5月末あたりから、じわじわと増えているのがこれ。「カーゴパンツ」とは、カーゴ（貨物）船の乗務員が着用していた厚手の綿素材の作業用パンツがそのルーツで、カーキ系統の色みに、両ももの脇に立体的なポケットが付いているのが特徴だ。

もともと、カーゴパンツは、男の子やらくちん系の子の間では、ジーンズに次ぐ定番アイテムだが、それが、今春夏、女の子にも人気になった背景には、以前のようなサープラスものやメンズブランドだけでなく、WRやCHER、109に入っているギャルミックス系のブランドなどが、いろいろなカーゴパンツを商品化していることが挙げられる。

例えば、ストレッチ素材との混紡のもの、丈が短かめだっったり、裾が絞ってあったり、裾をリボン状に結ぶことができたりと、ディテールに「ギャル・テイスト」をミックスしたカーゴパンツがたくさん出ており、マス化したというわけだ。

着こなしとしては、白いＴシャツやタンクトップなど、シンプルなトップスを合わせるだけでなく、フリル付きのシャツブラウスやカットソー、とんがり靴を合わせたりと、女の子っぽいのテイストのものをミックスするのが今年風だ。

実は、女の子のカーゴパンツは、昨年（01年）の9月のズームアップアイテムとして取りあげている。当時が、フレンチスリーブやフリル、ふわっとしたシルエットのスカートなど、女の子っぽいスタイルが流行った後に台頭したように、今年も、2月や3月に台頭したレースやフリル、花柄など女の子っぽいスタイルに対する反動の「らくちんスタイル」への揺り戻し、といえるだろう。