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Kanbutsu Cafe(カンブツカフェ)

Kanbutsu Cafe(カンブツカフェ)

レポート
フード
2007.09.25
この記事のカテゴリー |  飲食・フーディング |   美容・健康 | 

「乾物」をテーマにしたオーガニックなデリ&カフェが
代々木上原にオープン

写真左「切干大根のピリ辛和え」100g350円
右「黒酢テンペ」 100g450円
豆類やパスタ、麩、海藻などの乾物や調味料も
販売。産地や素性の明確なものばかり。
店内には6 席のイートインコーナーを
設置。古い日本家屋で使われていた廃材や
建具を使い、どこか懐かしい雰囲気。
人気の「一寸ぼうろ」1個160円。
サブレ生地の中にプルーン・無花果・小豆など、
自然な甘さの餡を詰めた洋風まんじゅう。
番茶レモネードやTofuスムージー、甘酒
シェイクなどドリンクメニューも個性的な
ものばかり。
07年6月、代々木上原駅前にオーガニックのカフェ&デリ「Kanbutsu Cafe(カンブツカフェ)」がオープンした。運営元は、アロマオイルやオーガニック食品の輸入販売を手掛けるハイパープランツ(株)。トータルプロデュースはフードディレクターのタカコ・ナカムラさんが手がけている。

タカコ・ナカムラさんは80年代から、野菜を、皮つき根つきでまるごと食べることで、本来の栄養やおいしさを味わう “Whole Food”という考え方を提唱。04年にオープンした表参道の「Brown Rice Cafe」のメニュー開発も手掛けた人物である。同社の代表である川人紫さんと旧友だったことから、今回、 プロデュースを一任。“Whole Food”を伝えながら、おいしくて身体によい食事というコンセプトでプランを練った結果、乾物=Kanbutsu(カンブツ)を扱うという発想にたどり着いたのだという。

「切干し大根やひじきといった日本の伝統的な乾物には、先人の知恵が詰まっています。長期の保存に耐え栄養が豊かで、なおかつおいしく食べることができる乾物はすばらしい食材です。『Kanbutsu Cafe』では米や豆のほか、パスタやドライフルーツ、ハーブなども乾物と考えてメニューを用意しました。伝統的な食べ方だけでなく、新しいアレンジでの食べ方も提案しています」(店長・大西香織さん)。

メニューは、肉は使用せず、野菜や乾物類メインの日替わりデリが8種。TOFUマヨネーズの芋サラダ、磯あらめの煮物、味噌ラタトゥイュ、青大豆麺の落花生和えなど、他ではお目にかかれない珍しいメニューが並ぶ。値段は100グラム350円〜450円。デリの他にも、同店でフィンガーフードと呼ぶ、玄米のおむすびやいなり寿司、おかずパイなども販売。クッキーやせんべい、生菓子なども多数揃えられており、なかでも砂糖不使用の味醂プリン(夏季限定)や、洋風饅頭の一寸ぼうろは人気だそうだ。また店で使用している乾物や調味料なども販売。ランチメニューは、玄米に惣菜三品と漬物がつく「Cafe弁当」、お麩をカツに見立てた「麩レカツ丼」「ミックスビーンズカレー」など日替わりで3〜4種、いずれも800円だ。

デリはもちろん、飲み物から焼き菓子に至るまで、メニューはすべてスタッフによる手作り。生産者が明らかな安全な素材を使い、合成保存料や着色料、酸化防止剤などは一切使用していない。さらにテイクアウト用の容器も再生紙のものを使用し、割り箸は林業を貢献することにつながる、端材を使ったエコ箸を使うなど、資源を無駄に使わないように配慮している。さらに洗剤はほぼ100%自然に還るものを使用するというこだわりようだ。

店舗面は15坪。店内にはイートインスペースが6席完備。床には自然の木材を、壁は珪藻土を用いるなどケミカルな材料を極力排除している。椅子やテーブルは昔の日本家屋で使われていたアンティークのもので統一されており、どこか懐かしさを感じる空間になっている。また、今回の出店に伴い、自由が丘で運営していた「タカコ・ナカムラWhole Foodスクール・代々木上原塾」を同ビルの3階に移転し運営している。

出店の際、代々木上原という立地は迷うことなくスムーズに決まったそうだ。というのも、代々木上原には、天然酵母パンの「ルヴァン」や無化学調味中華の「ジーテン」、エコロジーショップ「ガイア」など、オーガニック系の飲食店や雑貨店が定着しており、環境やエコロジーに関心の高い住民が多く、受け入れられやすいだろうと予想したから。客数は1日平均80人程度で、オープン当初は近隣に住む主婦が多かったが、徐々に客層は幅広くなっているそうだ。平日は在勤者のランチ需要が高く、土日は近所の住民が中心。男女比は2:8で女性が多いが、徐々に男性も増えているという。

「オープン前は、女性をメインターゲットに考えていましたが、予想以上に男性のお客様が多く驚いています。毎日のようにランチを買いに来て下さる2人組みの50代男性がいたり、仕事帰りに夕飯を買ってくださる30代の男性も多いですね。素材のバックボーンなどのこだわりには、男性も関心が高いようです」(大西さん)。

ここ数年の大ブームを経て、細分化、多様化が進む「ロハス」マーケットだが、なかでもここのところ目立って増えているのが、「ロハス」と日本古来の「和」の考え方を組み合わせたコンセプトのショップである。渋谷〜原宿界隈でも、風呂敷専門店の「むす美」(神宮前2丁目)、ミニ盆栽や苔玉、和食器が並ぶギャラリーショップ&和カフェ「shizen」(千駄ヶ谷2丁目)、写経のアートカルチャーセンター「原宿 精舎」(神宮前3丁目)、写経や瞑想、精進料理など仏教体験ができる「高野山カフェ」(青山に期間限定オープン)など、和をコンセプトにした教室や店舗が数多くオープンしている。日本古来の食材である乾物をテーマに現代のライフスタイルに沿った提案をする同店も、その一例といえるだろう。「ロハス」マーケットは、幅広い層を巻き込みながら、今後さらに拡大していきそうだ。

[取材・文/本田亜友子(フリーライター)+『WEBアクロス』編集室]

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