さて、もうひとつのズームアップアイテムがこれ。02年秋冬のキーワードでもある「くしゅくしゅ」「もたもた感」がトップスやパンツのシルエットとしてはひと段落した今、最後までバッグには残った、という意味で、今シーズンのトレンドを象徴するアイテムとして取り上げることにした。

実は、ここ数年、バッグといえば、大、中、小と、サイズは異なるものの、ずっとトートバッグ系のものが主流だったが、02年10月に取り上げたように、「ナナメ掛けバッグ」が緩やかに増加。その後、女の子らしさを象徴するようなポシェットの人気も復活したのは記憶に新しいだろう。

さらに、昨年あたりからは、ナナメ掛け以外でも、ヌバックやソフトレザー、布などの柔らかい素材で、中に入れた荷物の重みにより、さり気なく身体に添うような「レイヤードっぽさ」が今シーズンのトレンドにフィット。三日月型やドラム型、巾着型、さらに持ち手が２本どりのハンドバッグタイプにも絞り口があったりと、ストリート系の若者はもちろんのこと、決してもたもたっとした服を着用することのないコンサバ層にも、ちょっとデザインのあるバッグとして支持され、マス化したといえそうだ。