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月刊BOB×ACROSS編集部コラボ企画
「エリアをアツくする会」東日本編
レポート
2016.03.04
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

月刊BOB×ACROSS編集部コラボ企画
「エリアをアツくする会」東日本編

地域活性化をテーマに日本全国6都市で定点観測ツアーを決行

ACROSS編集部では2015年1月〜12月の1年間、(株)髪書房の『月刊BOB』誌上でコラボレーション企画「エリアをアツくする会」の連載を行ってきた。

『月刊BOB』は、美容師/スタイリスト向けの美容専門誌で、最新のヘアスタイルやヘアデザインを中心に、テクニックやカラー、パーマ、スタイリングやファッションなど、美容師向けの企画特集などを掲載している月刊誌で、2015年4月号に地方にフォーカスした連載記事を増加し、全面的にリニューアルした。

近年、美容業界では、名古屋の「ヤバコレ」のように地方の有力なヘアサロンが地域活性化を目的にファッションショーやヘアショーを盛り込んだイベント企画が盛り上がっている。また、ソーシャルメディアの浸透によって、美容師個人による情報発信やセルフブランディングも可能になり、地方都市から全国区的なスター美容師やレセプショニストが生まれるケースも頻出しているのだ。

一方ACROSSでは2014年4月に定点観測400回を迎えたのを機に、広島や京都、NYやLAなど国内外のさまざまな都市に暮らすパートナーといっしょに定点観測を行ってきた。そういった背景もあって、今回、BOB編集部といっしょに日本全国の地方都市にフォーカスした企画「エリアをアツくする会」というタイアップ企画を行う事になったのである。

「エリアをアツくする会」では、2号続けてひとつの街にフォーカス。まず、ACROSS編集部が当該都市でプレサーベイを実施し、エリアと「ズームアップ・アイテム(これから流行りそうなファッションアイテム)」を選定。実際に身につけている人々をスナップし、インタビューするという「定点観測ライト版」を実施し、そのエリアで一歩先行くおしゃれな人々のファッションやヘアメイクを紹介する。そしてその翌号ではBOB編集部が、そのエリアで活躍する美容師、アパレルショップのオーナー、(当該都市にパルコがある場合は、パルコの営業が参加)を集めて座談会を開催。みんなでファッションやヘアメイクに留まらず、街について語り合う、という構成とした。

ここでは、せっかくなので、同誌への掲載からは漏れてしまったものの、各都市で実施した「定点観測ライト版」の結果を紹介し、フォロー記事としたい。

まずは、2015年上半期に名古屋・金沢・静岡で実施した結果を「前編」として紹介したい。

2015年1月 定点観測 in 名古屋
〜女性らしさとドレスアップ感が名古屋ファッションの特徴〜

・実施日 2015年1月17日(土)※16日(金)にプレサーベイ実施
・天気 晴 最高気温11.3℃、最低気温3.4℃
名古屋では、名駅と栄の両方でプレサーベイを実施したが、結果的に、新春のグランバザールで賑わう栄の名古屋パルコ本館前で定点観測ライト版を行った。しばらく街を観察した結果、大きく3つのファッショントライブに分かれる事が分かった。

20〜30代女性のメインとなるのは、巻き髪のロングヘアにスカートやワンピース、ヒール靴という①「フェミニン・コンサバ系」。女性らしく、きちんと感のあるファッションが特徴だ。

次に多かったのが、パンツルックにニューバランスのスニーカー、チェスターコートなどを着用する②「ストリート・モード系」。名古屋にもメンズライクなファッションのトレンドがみられ、着実に脱フェミニン化が進んでいるようだった。

そして注目したいのが90年代後半生まれの③「新人類ジュニア世代」。古着や個性的なファッションアイテムを求めて栄〜大須エリアに来街していた。
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左「フェミニン・コンサバ系」、中「ストリート・モード系」、右「新人類ジュニア世代」の代表的なスタイル。
また名古屋独自のトレンドアイテムもいくつか確認できた。

