定点観測
2003.02.01

#266 | 実施日 : 2003.02.01 | 最高気温 : 9.0 | 最低気温 : 2.5 | 天候 : 快晴

266定点観測 ZoomUp Item-2解説

■女靴(おんなぐつ)

■実施日:2003年2月1日(土)


もうひとつのズームアップアイテムがこれ。細めのヒールで履き口が広め、またはカラフルだったり、フリルやリボンなどのデザインが施されているような女性っぽい=「女力(おんなじから)のある靴」、略して「女靴」と定義した。

1月27日(月)〜31日(金)にプレサーベイを実施したが、この「女靴」は日を追うごとにじわじわと増えていったまさに旬のアイテム。実際にインタビューをしてみると、「今日、ブーツからパンプスに履き替えました」「昨日買いました」という子が多かったこと! 購入した理由は「春っぽい靴が欲しかった」「大人っぽい雰囲気にしたかった」など、女を意識した変身を試みる女性が目立っていた。

過去の「定点観測」を振り返ってみても、ここ数年主流だったスニーカーやぺったんこ靴から、若干ヒールのある靴へとトレンドが移行していることに気づくだろう。といってもピンヒールはほとんど見かけない。かといって70年代風の太いヒールでもない。そこには、細身でちょっとヒールがあり、色もベージュやピンク、サテンなど春っぽく、リボンやフリル、カットワークやバックストラップなど、デザインも女性らしい、「エレガント」で「フェミニン」な「大人の女性」への憧れ、といったキーワードが感じられた。

そんな女性らしい足元に合わせる服の着こなしは、というと。意外にも、ちょっとルーズに、ちょっとゆるめのカジュアル・ミックスなファッションに、足元だけヒール靴。という、異なるテイストをミックスする独特のスタイリングが、東京のストリートファッションの特徴ともいえるだろう。

ちなみに、『FIGARO』によると、春は「スーパーフェミニン」が新定番なのだとか。最新号の2月20日号では「パリっぽいね、が気分」と、ロマンティックでちょっぴりコケティッシュ、上品さと可愛らしさ、さらに魅惑的な色気といった、「女」ならではのキーワードによるスタイリングがめじろ押し。

一方、『spring』や『mini』を押し退けて、ストリートでの支持率急上昇中の『PS』でも、「“女らしさ”がキーワード」と、サテンや胸元の開いたカットソーやニット、ロングTシャツなど、カジュアルなアイテムをフェミニンに着こなすテクニックが解説されていた。

「新しい季節はまず足元から」。というのは、なにも今年にはじまったことではない。スタイリングにおける「靴」の意味が重要なものになった90年代後半以降は、それがとても顕著に表れている。

「春もので欲しいものは何ですか?」
「靴です」。

「秋冬ものでいちばん最初に買いたいものは何ですか?」
「靴かな」。

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