Waltz(ワルツ)
レポート
2016.09.15
カルチャー|CULTURE

Waltz(ワルツ)

アナログ回帰で注目増すカセットテープの魅力を現代に発信!


アナログレコードの人気復活の世界的現象については以前も取り上げている
(渋谷にレコード店として復活したHMV record取材記事はこちら)が、レコードに続き、とうとうカセットテープが世界中で大人気

米老舗カセットテープメーカーのナショナル・オーディオ・カンパニーは、2015年の売上が創業以来の最高額を記録するなど、アンダーグラウンドシーンを震源にじわじわと盛り上がりをみせている。今年2月にはラッパーのカニエ・ウエストがカセットテープ盤を発売。都内でも大手CDショップをはじめセレクトショップなどでも売り場が常設されており、今年6月には大阪・梅田ロフトで「大ラジカセ展」が開催。更に10月には英国発のイベント「カセットストアデイ」が日本に上陸!増々注目が高まっている。

そんななか、去る8月3日〜9日。伊勢丹新宿本店3Fのセンターパークにポップアップストア「ISETAN meets waltz send happy memories」をオープンしていた中目黒を拠点とするカセットテープ店「Walts(ワルツを取材した。

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これまでなかったカテゴリーを作りたいと思いお店を立ち上げました。カセットテープとレコードともに扱っていますが、レコード屋って既存しているものだし、やりたいこと思った事はありません。 “カセットテープ屋”という新しい立ち位置を打ち出していきます」というのはオーナーの角田太郎さん(47歳)。

「Waltz」がオープンしたのは2015年8月。角田さんは、アマゾン日本法人にて約14年間、音楽や書籍をはじめ様々な事業を手掛けてきた経歴の持ち主だ。もともと学生時代から音楽に夢中になりレコード屋に通いつめていたという角田さん。大学卒業後は株式会社WAVEに就職し、CD/レコードのバイヤーとして活躍していたが、同社の変革に伴い転職したのだという。

その後、マネージメント職になっても音楽への想いは消えず、自身のビジネスの構想を練ってきたというが、高まるアナログブームを受け、既に約1万点以上収集していたカセットテープを使って何か面白いことができるのでは、と独立したのだそうだ。

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映画のサウンドトラックも。左からジムジャー・ムッシュ監督の『MISTERY TRAIN』、ラリー・クラーク監督の『KIDS』、ソフィア・コッポラ監督の『The Virgin Suicides』
商品構成は、カセットテープ約4,500点とレコード約3,500点。SONYやナショナル(現:Panasonic)のヴィンテージのラジカセをはじめとしたプレーヤーも約50点取り揃える。洋楽を中心に、ジャンルはロックやポップス、ヒップホップなど様々。カセットの価格帯は、1,000円以下〜1万円代までで、世界的に見ても希少価値が高いというジム・ジャームッシュ監督の映画のサウンドトラックなどコレクター向けのものから、国内外の若手アーティストの作品もラインナップしている。

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ヴィンテージのポータブルカセットプレーヤー
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国内外の若手アーティストの作品も多数ラインナップ。カセットで音源をリリースするデジタル世代が増えている。
その他、VHSや、80〜90年代の『POPEYE』や『Olive』『ELLE』『暮らしの手帖』『平成パンチ』といった雑誌、また国内外のライフスタイル〜カルチャーに関する古本や映画のパンフレットなども。

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客層の男女比は6:4で、年齢層は幅広いという。
国内外のミュージシャンをはじめ、カメラマンや編集者といった業界関係者のファンも多く、彼らのSNSの投稿を見て訪れる客も少なくないそうだ。

「僕のようなリアルタイムで体現している中高年のカセットテープファンはもちろん、はじめて触れるような80〜90年代生まれのデジタル世代も多く訪れています。
生活の中の音楽のプライオリティが高い人ほど『やっぱりデジタルじゃない』とアナログに戻ってきている印象です。ここ数年、著名なアーティストなどインフルエンサーによるSNSでのカセット関連の投稿も目立ちますが、彼らのフォロワーもその面白さを認識しはじめている。丸みを帯びた音の心地よさや、独特のガジェット感、それに、わざわざデッキやプレーヤーを操作してカセットを聴くっていう行為も含めて、デジタルにはないアナログ特有の魅力が今再び評価されているというムーブメントに、ビジネス面でも大きな可能性を感じています」(角田さん)。



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全てのカセット、レコード、VHSを視聴・試写が可能。
店舗面積は約89平米。店内は、商品を中古品としてではなく新しい価値を吹き込むようなクリーンな印象で、女性が一人でも入り易い雰囲気をイメージしたそうだ。

「ECのビジネスについては熟知していますが、情報発信はHPに記載している基本情報のみに限定し、あえてネット的なところからは距離を置いています。 SNS全盛の今、お客様やメディアなどお店に関わる人たちによる情報の拡散でマーケットが作られていくと考えていますが、確信をもって成功しています。前職ではリスクがあり出来なかった事、それに実店舗というこれまでと真逆の場所だからこそできる新しいマーケティング・メソロジーにどんどんトライしていくつもりです」(角田さん)。

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キーポイントは「写真」
だというが、インパクトを意識したというずらりと並ぶカセットテープやラジカセの棚は、来場者のほとんどが撮影していくそうだ。
オープンから数ヶ月で『POPEYE』や『BRUTUS』など複数の人気雑誌に取り上げられている他、雑誌『EYESCREAM』の2016年1月号「東京デスティネーション・ストア50選 知る人ぞ知る、いい店。」では表紙を飾っている。フォトジェニックな空間が業界内でも評判となり、オープン前の時間にはファッション誌を中心に撮影が入っていることも少なくなく、その影響で女性客も増えているそうだ。

エリアについては、他に音楽的な店がなかったことや地元であったことから中目黒での出店を決めたという。また、駅から徒歩約10分の住宅街の一角という立地については、「目的を持って探してもらえるような場所も魅力のひとつとなる」と角田さん。

「今後の方向性についてはあえて決めていません。そもそも中古のカセットテープは現存す る数が少ないし、10年後も同じ形で続けているかどうかは分かりません。しかし、新たにカセットで音源をリリースするアーティストも年々増えていますし、アートとしてのポテンシャルも高く、多くの可能性を秘めている。それに、例えばゆるい会話が収録されているようなラジオ感覚というか、現代のZINEのようなものがあってもいいと思うし、今後、カセットテープは様々な形 のメディアになり得ると考えています。そういった活動をしていくことで新しいムーブメントの震源地になればと嬉しいですね」(角田さん)。

取材・文 仲村あゆみ(ACROSS編集部)

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Waltz(ワルツ)

〒153-0061
東京都目黒区中目黒4-15-5
TEL 03-5734-1017
営業時間 13:00〜20:00
休業日 月曜日


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