雨天のため1週間順延となった今回の定点観測。しかしタイミングよく、ちょうどストリートの衣替え=トレンドの変換期となり、今春のど真ん中のトレンドとして急浮上中の「ピンク色アイテム」を取り上げた。
実は、昨年の男の子系のドメブラからはちらほらと提案されていたピンク色。先月あたりから、ストリートでもちらほらとバッグやインナーなどで目立ちはじめ、今月にはいり、首巻きものやバッグ、トップス、マニキュアやピアスなど、いろんなアイテムへと広がり、ギャルはもちろんのこと「mini系」からアダルト層にまで幅広く支持される今春のマストレンドとなっている。
特徴としては、白っぽいうすピンクからベージュ系ピンク、サーモン系ピンク〜ショッキングピンクと、明度、彩度ともにピンクの色幅がものすごく広いこと。久しぶりに幅広いアイテムに使用され、それぞれの層に分化しつつ着用されているのもポイントといえるだろう。
もっとも目立つのは、109を殿堂とするギャル〜ちょいギャルOLの層における白っぽいピンクのショート丈コート、または発色のいいハイビスカス系のピンク色。コットン素材のダブルブレスト、ベルトを後ろでリボン状に結ぶのが典型スタイルで、合わせるのは白のミニスカート。生足色のストッキングかやや白っぽいアミタイツなどにパンプス(ミュールではない)という「春のOLスタイル」を形成していた。
一方、「らくちん系」は、くすんだピンク、ベージュ系ピンクのインナーやデザイン・トップス。ジャケットやGジャンなどの襟元にチラリと覗かせるレイヤードな着こなしが多く、「ギャル・ミックス系」には今春のトレンドアイテムのカーゴパンツ、しかもサテン素材というトレンドのダブル使いが目を引いた。
ちなみに、アダルト層にはトレンドを意識してか否かはさておき、ベージュピンクの靴や首巻きもの、バッグなどのアイテムに多かった。
それにしても、00年以降、春になるや否や「トレンド先取り娘」が目立ちましたが、ストリートを観測する限りでは、どうやらそういった「先取感」はひと段落。若干、トレンドである「スポーツ」を意識してか、スポーツジャージ・トップスやスニーカー、ミニスポーツバッグなどが増えてはいるものの、トレンド先取りというよりは、古着や昔持っていたアイテムを再び着用したり、という着用した時の「馴染み感」が感じられる点を見のがしてはいけない。
雑誌や店頭では相変わらずのトレンド・プレゼンテーションが目につくが、今春のストリートでは、そろそろ、「わたしはわたし」という、適度にトレンドとの距離感があるファッションをしている人の方がオシャレであることに気づきはじめた人が増えてきたような印象を受けた。
定点観測
2003.04.12
#268 | 実施日 : 2003.04.12 | 最高気温 : 19.6 | 最低気温 : 14.1 | 天候 : 曇りのち時々雨
268定点観測・解説
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