢駅、地上駅の跡地風景。ここにNYのハイラインのような空間を作り出すことはできるだろうか
下北沢で活動する4団体の間でも、下北沢の街に持っているイメージには微妙な違いがあったのが興味深いところ。例えば演劇や音楽のイメージが強い下北沢だが、実はそうしたイメージで下北沢を捉えている人の比率は来街者の中ではむしろ少数派だという(「ぶらり下北沢」のプレゼンテーションより)。訪れる人によってイメージが異なるという多面性こそが下北沢の魅力だといえよう。

「下北沢ではいろいろな人がそれぞれの視点で活動しているけれど、皆で集まる場がないという問題意識が以前からありました。下北沢で活動している方たちが集まる場所づくりと、どんな方がどういう活動をしているのかという情報をシェアすること。この2つが今後下北沢を盛り上げていくためには必要だと思ったんです」

「green drinks 下北沢」のスタートについてこう語るのは「グリーンライン下北沢」事務局の泉山塁威さん。明治大学大学院の博士課程に在籍し建築学科の助手を務めながら、自らも街のマネージメントについて研究をしている。

“下北沢駅の踏切最後の日”となった2013年3月22日、地元住民や下北沢好きがお祭りのように名残を惜しんだ光景は記憶に新しい。その核となっていたのが複数の地元団体や地域メディアの手で開催された記念イベント「さよなら踏切 ようこそシモチカ!~2013.3.23下北沢が変わるとき~」である。

小田急線地下化の日程発表が工事完了の約2ヶ月前というタイミングで、地元で記念イベントが全く準備されていなかったため、急遽その実行委員会として集まった団体が「下北沢クリエイティブ会議」。泉山さんの参画する「グリーンライン下北沢」とはじめ「I LOVE 下北沢」「green bird 下北沢」「ママンカ市場」という4団体のメンバーで構成されている。「green drinks下北沢」はこの「下北沢クリエイティブ会議」を母体としてスタートした。

このように複数の団体が、一部メンバーもカブりながら緩やかに連帯しているのが下北沢という街の面白いところだといえるだろう。泉山さんは、下北沢におけるソーシャルメディアやグリーンドリンクスの役割について語る。

「下北沢の外から多様な人たち、特にソーシャルデザインや社会貢献などについて考えている人に関わってもらうためには、さらにニュートラルな場所が必要になってきます。個別の企業活動ではカバーし切れない、ソーシャルな場所やまとめ役の必要性を感じていますし、「green drinks」がそのきっかけになればいいですね」

世田谷区でも屈指の商業規模を持つ街でありながら、若い世代が自分の問題として“まちづくり”にまで積極的に関わり、演劇や音楽、ファッションなどのユースカルチャーを地元商店街が受け入れ、ゆるやかに共存してきたのが下北沢という街の独自性であり、魅力なのである。
 

 
【取材・文: 本橋康治(コントリビューティングエディター/フリーライター)+ACROSS編集部 】 

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http://greendrinks.jp/gds/green-drinks-shimokita/


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