・ロングヘアー:名古屋はロングヘアの女性が圧倒的に多い!腰までのスーパーロングも少なくなく、明るめのヘアカラーで毛先をふんわりと巻いたフェミニンなスタイルが人気。

・赤リップ:2014/15AWの東京では、大人っぽくクールなテイストのボルドーリップが浮上していたが、名古屋ではかわいらしいテイストの透明感のある赤リップが大人気。

・ブランドバッグ:ルイ・ヴィトンやプラダのミニショルダーやミニボストンに加え、セリーヌやMCMなどのリュックも人気だった。

・まつ毛エクステ:東京では人気が一段落していたが、名古屋では根強い人気。付けまつ毛ではなく、サロンで施術するまつ毛エクステが主流。

そんななか、今回は、前述した3つのトライブに共通していた「アクセサリー」に注目した。着こなしは以下の通り。
①「フェミニン・コンサバ系」には、一粒パールのピアスやコットンパールのネックレス、コスチュームジュエリーなど、上品でエレガントなデザインのものが人気。また、コートやロングダウン、バッグやムートンブーツに至るまで、実に様々なアイテムにキラキラのビジューがあしらわれていた。

「ストリートモード系」には、コットンパールやビジューのショートネックレスを1点だけプラスし、コートの胸元からチラ見せするスタイルが人気。マニッシュな着こなしを邪魔しない、さりげない着こなしが人気だ。

③「新人類ジュニア世代」には、漢字モチーフのリングや羽のピアス、作家による1点ものなど、キッチュなアクセサリーが人気。また、DIYマインド旺盛な新人類ジュニア世代らしく、自作のアクセサリーを付けている人もいた。

インタビューしてみると「栄の街に来るので、目立つように派手にした」(岐阜県瑞浪市・23歳・公務員)、「名古屋に来る日は特別なので、ブルジョワっぽくした」(岐阜県多治見市・23歳会社員)、という意見が聞かれ、岐阜や三重、福井など広域から訪れる特別な街としてのステージ感を感じた。
 

2015年3月 定点観測in金沢
〜ゆったりデニムで「肩肘張らない」リラックスカジュアル〜


・実施日 2015年3月22日(日)※21日(土)にプレサーベイ実施
・天気 薄曇 最高気温15.1℃、最低気温5.2℃
・撮影 合計432カット
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金沢では、北陸新幹線が開通した1週間後の3月22日(日)に定点観測を実施した。

前日21日(土)にJR金沢駅から武蔵、香林坊、片町、竪町、新竪町をフィールドワークし、各エリアの特徴や来街者を観察した。金沢21世紀美術館や近江町市場などの観光地だけでなく、街じゅうが観光客で賑わっており、着物でそぞろ歩く女性たちも目立った。

プレサーベイの結果、近隣から来街していると思われる人が多かった竪町商店街を観測場所とした。竪町商店街は約430mにわたって約200店舗のアパレル店や雑貨店、カフェなどが並ぶ北陸随一のファッションストリート。その中程にある商業施設、金沢PATIO(パティオ)前広場で、街ゆく人々のファッションを観察した。
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観察の結果、東京や名古屋に比べるとファッショントライブの違いがあまり見られず、多様化していない印象を受けた。全体的にカジュアルなテイストが強く、大きくは定番のアイテムを組み合わせる①「ライフスタイル系」、前述した②「ストリートモード系」の2つとした。

注目したアイテム&スタイルは、10代〜40代まで幅広い年齢の男女に着用されていた「デニム素材アイテム」。

ティーンズの女子にはデニムのジャンパースカートやヒザ丈スカートが人気で、スウェットやボーダーTシャツと組み合わせた元気なスタイルが多かった。20代の女性にはジーンズにスニーカー、リュックといったボーイズカジュアルが目立ち、なかでもジーンズが大人気。ボーイフレンドデニムやペインターパンツ、デニムワイドパンツなど、ゆったりしたものが多いのが特徴だ。

