■調査当日の最高気温は26度。今年初めて秋の気配を感じることができた9月4日実施の定点観測だったが、翌週には再び30度を越える夏日が続くなど、なかなか「衣替え」をするタイミングがつかめない「季節の変わり目」である。
街の人々の服装もばらばら。01年ごろには「トレンド先取り族」=「ファッション・アディクトの台頭」と注目した真夏のブーツも今ではすっかり珍しくなくなり、一方では通年キャミソールやノースリーブというギャル・マインドは20代後半から30代へと拡大。となると、何をもってして「トレンド先取り」になるのかが、ますます見えにくいのが04年秋の特徴でもある。
そんななか、マスのトレンド・アイテムとして注目したのは「女性のウエストまわり、ベルト使い」である。今さらベルト?と思われるかもしれないが、渋谷、原宿、新宿の3地点の平均着用率(女性通行人に占める割合)が12.1%にまで浸透したのは今秋なのである。
■実は、90年代は、後半のギャル系ファッションを除き、あまりウエストをマークしない「ルーズ感」「カジュアル感」「ストリート感」が着こなしのポイントとなっていたが、01年ごろからか、腰に太いベルトを「アクセサリー感覚」で着用する人が台頭。定点観測でも01年5月に「女性ベルト着用、うち2段穴ベルト」として取り上げているので、ぜひバックナンバーも見て欲しい。
当時は、トップスが比較的タイトめで、ボトムスもクロップトパンツが多く、スパッツ+スカートの「スカパン」など、シンプルなアイテムをレイヤードするスタイルのワンポイントとして着用されていたが、今年は、スタッズやラインストーン、ビーズ、チェーンなどがあしらわれていたり、素材もレザーだけでなく、ハラコやメタル、パール、サテンなどベルト自体が存在感のあるデザインが豊富になっているため、着こなしもベルトを超え、「腰回りのアクセサリー」というスタイルになっているのが特徴。ということで、名称も「アクセサリ−・ベルト」とした。
■実際に街で観察・インタビュー調査した結果、ギャル、ストリート、コンサバOLといったトライブを越えた特徴が見えてきた。詳細は以下の通り。
(1) ギャルトレンドのミックス感、バランス感がポイント
超ショート丈のボーイッシュなピタTの場合は、やや太めのオーバーベルトでちらりと腰回りを露出し女らしさをアピール。パンツが極端なヒップハング、ローライダー、または太めストレートの場合は、太めでキラキラしたビジューが施された「オンナ度」の高いベルトでパンツのマニッシュな雰囲気を中和させるなど、ギャルトレンドのミックス感、バランス感がポイント。
(2)ギャルの特許だった「セクシー&ゴージャス」は20代、30代の上へ波及
コンサバOLと呼んでいた層のギャル化が目立った04年。ピンクやイエローといったカラフルなティア−ド・トップスや靴、バッグといった小物のスワロフスキーやビーズなど、華やかで女らしさの代名詞でもある「ビジュー感(装飾パーツ)」が特徴。ベルトもスパンコールやフリンジ、リボンなどがあしらわれたものをセレクト。1点加えるだけでゴージャス、セレブな雰囲気になる。
定点観測
2004.09.04
#285 | 実施日 : 2004.09.04 | 最高気温 : 27.0 | 最低気温 : 21.1 | 天候 : 曇一時雨
285定点観測・解説
■2004年9月4日(土)実施:女性ベルト着用うち、アクセサリーベルト
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