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BUKATSUDO(ぶかつどう)
レポート
2014.08.08
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BUKATSUDO(ぶかつどう)

横浜みなとみらいに誕生した新シェアスペース
オンとオフをシームレスに繋ぐ“大人の課外活動拠点”

 
横浜みなとみらい地区のドックヤードガーデン内に6月25日、「大人の部活が生まれる、これからの街のシェアスペース」をコンセプトとする新たなシェアスペース『BUKATSUDO(ぶかつどう)』が誕生した。ワークラウンジやレンタルスペースに加え、個人/団体が地域とともに活動を展開する際の拠点「BUSHITSU=部室」を提供。シェアオフィスとも多目的スペースとも異なる、独自のバランスを持つ施設である。

ワーキングスペースの窓からは重要文化財である造船所ドック跡が眺められる
会員制ワークラウンジはビジネスマンのセカンドオフィスや個人事業者のワーキングスペースとして60席を用意している
グラフィックデザインや館内サイン、ウェブサイトのなどのディレクションはgroovisionsが担当
ワーキングスペースには個人向けブースも備えられている。画面左側壁面は旧ドック部分に面しているため傾斜している
小さな会合に使用できるミーティングルーム。広さ約16㎡
ワークラウンジ横の広いオープンキッチンを貸し切りパーティーや料理教室やイベントで使用できるのは魅力的だ


ドックヤードガーデンは明治時代の造船場「旧横浜船渠第2号ドック」跡地で、重要文化財に指定されている産業遺構である。横浜市と横浜市芸術文化財団、三菱地所株式会社の三者が公民連携で、クリエイティブ産業の活動拠点として再生するべく整備を進めてきたものだ



このスペースにリノベーションを施し、新しいスタイルの施設として運営に取り組むのは株式会社リビタ。こあれまでacrossでも紹介してきたTABLOIDThe SHAREなど、立地やハードに合わせて多彩なリノベーション/シェアスペース運営に取り組んできた企業だ。


総面積は817平方メートルで、ドックヤードガーデンの地下1階に位置している。施設中央のフリースペースが比較的大きく取られており、コーヒーカウンターはビジターでも利用できる。テイクアウトも可能で、コーヒー1杯でも気軽に利用することができる。


会員制のワークラウンジは月額契約とドロップインでの利用が可能で、デスク/ソファ席を合わせて約60席を整備。オフィスワーカーのセカンドオフィスや自習用のスペース、個人事業主のコワーキングスペースなどの利用に対応する。


レンタルスペースはキッチン、ホール、スタジオ、アトリエ、ブース、ルームという6種類の異なるスペースが準備されている。オープンなキッチンのデザインは、リビタが原宿で運営するシェアハウス「The SHARE」のラウンジを思わせるオープンなデザインが魅力である。


プレオープン後は上記のサービスから運営をスタートし、さらに2014年10月に予定されているグランドオープンからは「BUSHITSU(部室)」の利用が可能となる。この部室という考え方が、ビジネスユースやクリエイターに限定されない「BUKATSUDO」の個性のベースとなるものだ。

 

施設のロゴにも反映されているように、BUKASTDO(ぶかつどう)の「DO」には講座やイベント、ワークショップなどを実践するという意味の“do”、参加者が中心となってここから地域に向けた活動を行なうことから“動”と“道”、さらに人々が思い思いに集まり、過ごす場所という意味の“堂”といった複数の意味が込められている。 


