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INOUT(イナウト)
レポート
2016.08.29
この記事のカテゴリー |  インテリア・雑貨 | 

INOUT(イナウト)

部屋とフィールドをシームレスにつなぐオリジナル家具を発信

日本オートキャンプ協会が発表している「オートキャンプ白書2016」によると、2015年のオートキャンプ参加人口(2015 年にキャンプを1 回以上楽しんだ人の数)は、12年ぶりに810 万人と前年比3.8%増となったという。昨年あたりからは屋外でもホテルのような贅沢な空間で過ごせるキャンプスタイル「グランピング」が注目されており、2015 年秋に星野リゾートが「星のや富士」を、今年6 月に千葉県木更津に「WILD BEACH SEASIDE GLAMPING PARK(ワイルドビーチシーサイドグランピングパーク)」がオープンするなど、新たな施設も続々増えている。
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こうしたキャンプの多様化が進むなか、道具にこだわる大人から支持を得ているキャンプ家具のショップ「INOUT(イナウト)」が東日本橋にあり、全国のアウトドア好きが集まっている。東日本橋駅のA3 出口からすぐの場所だ。

「INOUT」が独特なのは、家の中でもアウトドアでも使える家具や雑貨をコンセプトにしていること。家で使っているテーブルやイスをそのまま持ち出してアウトドアを楽しみ、帰った後は収納せずに日常で使う。そんなオリジナル家具やライフスタイルグッズを取り揃えている点が、キャンプ道具にこだわる人やインテリア好きの人々から支持されている。
運営元はアパレルショップを中心に店舗設計・デザインを手掛ける株式会社TAKU KOBAYASHI Design studio。同社代表取締役の小林卓さん(42 歳)が、「INOUT」の家具デザインも行っている。小林さんは子どもが生まれたのを機に2006 年頃からキャンプを楽しむようになったベテラン。自分のほしいキャンプ道具が見当たらなくなった2 年目頃から、自分用に作り続け、2014 年7 月28 日に「INOUT」のブランドと店舗を同時に立ち上げることになったという。
 
「キャンプ道具はかさばるので、ものが増えたら家に置けない状況が続いて。だったらおしゃれにして、家のなかでも使えるようにしようと、生活の一部として作っていたのが始まりです。もともと同じビルの2 階で事務所を構えていたのですが、偶然に1 階があき、以前より考えていた事もあって、良いタイミングかなと始めることにしました」(小林卓さん) 
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主力商品は、オリジナルのテーブル、イス、収納に使える箱。例えば「タートルテーブル」(6 万5,000 円)は、くるくる丸められるタモ材の天板とスチールフレームを組み合わせたテーブル。「ジャストライトチェア」(2 万8,000 円)は、ソファーと同じ高さの折りたためるイスで、ナラ無垢と倉敷帆布で出来ている。インテリアとしての見栄えはもちろん、自然な素材が多いので青空の下でも馴染んでアウトドア気分を引き上げてくれそうだ。外で持ち運びしやすい軽量感を重視すると家具として成立しないため、ある程度の重量感を意識しているというのも、キャンプ経験と内装経験の両方を持つ小林さんならではの発想だ。また、店舗内装家具を作る職人が国内で生産し、「木目が出やすく経年変化も楽しめる日本材が中心なので安価ではありませんが、リビングとキャンプで使えると思えばそんなに高くはない。できればリビングを想定して、それを外に持っ
て出てほしい」(小林さん)。

家具以外にも、箱の中にドリッパーと耐熱ビーカーなどが入った「シングルドリッパー」(1 万5,000 円)などのオリジナル雑貨や、洋服、IH にも直火にも対応する鍋などのセレクト商品も揃う。
小林さんが東日本橋に事務所を構えたのは2012 年。その前は千駄ヶ谷や神宮前に事務所を構えていたが、建物の内装の自由が利かないことに不満を感じていたおり、倉庫のような物件が多い東日本橋に注目する。東日本橋には若手の面白い人が多いとも聞いていたことも、移転を後押ししたという。狙い通り、東日本橋に事務所を構える人とのつながりが増え、その一つがアウトドアやスポーツ業界のプロモーション事業などを展開する「あそぶ株式会社」。野外で仕事をするイベント「アウトドアオフィス」をいっしょに開催するなど、密な関係を築いている。

「この辺は繊維問屋街なので、買い付け目的の人以外はあまり入ってこないぶん、横のつながりが強いんです。ここに生まれ育ったわけではないのに、街を盛り上げようという気質があって、「第二の代官山にしよう」なんて言いながら頑張っています」(小林さん)

もともとアトリエだった物件で、店舗は20 坪、事務所に10 坪を充てている。内装デザイナーが手掛ける店舗とあって、世界観のあるディスプレイが特徴で、実際に家具を置いた時のリビングのイメージもしやすい。

「家だけで使っていた人が、「これを持って外に出たらかっこいい」と思ってもらえるようになれたら。新しいアウトドア層も取り込んでいきたいですね」(小林さん)
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インテリアに興味がある人をターゲットにしているが、実際はキャンプ好きが多く来店するそうだ。33~45 歳が基本のファン層で、上は50 代後半まで来店する。何度もキャンプ道具を買い替えた末に同店の商品で大人のキャンプを楽しみたいという人や、色々な道具を使って来たからこそ同店の商品でいつもとは違うキャンプをしたい人なども多いということから、こだわりのアイテムを探しに来る人が集まるのがわかる。また、卸売をしていないので、雑誌やSNS を見て、北海道から九州まで他府県から東京出張の合間などに来店するというのも、キャンプファンからの認知度が高いのを窺える。

「僕がキャンプを始めた2006 年頃は、30 代以上のキャンパーが多く、道具にこだわるのがステイタスで、それを見せ合いながら語り合うのが醍醐味だったんです。それに比べると今は10 代~20 代の若い人が本当に増えましたね。都心キャンプ場や屋上キャンプ場も登場して、身近になったんだと思います。電車でふらっと行っても道具を貸してもらえるし、服にもこだわっていたり。キャンプやアウトドアがファッションやライフスタイルの一部になっていると感じます」(小林さん)
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現在、キャンパー人口のうち最も多いのは40 代で42.8%、続いて30 代が31.2%と30〜40 代が全体の74.0%を占めているという(「オートキャンプ白書2016」)。おそらく、90 年代後半から野外音楽フェスに慣れ親しんできた30〜40 代の団塊ジュニア世代/ウチら世代が、家族を持ち子育てする中でキャンプを楽しむようになったことが大きいと推察される。

2007 年に創刊したアウトドアスタイル雑誌『GO OUT(ゴーアウト)』が翌年からキャンプフェスも主催。音楽フェスや都市型キャンプ場、グランピング施設などキャンプの楽しみ方も拡大し、“都市型マルシェ”のようなイベントもブームになるなど、すっかりアウトドアライフが身近になっている。

そして、昨今の小売りに於けるブームとなっている“ライフスタイルショップ”とも融合し、とうとう同店のような業態も誕生。30 代〜40 代の団塊ジュニア世代の「ファッション<日々の暮らし」という志向が他の世代にも波及し、日常とアウトドアライフがシームレスになった“新しいキャンプ”のマーケット”へと発展しているようだ。

取材・文 緒方麻希子(フリーライター・エディター)


INOUT(イナウト)

東京都中央区東日本橋 3-11-10ユタカビル1F


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