もう1つのズームアップアイテムがこれ。
90年代後半にマーケットを揺るがしたト−キョ−のギャル・ファッションは、21世紀になり、欧米のモード界やスーパーモデルを起点とするストリートファッションを経由し、日本全国のコンサバＯＬ層やストリート系へと波及した。

その代表的なアイテムともいえるのが「キラキラ」だ。ギャルがお姉系ギャル、ギャルミックス、ギャル・コンサバ、モテ系、セレブ系などと多様化した今現在も、バッグや靴はもちろんのこと、パンツやトップスのアクセント、ネイル、メイクと、キラキラはさらに幅広い部位で用いられるようになったのは周知の事実だろう。

そんななか、今春は、スワロフスキーやスパンコール、ビーズはもちろんのこと、シルバー系にはじまり、淡い色ながらもカラフルな半貴石系から黒やアンバーといった落ち着いた色に至るまで、幅広く「キラキラ」とした色調のアイテムが登場。なかでも、ゴールドベースのアイテムが目立つので、今回取り上げることにした。

アイテムとしては、ネックレスやブレスレット、リング、ピアスはもちろんのこと、バッグや靴、ベルト、スカーフなど実にさまざま。一部のオシャレさんのあいだでは、金ボタン使いのジャケットやワンピースなどが気になった。

また、ふと気がつくと、アイシャドーやベースメイクにゴールドの粒子が含まれているものが人気だったり、ネイルもゴールドベースのものが目立ってきた。

実は80年代にも、前半のDC系（デザイナーズ＆キャラクターズ）ファッションが台頭した後、同後半にゴールドのバッグや靴、ベルトなどがトレンドになったことがあったが、「ゴージャス」「セクシー」といったキーワードをストレートに表現していた当時とは異なり、00年代半ばの今春は、ギャルミックスな『グラマラス』や「リュクス」なイメージと、カジュアルミックス、ストリートミックスな「モードミックス」なイメージのスタイリングとなっているようだ。