帽子やターバンが「ヘッドウエア」という広い概念で語られるようになったのはつい最近のことだが、メガネやサングラスは「アイウエア」という総称で呼ばれるようになって久しい。共通するのは、個々のデザインが豊富になり、TPOや気分、コーディネートなどにより自由に選べる「小物アイテムのひとつ」になったことだろう。
そんな背景を象徴するかのように、調査当日はデザインを問わず、3地点とも「サングラス」の着用者が多かった。どちらかというと、女の子よりも男の子の方が数も多くデザインも派手。オーバル型や四角形など、フレームが大きめで、ボリューム感があり、テンプル(ツルの部分)の装飾も派手だったりなど、70年代〜80年代に流行った個性的なデザインのものを「ヴィンテージ」の定義とした。
実は、この「ヴィンテージ・グラス」は世界のトップメゾンからもアイウエア専業ブランドからも提案されているトレンドでもある。70年代のサンローランやニナリッチ、クリスチャン・ロス、クリスチャン・ディオール、ウンガロ、カザールなどがそのネタ元だ。復刻モデル以外で人気のブランドは、グッチやナンバーナイン、プッチ、レイバンなどが人気だが、街なかではすでに3900円、1900円クラスのものも数多く見かけるようになった。
イメージは「ワル」、または「(軽くてチープな)チンピラ風」のかっこよさ。「80年代風アリーナロック・ミュージシャン」といったところだろうか。
代表的なブランドのひとつ「カザ−ル」のように、そのデコラティブなデザインが、80年代に黒人ミュージシャン(ハマ−とかね)をはじめ、ハリウッドスターなどに大人気になったものも、ここにきて、人気が再浮上しているようだ。とはいえ、80年代の「デカダン=悪趣味」なマインドが、03年の今秋に共感を得ているかどうかは、不明だが…。
いずれにしても、このようなデザイン過多のアイウエアは、最近台頭する「ナル男くん」や「フェミ男くん」に代表されるようなモードっぽい変わったデザインの服を好む層を中心に、確実に浸透したといえそうだ。
ちなみに、過去の定点観測を振り返ってみると、「デカサンラス(01年)」や「ラップアラウンド型サングラス(02年)」として取り上げている。このアイウエアのトレンドは、実は東京のストリートの方が若干早かったのかもしれない。詳しくは、左のフレームの下のリンクへ。
定点観測
2003.09.6
#273 | 実施日 : 2003.09.6 | 最高気温 : 31.5 | 最低気温 : 23.2 | 天候 : 晴れのちくもり
273定点観測Zoom-1・解説
■ 実施日:2003年9月6日(土):ヴィンテージ風サングラス
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