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FASHION × TECH REPORT vol.1
「ウェアラブル」ってどうよ?!
レポート
2016.01.13
この記事のカテゴリー |  カルチャー | 

FASHION × TECH REPORT vol.1
「ウェアラブル」ってどうよ?!

<ファッション×テック>元年だった2015年を経て、2016年は、さらに関連する事象を多方面からレポートしていこうと考えています。今年1本目は、現役大学生による「ウェアラブル」のレポートから。

筆者は、慶應義塾大学環境情報学部のエネルギーデザイン研究室に所属している学生です。研究室では、エネルギー×ファッションをテーマに研究しており、特に、<ファッション>の、お洒落するためのものだけではなく、服本来の環境に適応したり、身を守ったり、「普段から当たり前に身につけるもの」ならではの機能に関心があります。

例えば、最近では、カメラや検索機能のついた「グーグルグラス(Google Glass)」が有名ですが、他にも、ラルフローレンからも、心拍数やストレスレベルを感知できるポロシャツが発売されるなど、いわゆる<ウェアラブル>な製品は珍しいものではなくなってきました。今回は、そんなウェアラブル製品の中から、個人的に興味をひかれたものをいくつか紹介します。
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まず1つ目は、オランダの芸術学校ArtEZ(アーネム・ヴィジュアルアーツ・アカデミー)を卒業し、2010年にデビューしたのウィメンズウェアブランド「PAULINE VAN DONGEN」のWearable solar shirt(ウエアラブル・ソーラー・シャツ)。名前の通り、「着られる」太陽光発電の服です。シャツには120枚の薄いソーラーフィルムがついており、太陽光の下では、1Wの電気を作ることが可能! もちろん、発電された電気は前面にあるポケットに備えられているバッテリーパックに蓄えておくこともできます。
(参照:「PAULIN VAN DONGEN web site」http://paulinevandongen.nl/mobile/wearablesolarshirt.html”)

研究の視点では、<ファッション×エネルギー>というと、真っ先に浮かぶのが「発電」、そして、身近な発電方法であり、衣服にも応用できそうなのが太陽光発電です。ソーラーパネルを衣服に取り付けた製品は他にもいくつか挙げられますが、発電パネルとしての主張が強く、正直日常的に着るには忍びないデザインのものばかりです。

そんななか、このPAULINE VAN DONGENのシャツは、ソーラーファッションを日常的にファッションとして取り入れることを想定してデザインされており、エネルギーを生み出すことが、“わたしたちの生活においてぐっと身近になる未来を想像することができる”ファッションウェアだと思います。
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Cheil Industries(チェイル・インダストリーズ)の「Rapid Connected Wear(ラピド・コネクテッド・ウエア)」
2つ目は、衣服を介してコミュニケーションが可能な、Cheil Industries(チェイル・インダストリーズ)の「Rapid Connected Wear(ラピド・コネクテッド・ウエア)」です。これは、今の気持ちや触れている色を、アプリを使って相手の衣服に投影することができるというもので、例えば、自分が青色の壁に触れた場合、相手の衣服にもその色が映し出されます。また、メールで「寂しい」と打った場合、涙のビジュアルが相手の袖部分に映し出され、お互いの気持ちや状況を、共有できるというものです。

(参照記事:「Emotion Jackets Let You Wear Your Heart on Your Lover’s Sleeve」

しばしば、ファッションはコミュニケーションのツールであり、自身を表現するメディアでもある、と言われますが、それがまさに形となったものといえるのではないでしょうか。常に身に纏うものである衣服だからできることであり、“相手の想いに包まれながら生活できる”新しい衣服として推薦したいと思います。
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https://vimeo.com/142208383
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Living garment - "Second Skin". © Rob Chron / MIT Media Lab
そして3つ目は、MITメディアラボの「BioLogic(バイオロジック)」が生み出した、「Second Skin(セカンドスキン)」という“自律する衣服”です。これは納豆菌の、空気中の水分に触れると松かさのように広がる性質を利用したもので、着る人の体温や温度が高まると、呼吸をするのです(!)。この納豆菌をバイオフィルムに変え、スパンデックス繊維という、伸縮性に優れた弾性繊維の上にプリントするのですが、そのプリント方法によって様々な動きをすることになります。つまり、DNA構造を組み替えれば、生地を発光させたり、汚染された大気を吸収・消化させるなどの機能を持たせることも可能です。

(参照 :「WIRED, 納豆菌をつかった「生きている衣類」研究」:http://wired.jp/2015/10/29/when-you-sweat/ “)普段の生活のなかで極あたり前に食べている納豆。その菌が衣服に用いられることで、こんなにも面白く、可能性を秘めたものになるなんて、なんて興味深いんでしょう!!!

また、人工的に生み出されるエネルギーを使った衣服などとは違い、「服自体」が自然の習性を用いて「生きている」ということが、今までの服に対するイメージを覆します。着用者の体温や健康状態など、人体に関連するプロダクトが多い中、地球環境にプラスな効果をもたらす研究であるのも面白いと思いました。個人的には、筆者は茨城県の出身なので、特に納豆には思い入れがあり、このような形で応用されていると思うと、不思議で嬉しくもあります(!)。
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The heat and sweat map from the body are integrated in the computational design process of the "Second Skin". © MIT Media Lab
<ファッション×テクノロジー>の分野についてリサーチを進めていて感じるのは、「ウェアラブル」というものに関して、まだ社会的認知度が低く、生活の中に馴染むにはまだ時間がかかりそう、ということです。今やスマートフォンを持つことは当たり前になり、数年前までは存在すら知らなかったプロジェクションマッピングを見ても特段驚くことはありませんが、「ウェアラブル」の話になると、興味関心がある人を除き、その単語自体を知らない人も多いのが現状です。

世の中に、ファッションとテクノロジーを掛け合わせた製品は数多く存在しますが、生活する中で、実際に目にすることはほとんどありません。先ほど一例にあげた、太陽光×ファッションの製品も、携帯やPCが生活に欠かせない現代人にとってはとても魅力的なはずですが、実際に身につけるには、デザイン的なハードルが高いことは否めません。また、発光する衣服など、日常生活には馴染まない製品が多いこと、気軽に手を出すには値段が高すぎることもその一因でしょう。

とはいえ、今後、もっともっと研究が進み、よりスタイリッシュなデザインの提案が可能になったり、より多くのデザイナーがファッションとテクノロジーの分野に目を向ける可能性は大いにあります。

繊維の話をすれば、医療分野や環境問題、はたまた軍事関連にもアプローチできるものの研究が進んでおり、様々な分野に応用できるのがファッションの強みです。市場規模が拡大すれば、それだけ製品の価格も低くなる。それを考えると、案外、数年後には「テクノロジーを着る」ことが当たり前になっているかもしれません。
(照山あずさ/慶應義塾大学環境情報学部オオニシタクヤ研究室)
 


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