ACROSS Street Fashion Marketing

コンテンツメニュー
カオサンワールド浅草 旅館&ホステル
レポート
2014.03.13
この記事のカテゴリー |  カルチャー |   その他 | 

カオサンワールド浅草 旅館&ホステル

LCC就航で多様化する旅のスタイルに対応。元ラブホテルをリノベーションしたゲストハウス

エアアジアの就航でマレーシア、インドネシアからの旅行客の増加を想定して同店をオープン。宿泊者の7割をアジアからの旅行者が占めているという。
日本オリジナルの文化の畳を体験できるデラックス和室。定員4〜5名の部屋は家族連れに人気。
ライトアップされたバスルーム。バスタブの底がマジックミラーになっており、下の部屋から入浴の様子が見えるつくりになっている。
フロントと客室で対面せずに料金をやりとりするためのエアーシューター。
中古住宅を改装するリノベーションがブームになって久しいが、近年、ラブホテルをリノベーションして業態転換する例が目立ってきた。賃貸マンション「シャンティアパートメント(墨田区・2012年オープン)」「お針子プロデュース(台東区・2013年オープン)」や、アーティスト・イン・レジデンス「パラダイスAIR(千葉県松戸市・2013年オープン)」などに加えて、2013年11月22日にオープンした「カオサンワールド浅草 旅館&ホステル」もその一つ。つくばエクスプレス「浅草駅」から徒歩3分の場所にある元ラブホテルを活用したゲストハウスで、海外からの旅行客でにぎわっているというので取材を行った。

運営元は(有)万両。創業者である植田さんは上野出身で、2002年の日韓ワールドカップの際に、山谷地区に外国人旅行客が集まっている事を知り、せっかくなら是非浅草に泊まって欲しいという思いから、ビジネスをスタート。前職でタイに駐在した時に、バンコクのカオサンロードに魅了され、世界中の人が集まるゲストハウスというビジネスモデルに将来性を感じたのも大きなきっかけだそうだ。2004年に1号店となる「カオサン東京オリジナル店」(台東区雷門2丁目)をオープンし、2014年3月現在で東京・京都・博多・別府・札幌に全12店を展開している。

その中でも「カオサンワールド浅草 旅館&ホステル」は、最大規模で、敷地面積549平方メートル、6階建て36部屋。もともと1982年頃に建設された当時、浅草で最も大規模でゴージャスなラブホテルだった物件である。

 

「ラブホテルをリノベーションするメリットは、なんといっても効率。宿泊施設として造られた物件なので営業許可を取りやすいんです。防音がしっかりしていて隣の部屋を気にしないで済むと宿泊客からも好評。アジアの方々は共同トイレ・バスに抵抗がある方が多いので、各部屋にトイレ・バス・洗面台が設置されている点も好まれているようです」(ゼネラルマネージャー/馬込 将日児さん)

 

ホテル,ゲストハウス,宿泊施設,ドミトリー,安宿,バックパッカー,旅行,インバウンド,海外,観光,来日,クールジャパン,LCC,格安航空,浅草,台東区,リノベーション,再利用,ラブホテル,カオサン,カオサントウキョウ,万両
一番人気は、カプセルホテルスタイルのドミトリールーム。各ベッドに電源をつけるなどの細かい配慮がなされている。
部屋以外でも集える共有スペースとしてダイニングキッチンを広めに作っている。宿泊客や住民の交流イベントも毎月開催。
メゾネットスタイルのデラックスパーティルーム。バブル期に建てられた建物ならではの豪華絢爛な内装も魅力。
なんと壁一面がミラー貼りのトイレ!
ベランダに露天風呂は夏には開放する予定。今後はインフォメーションルームを予定で、さらにマンガ好きの宿泊客に向けたマンガ部屋を作るなど日々改造中。
内装は、レトロな趣を残すことに注力し、日本独自の宿泊施設である「旅館」「ラブホテル」「カプセルホテル」の要素を盛り込んだ。主な客室は、錦絵風の絵が描かれたガラスや玉砂利の上に通る回廊など和の要素が詰まった「デラックス和室」、空模様の壁紙があった浴室をキッズベッドルームへと変身させた「ファミリールーム」、カプセルホテルのようにプライベート空間を確保できる「ドミトリー」など。ホステルとしては珍しい、4人以上で宿泊できる部屋が多いのが特徴だ。

