最高気温は30度前後とまだ残暑が厳しいなか、なぜか昨年に比べて気分は秋。そろそろ、サンダルやノースリーブが恥ずかしいような気分になるから不思議である。
クライアントさんとの関係で、半年ほど前から、本定点観測とは別に、毎月東京の都心部を横断し、ターゲットも広げた同様の質的調査を行っているが、8月の第3週末を過ぎた途端に、ノースリーブが減少し、ブーツの着用者がぐっと増え、ワンピースの色が白から黒へと変化したのが興味深い。
そんななか、今月は9月1日から始まったジャパンファッションウィークの取材のため、街頭でのプレサーベイは充分にできなかったが、コレクション会場に集まったメディアやバイヤー、その友人たちなど業界の人たちのファッションを観察する機会に恵まれ、編集会議で協議した結果、以下の3つを今月の観察テーマにすることにした。
●カウントアイテム(今もっとも流行っているアイテムやスタイル):
(1) 女性ブーツ
(2) 女性ショートブーツ
●ズームアップアイテム(次に流行りそう、または今らしく記録に残しておきたいアイテムやスタイル):
(1)ワントーン・コーディネート
(2)ボーダーアイテム
■まずは、ブーツについて。
<夏のブーツ>は、ストリートでは、かれこれ5、6年ほど前から見られたスタイルだが、同様に、ストリート系やギャル系から始まったショートパンツやミニスカートなど、ミニ丈のボトムスが今春は一般化。幅広いファッショントライブに支持されているので観察し、その支持率(通行人中に占める着用率を測定し算出)を調査することにした。
実は、2008年8月に「フリンジ」を取りあげた際に、ミネトンカを代表とするような、インディアンモカシンをベースにしたスエードのアンクル丈ブーツが多く見られたが、9月に入り、ギャル系にはムートン、リラックス系(『PS』を読むストリートミックス系やジャーナルスタンダードや、『InRed』などを好むコマザワンヌ系など)には、YOUが昔から履いているようなミドル丈のレザーブーツ(ウエスタンが急増中)が急増。また、『NYLON』を好む層には、ニットやコットン、リネンなどのコンビネーションやスタッズやリングなどが施されたデザインブーツが支持されていることが判明。よく観察すると、男性もギャル男系を中心に、デニムのブーツインスタイルが復活。まだ残暑だというのに、気がつくとブーツだらけという風景を形成していた。
各地点の女性のブーツ着用率は以下の通り。
・渋谷:約10.1%(n=1,993人)
・原宿:約9.8%(n=1,715人)
・新宿:約5.5%(n=1,444人)
暑い季節にブーツを履く理由としては、「ショートパンツとのバランスで足首にボリュームが欲しくて」、「足の太さを隠すため」など、日本人女性ならではの、足(レングス)に対するコンプレックスが多くあげられた。
なかには、「昨年の秋冬からずっとブーツを履いている」というショート丈パンツの若い女性も。「暑いのを我慢して履いていたら、季節が秋になり、トレンドを先取りしているかのような好印象になりラッキー」という感じだろうか。これも、トレンドのサイクルが早い東京のストリートならではの現象(=ストリートファッション)といえるだろう。
渋谷、原宿、新宿。上記3つのテーマがそれぞれの街で微妙に異なるファッションになっている点を意識しつつ、各ページをご覧ください。
なお、ワントーンコーディネート、ボーダーアイテムについては後日解説します。
ちなみに、2008年9月6日(土)、定点観測は333回目の実施を記録した。
■定点観測OVER VIEW・・・詳細はこちらからどうぞ
http://www.web-across.com/observe/cnsa9a000001jxmc.html
定点観測
report : 2008 |
09 / 06
#333 | 実施日 : 2008 / 09 / 06 | 最高気温 : 30.6 | 最低気温 : 24.7 | 天候 : 曇後晴
第333回定点観測
今夏、女性の約1割がブーツを着用!?
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