定点観測
2003.01.11

#265 | 実施日 : 2003.01.11 | 最高気温 : 11.1 | 最低気温 : 5.5 | 天候 : 晴れ

265定点観測 ・解説


■ 実施日:2003年1月11日

2003年最初の「定点観測」。新年早々のプレサーベイを経て今回着目したのは、「ロングコート」である。

つい先月、今シーズンのアウターとしてエレガンス系もミリタリー&スポーツミックスにも共通するディテールとして「ファー付きフードトップス」をフィーチャーたが、新年になり、ストリートではファーアイテムが減少。代わりに、昨秋より急増している羽織るように着用するロング丈のアウターに、セールで購入した(と思われる)ブーツにパンツの裾をインするメンズっぽい「ブーツ・イン」スタイルが再び増えていた。


冬のアウターといえば、ここ数年、コンサバ系〜アダルト系を除きショート丈が主流だったが、02年11月に「ズームアップ」アイテム」として取りあげた「ロングカーディガン」や根強い人気の「首巻きもの(ショール、ストール、そしてロングマフラーなど)」をはらりと垂らすスタイリングの流れを受けてか、ストリート系の若者たちにも「タテ長のシルエット」が浸透。そこに、この1〜2年でぐっと増えたカジュアル・コンサバな「ネオHanako族」の影響で、定番アイテム「トレンチコート」も急増。ストリート全体でみると「ロングコート」がマス化したというわけだ。

比較的分りやすくするために、あえて雑誌で分類すると、『Zipper』系には太めのパンツ、またはスカートオンパンツにブーツイン、または+レッグウォーマーのもたもたっとしたシルエットにロングカーディガンのような柔らかい素材のロングコートを羽織る緩いスタイルが人気。

『spring』や『SEDA』『VITA』系には、先月取りあげたパンタクールやオバ丈(ヒザ下丈)スカートに細めシルエットのロングブーツ、または、スリムめのパンツをブーツインした上にトレンチコートを羽織り、ちょっと洗練された大人の女性の雰囲気が支持されているようだ。

ちなみに、『vivi』や『JJ』『Can cam』『Ray』系には、ファー付きロングコートやカラフルなヒザ丈のダッフルコート、ムートンなどが人気のよう。

そこに共通するのは、前を開けてトップスやボトムスのレイヤード感を見せるスタイル。ここ1〜2年の根強いトレンドであるレイヤード感を総括するようなスタイルが印象的だった。



また、今回は久しぶりにカウントアイテムに男性もカウントを実施した。ここ数年、ずっとスポーツ系のアウターが主流だった男の子にも、久しぶりにコートが復活(支持率としては低い数値となったが)。フラノやツイード、トレンチコートなど、茶系の靴や帽子などを合わせて、ストリートにちょっとエレガンス/トラッドがミックスした「ハイストリート」なスタイリングへと変化した点にも注目しておきたい。


●参考までに、ここ最近の秋冬の定点観測で取りあげたアウターは以下の通り。

  ・「レザー・ジャケット」00年11月
  ・「ショート丈・ファージャケット」01年2月
  ・「スエット素材トップ」01年11月
  ・「ピーコート」01年12月
  ・「フード付きダウンジャケット」02年1月
  ・「ショート丈アウター」02年2月
  ・「トレンチコート」02年3月

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