さて、もうひとつのズームアップアイテムがこれ。といっても、これもまたまたヘビー・ローテーションで登場しているトレンドアイテムのひとつである。9月にちょっと減ったかな、と思われた帽子だが、『Zipper』や『ViVi』、『PS』『Spring』『SEDA』『VITA』などでは、改めて「今秋冬のトレンド」として取り上げられている。なかでもイチオシとなっているのが、キャスケットやハンチングといった、ちょっとだけ前にツバのあるタイプのようだ。

実際に街で観察してみると、これまた予想以上に幅広い若者たちに支持されていて驚いた。特徴は、ギャルやギャルミックス系にはモヘアニットが人気。色は彼女らの定番カラーの白。真夏と変わらないノースリーブのトップスにふわふわっとしたモヘアニットを加えることで秋っぽさを演出していた。

『Zipper』系〜らくちん系には、昨年に引き続きローゲージのニット帽も人気だが、今年らしさといえば、ツイードやベロア、千鳥格子、フラノなど、どことなくクラシックでブリティッシュ風＝英国の少年風のデザインのものが人気。今冬に向けさらに増えそうだ。

厳密には、キャスケット（天頂部を中心に放射状に6枚のピースを張り合わせた丸天が特徴）とハンチング（平天で前の立ち上がりが後ろの立ち上がりに比べて高く、横から見ると後頭部にかけて傾斜しているもの）は別ものだが、ここではあえて、その背景に共通する「メンズライク」「マニッシュ」「男の子（少年）っぽさ」といったキーワードを意識し、両方を観察対象とした。ポイントは、目深に被る被り方で、人気復活の亜土ちゃんやイエイエガールなど、さり気なく60年代っぽいのかもしれない。