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八季 広尾店

八季 広尾店

レポート
フード
2005.09.15
この記事のカテゴリー |  飲食・フーディング | 

「食卓提案型企業」を目指す日清製粉グループが展開する
女性をターゲットにした中食事業

近所の主婦やOLなど女性が次々と来店
していた。
野菜が中心のデリ感覚のメニューが豊富。
人気の黒米や赤米を取り入れた弁当の他、
作りたてを提供する弁当も充実している。
昆布の炒め煮を沖縄風に仕上げたものや
ゴーヤを使用した料理など、旬に合わせて
随時メニューが入れ替わる。
マヨネーズを使用していないポテトサラダは
ヘルシー志向の女性にうれしい一品だ。
昨今、中食(なかしょく)事業は、社会進出する女性の増加や高齢化などにより食の多様化・外部化が進むなか、確実に成長する分野として注目されている。この現状をいち早く察知し、中食事業の戦略会社として名乗りを挙げた企業がある。04年3月、日清製粉グループが設立したイニシオフーズ(株)だ。同グループは、従来の「素材型食品企業」から「食卓提案型企業」へと業容変革を行っており、その動きをさらに加速すべく設立されたのだそうだ。

05年3月には広尾に直営惣菜専門店「八季」第1号店をオープン。店名の「八季」には、1年を8つの季節に分け、“本物の旬”を提供したいという想いが表れており、旬の素材と製法にこだわった和・洋・中華の「出来立てお惣菜」30〜40品目や、「お弁当」17品目などを提供する。

「様々な社会現象の煽りを受け食品業界が苦戦を強いられるであろうことを、逆にチャンスと捉え、中食事業を食品事業の中核に据えました」(同社マーケティング部 敦賀聖子さん)。

イニシオ(Initio)には、〈Initiative On the Table=食卓を創造し、生活者の食生活をリードしていく〉という意味が込められていて、安心で安全な食品の提供を掲げる、新しいタイプの「食卓提案型企業」をめざしているという。また、グループ内に原料や特殊技術の開発に努める「基礎研究所 中食研究室」を設置。より高品質の食品を開発・提供することで、他社との差別化を図ろうとしている。

「ひとつの企業が材料の調達〜製造、開発、店舗運営を行うのは、異業種が合体するようなものですね。これら全てのノウハウを一括で運営するケースは珍しいと思います」と言う敦賀さんの表情には自信がうかがえた。

既存の路面に点在する弁当屋とは異なり、ターゲットは明らかに女性だ。清潔感のある明るい店内には、煮物など定番のおふくろの味や揚げ物に加え、黒米を使用した弁当や、何種類もの緑野菜をたっぷり使用した「夏のグリーンサラダ」や「マヨネーズを使わないフレッシュポテトサラダ」といった、健康志向でデリ感覚のメニューが豊富。

「コンセプトは“毎日旬なお惣菜”です。お弁当屋やスーパーの惣菜を買うことに対する女性ならではのうしろめたさを、メニューや店舗によって払拭したいと思っています」(敦賀さん)。

都市部においては、帰宅時間が遅い働く女性は意外に多い。また、偏った食事に漠然とした不安を感じる男性も少なくなく、その隠れた需要がまたひとつ新しい食のマーケットを開拓したといえそうだ。

ちなみに、広尾店と中野坂上店に続き、9月2日(金)にはJR中央線武蔵境駅の北口、スキップ通り商店街内に新店がオープンしており、今後も駅ナカなど首都圏のあらゆる場所へと積極的に出店を行う予定だという。


取材・文/青木勇気(フリーライター)+編集室

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