大雨のため、第2土曜日の実施に順延となった今回の定点観測。久しぶりにきれいな青空が広がった。なんと1ヵ月ぶりの週末の晴天だったとか。
毎日5度以上も気温差があるこの季節、アイテムの選定が難しい時期でもある。雨の残る前日の夕方に、再々度「プレ定点観測(プレサーベイ)」を実施した。そこで、急きょ先週取り上げようと思っていたアイテムから変更し、「ダブルブレスト・トップス、うちショート丈のダブルブレスト・トップス」をテーマと決定した。
このダブルブレスト・トップス。実はここ1〜2年何度も登場しているマストレンドである。ちょっと振り返ってみるだけで、01年2月の「前ボタントップス、うちダブルボタン・トップス(当時はダブルボタンという表現としていたが、今回と同じ意)」、01年12月の「ピーコート」、02年3月の「トレンチコート」。さらに、03年1月に取り上げた「ロングコート」の約半数は「トレンチ(風)コート」と、昔からあるアウターの定番アイテム(もともとはミリタリー)であることに気づく。
この「定番」というのがキーワード。基本的なデザイン=器(フレーム)は昔からあるもの、馴染みのあるもので、そこに、色のバリエーションがあったり、ボタンや衿のデザインがシャープであったり、ポケットのデザインが脱ユニフォームっぽかったり、丈が短くなっていたり、素材や織りなどの工夫で異なり軽量になっていたりなど、「今の定番のテイスト」が加わり、新しい定番アイテム=「ネオ定番」と化しているというわけだ。
着用するのはオール・トライブ。オール・エージ、といっても、30代前半くらいまで。『mini』系などにはショート丈のカーキや紺、コンサバ系には白や黒、グレーなど、前ボタンを開けて、羽織るように着用する人が目立つ。
共通するのは「ちょっとだけ」+「きちんとして見える」「きれいに見える」「大人っぽく見える」といったイメージ。インタビューをすると、ちょうど1年前に、セレクトショップで取り扱っているインポート系のブランドだったり、元平成ブランドであったり、ドメ・ブラであったりと、新品を購入しているケースが多かった点も注目される。(→2年繰返し支持されるトレンドサイクル)
02年春からの「レイヤード」や秋の「もたもた感」といったトレンドを経て、再び、ふつうのシンプルなスタイルに戻ったことを象徴するような今回のダブルブレスト・トップス。このところのトレンドのスピードの「速さ」を背景に、「脱・トレンド」という気分を反映しているともいえるだろう。
定点観測
2003.03.08
#267 | 実施日 : 2003.03.08 | 最高気温 : 15.1 | 最低気温 : 6.5 | 天候 : 晴
267定点観測・解説
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