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旬八青果店
レポート
2014.10.31
この記事のカテゴリー |  飲食・フーディング | 

旬八青果店

人気の秘密は旬の美味しさ・新鮮・適正価格 真っ当だが新しい都心型青果店

目黒、赤坂、青山、渋谷といったエリアで出店を進め、注目を集めている都市型八百屋「旬八(しゅんぱち)青果店。“ゆっくり食事ができない都市に暮らす人びとに向けて「新鮮」「美味しい」をテーマに青果を届ける”というコンセプトに加え、絶妙な価格設定がいま支持を集めている。

旬の美味しさをマーケット視点の適正価格で提供するのが旬八の基本方針だ
ショップロゴや旬を伝える店頭ポスターなどのクリエイティブワークに力を入れている
スーパーではあまり見かけない品種の野菜が何かしら見つかるのも魅力の一つ
店頭商品の約60%が産地直送。2014年には自社農場の運営にまで進出した
マーケット感覚に合わせた価格設定を行っているため、パクチーや空芯菜といったニッチな品目はむしろ割安な感じ
旬八青果店」は2013年に1号店を目黒警察署前店(東京都目黒区)にオープン。2014年10月現在5店舗を展開している。売場面積は10~20平方メートルで、店頭には野菜や果物の段ボール箱が並び、一見するとふつうの八百屋のように見えるが、「ブロッコリーの葉」「オータムポエム」といった、スーパーでもあまり見かけない品種のものも並んでいる。

「旬八」という店名のとおり、店頭に並ぶ商品の約60%が産地直送の野菜と果物。産地を示す黒板が店内に置かれ、商品のPOPにも手書きで産地情報などが書き込まれている。パクチーやルッコラ、モロヘイヤのようなニッチなカテゴリーの野菜は、むしろ割安感も。

正月三が日以外は無休で営業。開店は午前10時だが閉店時間は目黒店・赤坂店が午後8時、五反田店が午後9時と店舗によって異なる。昼は高齢者を含む近隣の主婦層、夕方から夜にかけては、子育て世代の若いママや仕事帰りと思われるOLやサラリーマンなどが目立つ客層だ。店舗のスタッフが野菜や果物の試食を奨めたり、来店客からの質問に応える光景が目につく

旬八の運営企業は株式会社アグリゲート。同社が独自に開拓した生産者から、収穫した野菜や果物を買い付けたものが毎日入荷する。配送も自社便を使用し、一部は生産者から直接店舗にデリバリーしていることによる鮮度の高さも特徴だ。

日持ちのするもの以外はその日のうちに売り切る方針。時間がたった野菜は、夏はサラダ、秋冬は蒸し野菜、カットフルーツに店内で加工して販売しており、これが単身者にも人気のサービスとなっている。コンビニサラダに比べて味・安心感の両面で勝っており、食の安全性に関心が高まる今のニーズに合った商品だといえる。

「都市型の八百屋」といっても、有機栽培や高級果物といった「こだわり型商材」に取り立てて注力していないのも特徴。あくまでも旬の新鮮さを基本とし、結果としてスーパーと比較しても十分競争力を発揮できそうな価格設定を行っており、この「新鮮な美味しさ」と「マーケット視点の適正価格」のバランスが旬八の魅力といえる。

同社代表の左今(さこん)克憲さんは大学在学中から農業を研究、日本中の農産地を巡って農家へのコンサルティングを行ってきた農業の専門家だ。その後、産地や生産者へのコンサルティングからインターネットを活用した生産直売、そして生産者とユーザーを結ぶパーティ型イベント「AgrimartCafe」の開催を経て、独自ブランドの青果店「旬八」へとビジネスのフィールドをマーケット寄りに展開してきた。
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赤坂店の店頭風景。スタッフのコミュニケーション力の高さも高く評価されている
各店舗とも社員とデリバーさん(アルバイトスタッフ)を合わせた2〜3人で運営されている
ユーザーから得た情報を社内SNSで共有して価格や品揃えに反映させている
日持ちのするもの以外はその日のうちに売り切るのが基本方針
目黒警察署のバス停前にある目黒店。夜は勤め帰りや単身者が帰り際に訪れる
卵や調味料も取扱う。米などの宅配にも対応
株式会社アグリゲート代表の左今(さこん)克憲さん。大学在学中から農業を研究、日本中の農産地を巡って農家へのコンサルティングを行ってきた
有機野菜などを扱う店舗やマルシェ型のイベントは都心部でも多く見かけるようになったが、産直マルシェの多くは生産者視点での価格設定が多く、生産量の少ないものはやはり割高なものにならざると得ない。一方、旬八では、単品種での利益よりも市場における適正な価格設定を優先しているという。安全で美味しくても、価格が高すぎては売れない。むしろ価格がこなれることで消費が生まれ、生産量が増えれば価格競争力もついてくるということだ。

仕入れは代表の左今さんを含むバイヤーチームが行なっている。鮮度にこだわることで扱う商品も日々変化するのに加え、前述したように店頭での加工といった店舗スタッフのオペレーションに委ねられる部分も多い。各店舗は社員と、デリバーさんと呼ばれるアルバイトスタッフ含めて2〜3人で運営されているが、社内のフレキシブルな情報共有が力の源泉だという。

「私たちの店頭には日々違った商品が入ってきます。社内専用の「トークノート」というSNSを使って、商品に関する情報を共有しています。商品情報をリアルタイムで更新・共有するため、デリバースタッフの商品知識も自然と身につきます」(同社経営戦略室・山田睦子さん)。

店頭でユーザーとのコミュニケーションを活発に行っているので、そこからニーズを拾い上げる。さらにユーザーの潜在的な要望をフィードバックして品揃えに反映させることができるのが同社の強みとなっている。さらに、2014年には自社農場の運営にまで進出し、野菜の適正価格化と産地の活性化に効果を挙げている

現在、店舗は目黒〜渋谷のエリアでドミナント展開しているが、今後はもう少し幅広いエリアでの店舗数も増やしていく計画だ。出店計画は路面店が中心だが、催事形式やポップアップショップ、商品委託など出店形式はフレキシブルに対応していく予定で、既に百貨店などからも現在、出店の要請が寄せられているという。

「2020年までに100店舗の出店を目標にしています。東京の主に西側で、周辺に大規模スーパーがない、都心部の住宅地を中心に店舗開発を行っていきたいですね」(山田さん)。

旬八青果店は、昔ながらのまっとうな八百屋の姿に近いのかもしれない。しかしそれを現代の都市住民のライフスタイルに適合させ、さらにスーパーとも戦える価格設定で行なうというアップデートを施した点が、これまでにない魅力となっている。

今後の多店舗化や生産地へのフィードバックが進んでいけば、物流コストなど価格面でのスケールメリットも追求できる。店頭で行っているサラダなどの加工サービスは、立地によっては更なるニーズがありそうだ。都市生活者と生産者を新しく繋げ直す試みとして、さらなる可能性を感じさせる。
 

取材・文: 本橋康治(ACROSSコントリビューティングエディター/フリーライター)

旬八青果店 赤坂店

営業時間:10時 ~ 20時
TEL:03-6435-5843
〒107-0052
東京都港区赤坂7-8-12


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