こうしたコンセプトづくりからコンテンツやデザイン、コミュニケーションの各領域で活躍するクリエイターたちが有機的にプロジェクトを組み、プランニングを行ってきた。

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トークイベントや上映会に使えるホールは約120平方メートル。プレビューイベントにはメディアやクリエイティブ関係者に加えて地元からの参加者も目についた
館内BGMやインターネット放送の機材を備えた「BOOTH」。奥の壁面は工事中に剥がしたら出てきたという壁画をあえてそのまま活かしてある。完成させすぎずに余白を残しているところがBUKATSUDOの個性となっている
工作やDIYのワークショップなどに利用できる空間「ATLIER」。奥にあるのが部活動の拠点となるスペース「BUSITSU」=部室である
横浜自転車部も参加。自転車で豆を挽く「人力コーヒーミル」
防音のスタジオブースも完備しているので、音楽系部活でも利用可能。写真はジャンベのワークショップ風景
現在はBUKATSUDO主催の連続講座などのプレオープンイベントを開催中。写真は6次元店主・ナカムラクニオさんをゲストに迎えたイベントの模様。部長候補も続々誕生中という
前列左から内沼晋一郎さん(NUMABOOKS)、ドックヤードガーデン活用事業運営協議会会長/横浜市文化観光局長・中山こずゑさん、(株)リビタ常務取締役・内山博文さん、古田秘馬さん(umari)。後列左から(株)リビタ・北島優さん、groovisions・原 徹さん、田中裕之さん(田中裕之建築設計事務所)

 全体のクリエイティブ・ディレクションとコンテンツ・ディレクションを担当するのは、ブックコーディネーター・内沼晋太郎さんが主宰する「本とアイデアのレーベル」NUMABOOKS


さらに講座やイベント、部活づくりなどのコンテンツ・ディレクションに関してはumari inc.が参画し、代表の古田秘馬さんがこれまで丸の内朝大学や六本木農園でプロデュースしてきたようなコミュニティづくりを、このBUKATSUDOでも活かしていく計画だという。


ここをハブとしたコミュニティづくりが行いやすくなるように、比較的オープンな空間づくりが行われているのがBUKATSUDOのハード面の特徴だ。キッチンやスタジオ、ワーキングスペースなど、各設備は比較的オープンに設えられているので、他の団体や部活がどんなことをしているのかが分かりやすい。


こうした設備面のデザインワークに関しては、インテリアデザインを住宅・店舗のリノベーションを得意とする
田中裕之さん(hiroyuki takana architectsが、サインやツール、ウェブデザインなどのアートディレクションをgroovisionsそれぞれ担当している。



田中さんによれば、今後入居者や部活動がどのような方向になるのか今後さらに変化することが考えられるため、設備面のデザインについては未完成/余白の部分を多く残してあるという。

 

「リノベーションも、ハードウェアの改修による建物のバリューアップから、価値の転換へと意味合いが変わってきた。このBUKATSUDOも同様で、ここでできた部活動=コミュニティを水平展開し、街中の有休物件にユーザーを紹介し、地域の活性化に繋げられるような拠点にしていきたい」
と(株)リビタ常務取締役の内山博文さんは語っている。



みなとみらい地区のオフィスワーカーは約9万人。周辺エリアの居住者なども含めたコミュニティとしてのポテンシャルは大きい。さらに同地区で開催されるコンベンションや横浜美術館のような文化施設などを目的とする来街者の多さを考えると、ビジネスユース主体のコワーキング・スペースとは異なるバランスがこの施設には求められるはずだ。



大人の「部活」というコンセプトには、横浜という街ならではの余裕が感じられる。ビジネスユース+オフの趣味の拠点+コミュニティ活動のいずれにも使えるという多面性は、これまでなかった余白と遊びのある、横浜らしいともいえるコンセプトだ。今後この拠点からどのような部活動が立ち上がるかによって、このBUKATSUDOという施設の中身も決まってくる。プロジェクトメンバーも部活動づくりに参加するそうなので、今後ここから横浜のコミュニティを巻き込んで、どんな動きが生まれてくるのかが楽しみである。
 


【取材・文: 本橋康治(コントリビューティングエディター/フリーライター) 】 
 

 

BUKATSUDO(ブカツドウ)

BUKATSUDO(ぶかつどう)
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい2-2-1
ランドマークプラザ ドックヤードガーデンB1

施設営業時間(お盆年末年始休業)
月~金   7:00~23:00
土・日・祝 10:00~22:00コーヒースタンド営業時間 10:00〜17:00
Tel   045-681-2880

 


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