30代の女性には白パンツにGジャンやシャンブレーのシャツを合わせた「キレイめなコーディネート」が人気で、デニムのお揃いコーディネートのカップルや、ファミリーもちらほら見られた。

さらに男性にはGジャンやカバーオール、ショップコートなど、デニム素材アウターが人気で、チノパンやカーゴパンツ、レッドウイングなどに合わせたアメカジ風のコーディネートが支持されていた。
 
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毎年、春先に人気になるデニム。2015年春の東京では、裾が切りっぱなしだったり、ダメージ加工が施されたボロデニムが人気だったが、金沢ではボロデニムはほとんど見られず、色落ちしていないリジットデニムが主流。白×紺のボーダーTシャツやトレンチコート、チノパンなどに合わせて、ちょうど90年代に流行した「フレンチカジュアル」を彷彿させるクリーンな着こなしになっていたのが興味深い。

ヘアスタイルやヘアカラーも、凝ったヘアアレンジや奇抜な色は見られず、メイクも極めてナチュラル。ヒール靴や緊張感のあるファッションも少なく、主張しすぎず、ナチュラルでリラックス感のあるファッションが金沢の特徴といえそうだ。

 
●2015年5月 定点観測in静岡
〜トレンド感と着心地を兼ね備えた便利アイテム〜


・施日 2015年5月17日(日)※16日(土)にプレサーベイ実施
天気 曇一時雨 最高気温24.0℃、最低気温19.2℃
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仏カンヌ市と姉妹都市提携を結んでいる静岡市では、毎年5月の大型連休を中心に「静岡×カンヌウィーク」と題し、市内のいたる所で映画上映やマルシェ、屋台などが並ぶイベントが開催されている。5月17日(日)、多くの人で賑わう静岡パルコ前で撮影とインタビューを行った。
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前日16日(土)に行ったプレサーベイの結果、10代後半〜30代の女性のファッショントライブは大きく4つに分かれる事が分かった。最も多かったのは、ナチュラルなファッションの①「ライフスタイル系」。次に多いのが②「ストリートモード系」。その他、アウトドアやスポーツアイテムをミックスする③「ネオストリート系」、そして新人類ジュニア世代の④「コスプレ系」だ。

注目したアイテム&スタイルは「ボリュームシルエット・ボトムス」とした。東京の定点観測では2014年夏に取り上げ、丈やシルエットが変化しながらある意味定着しているアイテム&スタイルだが、静岡でもガウチョパンツを中心に、ふくらはぎの中間くらいのミモレ丈スカートや足首までのマキシ丈スカート、ワイドパンツやオールインワンなどバラエティ化していた。
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考察は、以下の通り。

①「ライフスタイル系」:白トップス+シャンブレー素材のミモレ丈スカートや身体のラインが出ないふんわりとしたコットンワンピース。足もとはスニーカーやスポーツサンダルで楽チンなコーディネート。
②「ストリートモード系」:白レースのトップスやシャツに、ネイビーやベージュのガウチョパンツ、もしくはウエストにタックが入ったテーパードパンツを、ライン入りソックスなどプレッピーにアレンジ。
③「ネオストリート系」:太パンツに、キャップやリュックを合わせた90s風スタイル。
④「コスプレ系」…古着や民族調と思われる、カラフルな柄のロングスカートやワンピース。トップスもボトムスもどちらもゆったりしたビッグ&ビッグシルエットの着こなし。小物もヘアアクセサリーやアイウェアを複数プラスしてデコラティブに。

静岡でもっとも多かったのが、モードやトレンドよりもライフスタイルを重視する①ライフスタイル系(オーガニック系女子とも言えそう)だ。インタビューでも、「トレンド感よりも着心地を大切にしている」という意見が多く、身体を締め付けない着心地の良さやコーディネートしやすさからワイドシルエット・ボトムスを選んでいるという人も少なくなかった。彼女らのスタイルが他のファッショントライブにも波及し、各々に前述したようなアレンジが加えられているようだった。
 
ということで、後編では、2015年下半期に広島・熊本・福岡で実施した定点観測をお届けします。どうぞお楽しみに!

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