トレンドも「先取り」ならセールも! とでもいうように、1月の後半にはすっかりセールムードがひと段落と化していた東京のストリート。それどころか、プレサーベイをしていると、早くも春っぽい雰囲気を感じさせるアイテムがいくつか浮上していることを発見。その中から2点を選び、今回のズームアップアイテムとして取りあげた(→ズームアップ参照)。
一方、「マストレンド」を観測する、という意味の「カウントアイテム」は、気がついたら増えていた「前髪(バングス)のあるヘアスタイル」に注目した。
まず、過去の「定点観測」のデータを振り返ってみると、ミディアム〜ロング系だったヘアスタイルが、02年の初秋頃からショート〜ミディアム丈へとかなり短くなっていることに気づくだろう。
さらに、ヘアスタイルに限らず、昨年秋〜年末〜今年の1月、2月と毎月の「定点観測」の写真を順を追って見てみると、確かにショート〜ミディアムヘアも増えているが、「バングス(前髪)」のあるヘアスタイルをする子がぐんと増えていることを確認。それもパッツンとまっすぐカットするのではなく、額に沿ってまあるくラウンド型にカットする、ゆーるいスタイルが今っぽいことが見えてきた。
さっそく雑誌をチェックすると、あるわ、あるわ。ヘアスタイル専門誌はもとより、『mini』や『セダ』から『Ray』などのコンサバ〜ギャル系雑誌の別冊ヘアスタイル雑誌においても、「おしゃれ前髪をつくるテク」「前髪ば決め手〜」といった特集がたくさん組まれていることが判明した。
『mini』によると、?ウルフショート ?マッシュルーム ?重め前髪 ?女の子ロング、が今冬のヘアのトレンドと整理されているが、『nonno』や『PS』などを見ると、「まあるい前髪」に加え、バングス(横や後ろ)のシルエットも「まあるい」いわゆるマッシュルームヘアも久しぶりにトレンドとして紹介されていた。
思えば90年代後半以降、スーパーモデルやプチセレブの普段着や日常の生活(ライフスタイル)に注目が集まることにより、キメキメの「非日常」ではなく、気を抜いた「ふだん」のスタイルにファッション性が求められるようになったのはいうまでもない。となると、ヘアスタイルも「ゆるゆるウェーブの外人風」や「くしゅくしゅ無造作ヘア」など、「日常ニュアンス」が主流となるのは当然のことだといえるだろう。
しかし、その「日常ニュアンス」の演出手段として主流だったヘアカラーやくしゅくしゅ系のウェーブ、レイヤードたっぷりのふんわり系のヘアスタイルなどはひと段落。「ウルフショート」や「マッシュルーム風」「ラウンド・バングス型」など、どことなく「日本人風」へとゆり戻しているようだ。
その日本人独特のかわいらしさ、キュートさ、女の子っぽさなどは、東京のストリートで人気の「ドメ・ブラ」系ブランドにも共通するもののようにも感じる。
ちなみに、『Vivi』や『JJ』などのギャル〜コンサバ系にとっては、女子力の高いバングスヘアはヘアスタイルの基本。トレンドとは関係なく、ずーっとバングスのあるヘアスタイルをする人が多い。その中でのトレンドは、「神戸セレブ巻き」と「名古屋巻き」。ヘアスタイルだけでなく、メイクも含み「美嘉顔」と「美帆顔」がトレンドの顔なのだそうだ(!)。
★[写真・解説]ここ数年、ストリートでは、フェイス〜ヘッドまわりをポイントにしたスタイリングが人気だ。
定点観測
2003.02.01
#266 | 実施日 : 2003.02.01 | 最高気温 : 9.0 | 最低気温 : 2.5 | 天候 : 快晴
266定点観測・解説
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