ひとつめのズームアップアイテムは、美容師やファッション系の専門学校生などのオシャレさんを中心に急に増えたヘアスタイル、「セクションカラー」とした。
「セクション」とは束やブロックという意味。全体の色とは異なる色を幅5ミリ〜10ミリ程度、ライン状に入れるスタイルはストリートでは初の登場である。「部分染め」が「面」で色を入れることだとすると、「セクション」は「太い線」のような色の入れ方、と区別することができそうだ。
3地点の調査結果を比較すると、渋谷地点がもっとも「セクションカラー率」が高く、前髪に5〜6セクション、またはおでこから後ろまで左右に1セクションずつラインを描くようなセクションカラーをする若者の姿が目立った。セクションカラーにしたきっかけを聞くと、「美容師さんの勧め」か、ヘアメイク、ファッションを専攻する専門学校生というケースがほとんど。ちょっとしたアクセントに、というだけでなく、ヘア全体を立体感や質感、動きなどの表現力にも一役かっているといえそうだ。
それにしても、ここ1〜2年、アタマ全体を明度の高い茶髪にする人がかなり減った。90年代の半ば以降、ヘアカラーは、ブルーやグリーン、赤紫色などの奇抜なカラーが幅広い年齢層に浸透した歴史を経て、01年に「黒髪」へとリセットしたのは、「定点観測」の記録が示す通りである。03年春、ヘアカラーも、洋服や小物のように、微妙な色合いを楽しめるようになってきたといえそうだ。
定点観測
2003.03.08
#267 | 実施日 : 2003.03.08 | 最高気温 : 15.1 | 最低気温 : 6.5 | 天候 : 晴
267定点観測Zoom-1・解説
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