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LOSTHILLS(ロストヒルズ)
レポート
2016.02.22
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

LOSTHILLS(ロストヒルズ)

原宿のトンちゃん通りの老舗古着店がアパレルメーカーに!?

津田沼と原宿トンちゃん通りで1996年から営業を行ってきた老舗古着店「LOSTHILLS(ロストヒルズ)」。メンズのアメカジ古着に特化した品揃えが古着初心者からコアな古着ファン、スタイリストまで幅広い層に支持され、近隣では「berberjin(ベルベルジン)」と並ぶ老舗だったが、2011年2月に惜しまれつつも閉店した。

そんな同店が、2015年11月、オリジナルブランドを扱う旗艦店として、以前の場所からほど近い場所に再びオープンした。
「古着は限りある資源で、特にヴィンテージといわれる70年代以前のアメカジ古着は年々品薄になっており、どんどん買い付けが難しくなっています。アメリカよりも日本のほうがものが豊富なのでは、と買付のために来日するバイヤーもいるほど。そんな状況をうけて、実は10年程前からオリジナルブランドの生産・卸をスタートし、徐々にビジネスをシフトしてきました」(プレス土井さん)。

老舗古着店としての知名度があったことも手伝って、卸先は全国の古着屋やセレクトショップなど順調に拡大していった。そして、スタートから5年が経ち、旗艦店の出店を考えていたときに、たまたま昔の店舗からほど近い場所に物件が見つかり、出店を決めたという。
現在は8ブランドを展開しており、オリジナルとライセンスが半々。いずれもメンズで古着にインスパイアされたアイテムばかりだ。

オリジナルはアメカジをベースにした「FROM THE GARRET(フロムザギャレット)」と「FAR EASTERN ENTHUSIAST(ファーイースタンエンスージアスト)」、カットソーブランドの「FAbRICES(ファブリックス)」、アイウェアの「Harman Optical CO(ハーマンオプティカル)」の4ブランド。

上記のうち、「FAR EASTERN ENTHUSIAST(ファーイースタンエンスージアスト)」は、大阪・中崎町の古着店「BOW&ARROW(ボウアンドアロウ)」と、福岡・大名の古着店SNUG(スナッグ)にデザインを一任。古着に精通した現役バイヤーの2人が手掛けるアイテムは、ヴィンテージを再構築し、現代らしいエッセンスを加えたデザインになっている。特にレザーを使ったアイテムには定評があるそうだ。
また、ライセンスで4ブランドの復刻を行っている。1915年にシアトルで創業したアウトドアブランド「COMFY(コンフィー)」、1900年代初頭のインナーウェアブランド「bodygard(ボディガード)」、スウェットの「AKOM(アコム)」、そして1901年にマサチューセッツ州で創業された「BROWNS BEACH JACKET(ブラウンズビーチジャケット)」。いずれもアメカジ古着ファンの間で人気のブランドばかりで、それがまたヴィンテージと呼ばれるまで長く愛用して欲しいという思いが込められているという。 
さらに同店では「LOSTHILLS FROM THE GARRET(ロストヒルズフロムザギャレット)」と題した企画展を定期的に開催。オープンに先駆けて、グラフィックアーティストのKurry(カリー)氏の展覧会を開催した。第二弾として、15年間同社で活躍した名物バイヤーであり、現在はフリーバイヤーとして活躍しながら古着のECサイト「VINTAGE CLOTHES & ANTIQUES "Mr. Clean"(ヴィンテージ&アンティークス ミスタークリーン)」を運営する栗原道彦さんによる古着のポップアップショップを開催。大勢の人でにぎわった。さらに第三弾として、日本の古着ディーラー3社(OKINAWAN PICKERS、anthem chill、Obrero)が集いヴィンテージアイテムを販売するイベントも開催した。
90年代の古着ブームに青春時代を過ごした30代をターゲットに想定しているが、実際に来店するのは10代~50代まで幅広く、古着とコーディネートしやすい点が支持されているという。

「ヴィンテージ古着の普遍的なデザインを盛り込んだ、古着屋だからこそ提案できる新品、というのがうちのブランドの強み。古着屋のMDになじむ商品づくりを心掛けています。今後は、ポップアップショップや企画展を精力的に行い、新しいファン作りを行っていきたいですね」(プレス土井さん)。
新人類ジュニア世代の台頭とともに、ここ数年で古着に対する消費者の意識が大きく変化していることは、これまでも度々述べてきた。それまで主流だった70年代以前の「ヴィンテージ古着」至上主義が薄らぎ、80年代以降の「レギュラー古着」を、見た目やデザイン重視で買いたいという感覚が一般的になってきているのである。

老舗古着店としての歴史を活かしつつ、卸+直営店へと業態転換。さらにクリエイターやバイヤーとのネットワークを駆使してポップアップショップや企画展を行う同店は、古着を取り巻く環境の大きな変化に柔軟に対応しながら、進化したショップのひとつの形といえそうだ。
 
取材・文 ACROSS編集部


LOSTHILLS(ロストヒルズ)
住所:東京都渋谷区神宮前3-26-7
TEL:03-6809-5582
MAIL :ask@losthills.jp


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