よく見ると、フロントと顔を合わせずに支払いができるシューターや、ベッドサイドの照明コントローラー、鏡張りのトイレなどのラブホテルならではの造りが残っている面白さがある。料金は、ドミトリー2,200円/人~、和室12,000円/部屋~、最大はデラックス和室で18,000円/部屋。

ターゲットは日本人を含む世界中の人。主な客層は20代のバックパッカーだが、4人以上で宿泊できる個室が充実しているためファミリーも少なくない。同店を経由して、冬は北海道ニセコ町までスノーボードに行ったり、雪を見に富士山や飛騨高山に行ったりする旅行客も多いそうだ。LCC(格安航空会社)就航以降は、タイ、マレーシアやインドネシアなどアジア圏の宿泊客が増えており、全体の7割を占めるという。宿泊日数の平均は3~4泊で、混雑期は桜や紅葉の時期と夏だが、どの店舗も年間90%は稼働しているという。

告知方法はホステル予約サイト「ホステルワールド」を中心に、各店舗のFacebookファンページや宿泊客のブログなどネットが中心で口コミで広がっている。

近年の格安航空会社(LCC)の就航経路および本数の増加、そして、宿のネット予約が浸透したことで、今までのパッケージツアーとは異なるセルフメイドツアーで東京に訪れる外国人旅行客が増えています。こうした旅行客は今まで主流だった団体旅行とは違って、飛行機代や宿代をコストダウンして長期滞在し、日本のローカルコンテンツを積極的に体験する、という特徴があります。そんな方々に、ディープなお勧めスポットやイベントなどの情報を提供するのが我々の役割。より深く日本を知っていただければと思っています」(馬込さん)
ホテル,ゲストハウス,宿泊施設,ドミトリー,安宿,バックパッカー,旅行,インバウンド,海外,観光,来日,クールジャパン,LCC,格安航空,浅草,台東区,リノベーション,再利用,ラブホテル,カオサン,カオサントウキョウ,万両
シャンデリアが輝くフロント。浅草や秋葉原などの観光地にもアクセスが良く、一年を通して稼働率9割という人気ぶりだ。
また、宿泊客以外も参加できるホームパーティーを毎月開催。旅人同士、地域住民の交際交流の場作りにも取り組んでいる。今後は情報を共有するサロンルームを開設予定で、系列店舗の「ラボラトリー店」では西浅草緑泉寺の住職・青江覚峰さんが精進料理を振る舞うイベント「お寺ご飯」や周辺エリアのガイドツアーを行うなど、地域と連携したイベントも開催している。

取材時も「以前日本の大学に留学していた時の友だちに会うために毎年日本に来ている」という台湾からの男性が宿泊していた。定点観測でも2010年頃から、一見日本人だと思いインタビューしようと声をかけたら海外からの観光客や留学生だった、という若者に頻繁に遭遇するようになった。彼・彼女らの情報源は、通常のガイドブック等ではなく、個人のブログやSNS。非常に情報ツウで、来日経験も豊富で日本のポップカルチャーを楽しんでいる「ジャパノロジスト」たちである。

コアな日本ツウの「ジャパノロジスト」が増える中、同店のように建物もサービスもオリジナリティ溢れるゲストハウスはますます支持を拡大して行きそうだ。

取材・文 緒方麻希子(フリーライター・エディター)+ACROSS編集部

カオサンワールド浅草 旅館&ホステル

東京都台東区西浅草3-15-1
TEL:03-3843-0153

world@khaosan-tokyo.com
カオサンワールド浅草 旅館&ホステル




大きな地図で見る


同じカテゴリの記事
同じキーワードの記事