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ぶた家別館 BUTAYA

ぶた家別館 BUTAYA

レポート
フード
2004.11.18
この記事のカテゴリー |  飲食・フーディング | 

香港か上海にある食堂のような雰囲気の
カウンター。夜は立ち呑みも可能だ。
壁には豚を専門に撮影している写真家、
伊藤真理さんの作品がいくつも飾られて
おり、アジアの食堂→トーキョーのダイ
ニングな雰囲気に。
本館と別館では若干メニューが異なる。
テイクアウトも可能で、レイトランチ
に立ち寄る30代の大人の女性も少なく
ない。
別館ならではの店頭に併設された
豚肉の量り売りコーナー。お惣菜の
テイクアウトもここから。
店内の至るところで見かける豚のキャラ
クター。決してファンシーではなく、ま
た名前がないのも今っぽい。
全国各地で畜産業や水産業の「ブランド化」戦略が進むなか、ここ渋谷界隈では、それらを消費する豚肉専門の飲食店の出店が相次ぎ、話題をよんでいる。2004年9月17日にオープンした『ぶた家別館』もそのひとつ。特約畜産となっているのは、山形県酒田市の安田畜産だ。

「実は豚さんはものすごくデリケート。餌の質はもちろんのこと、水や空気、見える景色や寝る場所といった育つ環境でものすごく肉質が変わるんです」と言うのは、『ぶた家』のプレス担当臼杵杏希子さん。

今回オープンした『ぶた家別館』は、いわゆるハーブを食べて育った“ハーブを食べた佐藤の豚”のみを使用。もちろん放牧育ちで、鳥海山の涌き水を飲み、180日間と時間をかけて大切に育てられた豚なのだそうだ。サガリ(バラの下の部分)やカブリ(リブロースの上の部分)、てっちゃん(直腸)といったふだんはあまり馴染みのない部位のメニューが豊富なのは、一頭まるごと購入しているからなのだとか。

もともと新橋駅周辺には焼き鳥屋がやきとんを出す程度のお店しかなく、豚肉専門のお店はなかった。そこで豚肉料理の店をつくろうと99年にオープン。銀座・新橋界隈のOLを中心に人気店となったが、周辺の開発により立ち退くことになったのだそうだ。

「今でこそ渋谷や恵比寿では豚肉料理がブームのようになっていますが、『恵比寿ぶた家』は02年6月に、約6年間前から営業していた新橋からの移転なんです」と臼杵さん。

恵比寿への移転に伴い、改めていろいろリサーチした結果、「安さ」だけでなく「美味しさ」にこだわり、豚肉という食材に特化。豚肉のより幅広いメニューに取り組み、新生『ぶた家』の誕生となったのである。

その後、あっという間に予約が取れないことでも有名となった同店は、さらに約2年間かけて研究を重ねた結果、2号店となる『ぶた家別館』をオープン。ランチタイムの営業や、立ち呑みコーナー、さらに、なんと豚肉の量り売りや、コロッケ、サラダといったお惣菜などを販売する“お肉屋さん”も併設する新業態になった。

「豚肉だけでなく、お米や野菜にもこだわっており、社員は全員特約農家の田植えや稲刈りなどを手伝う農業研修が課せられています。実際の収穫に携わることで、素材への意識も高まり、お客さんにもきちんと説明できるようになるわけです」と臼杵さん。

薄いピンク色のモザイクタイルに濃いピンク色で味のある豚のキャラクターが描かれたファサードは、まるで香港か上海のお肉屋さんや食堂のような賑やかな印象を受ける。店内も1F、2Fともに白が基調で白いタイルやスツールなどとてもカジュアルだが、アジアの豚を専門に撮り続けている写真家、伊藤真理さんの牧歌的な写真が飾られていることで、のどかな雰囲気を演出している。

また、ショップカードやメニュー、ランチョンマットやお箸袋などにも同じ豚のキャラクターが描かれており、会計後には豚がプリントされているレシートといっしょにピンク色の豚のステッカーがもらえて、なんとなくハッピーな気分になる仕掛けが心憎い。ポイントは、かわいい色使いだが決して豚がファンシーなキャラクターではないこと。そんな絶妙なバランス感がとても今っぽい。

それもそのはず、この店舗は『GOLD』を手がけたチームが関係しているのである。同店が人気の理由は、美味しい「ブランドの豚肉」だけではなく、ファッション的なセンスを感じさせるブランディングなのかもしれない。

外食産業のトレンドのヘソは、カフェやトンガリ系の盛り付けを得意とするデザイナーズレストランから確実にズレ始めているようだ。

ちなみに、『ぶた家別館』で食事をした後は、同じビル内にある「歌謡曲バー」に行くのがお勧め。


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