大手百貨店やSCでは軒並み初売日が前倒しで明けた2004年。昨年から元日営業に踏み切った西武百貨店池袋店の初日の売上は約10億円。2日が初売日だった伊勢丹本店は20万人の来店で約19億円など、百貨店やSCは軒並み来店者数が10〜15%増、初売日の売上げは10〜20%増と好調なスタートとなった。
そんななか、今回の定点観測・実査日は10日とセール商戦ど真ん中。渋谷、原宿、新宿の若者たちはどんなものを買っているのだろうか? ということで、今回のエクストラの質問は「セールで何を買いましたか?」とした。
さて、この数カ月、何度も解説しているように、今秋冬のストリートは、「エレガント」「上品」「女性らしい」などがキーワード。街を観察すると、先月取り上げた「ショート丈トップス」にテロテロ素材のスカート、または「+パンツ」のスカパン、そしてノーズの長いトンガリ女靴やヒールのブーツなど、「オンナ」を強調するアイテムが相変わらず人気のようだ。
そんななか、雑誌ではそれほどフィーチャーされていないものの、首まわりに存在感のあるマフラー、ストールなどを巻いているスタイルが増えているので、今回のテーマとした。
名称を「首巻きもの」としたのは、かつてのように、マフラーなのかスカーフ、ストールなのか、それとも、02/03年の秋冬に流行ったカーディガンを首のまわりに巻き付けたものなのかなど、アイテムそのものの境目がなくなっているからである。そこに共通するのは、「首のまわりに何かを巻いているスタイル」である、ということ。00年以降、ここ3年ほどを振り返ってみても、00年10月はロングマフラーを長く垂らすスタイル(含パシュミナ)、01年6月が男の子のアフガンスト−ル、同11月はフリンジ付きのニットのストール、そして直近の02年10月は、ロングマフラーやストールに加え、カーディガンやニット類、ケープなどを「ぐるぐる」と、「無造作に」、「ルーズに」巻き、「ズルズル」「だらだら」「だるだる」というスタイリングが、キーワードだったのは記憶に新しい。
しかし、その後、1年が過ぎ、エレガント感が戻ってきた今秋冬の首巻きものは、「ほどほどのボリューム感」があり、ピンクやオレンジ、赤、ブルー、グリーンなど、「鮮やかな色」があり、「存在感のあるデザイン」のものを「ぐるぐる過ぎない程度」に首に巻くスタイルへと変わっているのである。ギャルを除き、トップスはモノトーン系が主流ななか、「首巻きもの」を着こなしのワンポイントとしているのが特徴だ。
個々のアイテムをみてみると、ファンシーヤーン使いのニットが主流で、全体の形状はさまざま。色や編み方の切り返しや異素材とのパッチワークが施されていたり、飾りボタンやリボン素材のものが刺繍留めされていたり、フードがついていたり。数年前からのクリエーション上のキーワードだった「デザイン」が、色やパターン、そしてレイヤードによる着こなし(スタイリング)に留まらず、「素材感(テキスタイル)」ヘと進化しているといえるだろう。
また、ストリート全体の特徴としては、レイヤードによるズルズル、ダルダルというスタイルがひと段落。代わって、個々のアイテムのデザインがちょっと変わっていて、つくり手(新進気鋭の一応デザイナー)のクリエーションがたっぷりと表現された「デザイナーズもの」をシンプルにさらりと着こなすスタイルへと移行している。真性ストリートからちょっとエレガントで上質なものへ。新人デザイナーへの関心も再び高まりつつあるなか、今春は第5次インでィーズデザイナー・ブームとなりそうだ。
定点観測
2004.01.10
#277 | 実施日 : 2004.01.10 | 最高気温 : 11.0 | 最低気温 : 1.7 | 天候 : 晴れ
277定点観測・解説
■2004年1月10日(土)実施:女性首巻きものうち、カラー・首巻きもの
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関連リンク
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「FACTORY」
(株)ジェネレーションが運営する国内外のインディーズ・デザイナーブランドが人気のセレクトショップ。「today's shibuya?」でも紹介した。
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