定点観測
2004.08.07

#284 | 実施日 : 2004.08.07 | 最高気温 : 32.1 | 最低気温 : 25.1 | 天候 : 曇のち一時雨

284定点観測Zoom-2・解説


■2004年8月4日(土)実施:男性半袖シャツ

<考察>

さて、もうひとつのズームアップアイテムは、こちら。何かと今年は動きが目立つ男の子だが、トレンドのアメカジスタイルの夏の定番アイテムとして、アロハシャツやボタンダウンシャツ、和柄シャツなどを着用する男子が目立つので取り上げることにした。

タンクトップやTシャツの上にシャツを羽織るスタイルはここ数年の男の子ファッションのキレイめ化=「ハイストリート」化の流れとしては定番スタイルだったが、今年はちょっとヤボったい柄のシャツ1枚でややヤボったく着崩したスタイルのストリート系のスタイルが復活。サンダル履きやロン毛ひとつ結びなど、全体的に気の抜けた古着中心の『Boon』っぽい雰囲気だが、実はヴィンテージもののデニムだったりアロハだったり、ウラ原宿系のブランドものだったりするようだ。

一方、シャツスタイルといえば青山や銀座、丸の内などで大増殖しているのが「メトロセクシャル男」たち。その定義は、『メトロセクシャル』(ソフトバンク パブリッシング)によると、
・ 21世紀を生きる男のトレンドセッター
・ 高い美的センスを持ち、都会に住む、ストレート(ゲイではない男)
・ ファッションやショッピングに金と時間を惜しまない男
・ 自らのフェミニンな面を抵抗なく受け入れる男
とこのこと。

まあ、もともとは90年代半ばに登場した作家のマーク・シンプソンによる造語で、03年には『NYタイムズ』や『エイジ』などでも取り上げられるほどNYでは話題になった「新しいライフスタイル」なのだとか。

可処分所得が高く、ファッションへの関心が上のどの世代よりも高く、モダンでクリエイティブなセンスもあり女性好き、というと、日本でもっとも近いのは『LEON』(主婦と生活社)が提唱する男性像かもしれない。

具体的なファッションのポイントとしては、カットソーではなくシャツ。ジーンズではなく仕立てのよいパンツ。シャツは第2、第3ボタンまで開け、できればネックレスなどをしていたり、リングやブレスレット、ポケットチーフやカフスなど、小物使いで、ちょっとやり過ぎなくらい「華のある着こなし」にするのが特徴だ。

いわゆるクラシコ系のスーツスタイルの延長にある「伊達男」的なスタイルが注目される状況は、一見80年代後半のバブル期に近しいようでもある。今はまだファッションが先行しており、「メトロセクシャル」の主な担い手は、業界人か30歳前後となっているが、東京都在住の40代の男性の4人に1人は独身という今、今後もっと「真正メトロセクシャル」が増加しても不思議はないだろう。

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