<考察>
暦の上では実査日の8月7日は立秋。とはいえ、今年は長引く猛暑のため、店頭はまだまだ盛夏ものも動くという、久しぶりに「季節の先取り感」が薄れる8月の定点観測。今回取り上げたのはノースリーブ・トップスのレイヤードスタイルだ。
近年夏になると何度となく取り上げているノースリーブトップス。今年の特徴は「ちょっぴり大人っぽい」ところだろう。
91年7月や、01年7月に取り上げたのは「ランニング型のノースリーブトップス2枚重ね」。『mini』(宝島社)が創刊して1年が過ぎたストリート・カジュアル全盛の時期だった。その翌02年の7月は、袖の有無に関わらず、身頃部分にドレープ感のあるカシュクール風のデザインが施された「デザイントップス」が急増。80年代ファッションのリバイバルによる「トーキョー・デザイナー系」が台頭したのである。
03年8月になると、襟ぐりが広くなったり、肩の部分がストラップになっているキャミソールやホルターネックが急増。レイヤードで着用するだけでなく、外国人のように一枚で堂々と肌を露出して着用する人も増え(男性も!)、テーマを「背中出し」としたのは記憶に新しいだろう。ちなみに、肌を露出するといっても、96〜97年の頃のような直接的にセクシーさを強調するものではない。
そして今年は、「ストリート系」と「デザイナーズ系」に、新しく「コンサバ系」がミックス。シフォン素材や、色、花柄、リボンやビーズ、スワロフスキーなどで、エレガント、上品、フェミニンといったテイストが加わり、襟元や裾からの肌の露出も手伝い、「ちょいセクシーで大人っぽいけどカジュアル」という新しい女性の基準、“ニュースタンダード”が台頭したといえそうだ。
具体的な着こなしは、大きく分けると以下の通り。
(1) ギャル〜コンサバ系:黄色やピンクなどの原色のベアトップにキャミソールのレイヤード
(2) ストリート系:ランニング+エスニック系のチュニックのレイヤード+パンツ+ぺたんこサンダル
(3) ストリートMIX系:『zipper』系『PS』系または『In Red』系が交じったこのトライブのノースリーブトップスは、若干丈が長めで、+サリエル風のシルエットのパンツと、ボトムスにポイントのあるスタイルが際立った
(4) Over 30s:今春夏のトレンドマーケットには欠かせないこのトライブのノースリーブトップスは、キャミソール+ティアードトップス。ボトムスは白パンツで、ヒールのあるトングサンダル
定点観測
2004.08.07
#284 | 実施日 : 2004.08.07 | 最高気温 : 32.1 | 最低気温 : 25.1 | 天候 : 曇のち一時雨
284定点観測・解説
■2004年8月7日(土)実施:女性ノースリーブトップスうち、レイヤードスタイル
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