09/10AW東京コレクションレポート_翡翠
レポート
2009.04.01
ファッション|FASHION

09/10AW東京コレクションレポート_翡翠

3月25日(水)19:00〜@ラフォーレミュージアム原宿

「ヘア」をテーマに自由で強い現代女性像を表現

今年でブランド設立10周年を迎えるHISUI (ヒスイ)。デザイナーの伊藤弘子さんはニューヨークのファッション工科大学を卒業後、コム・デ・ギャルソンなどを経て、98年にアーティスト松岡武とともに、ファッション、インテリア、アートなど生活に関わる新しい価値観を作り出すことをコンセプトにしたユニット「ゼロゼロエスエス」を設立し、その後、99年に自身のブランド「翡翠(HISUI)」をスタートした。

09/10AWコレクションのテーマは「ヘア」。「PHYSICAL」をテーマに骨や筋肉、などをモチーフにしたデザインを発表した前回に引き続き、女性の体のパーツをテーマに掲げた。

「女性の命とも言われる髪の毛のモチーフに加え、今回はハイウエストやビッグシルエット等のシルエットで新しさを表現しました」(伊藤さん)。

まず始めに登場したのは、おかっぱヘアからインスパイアされたという、中央が短く両サイドが長いイレギュラーヘムのスカート。三つ編み風のケーブルニットを用いたニットガウンやセーターを組み合わせ、黒やカーキを基調としたミリタリー調のコーディネートだ。続いて登場したシャツやジャケットは、7:3分けのように、中心からずれた位置にボタンが付いているアシンメトリーな前の合わせが特徴。シルクサテンのドレスやチュニック風のミニ丈ワンピースにはアールヌーボー的な曲線のプリントが施されており、合わせるレギンスにもストライプの織り柄入りで、風になびく長い髪の毛を連想させる。

そして最後には、3本の毛糸をシワ加工し、リリアン状にしたモールを使ったアイテム群が登場。フードの頭頂部にモヒカン状にモールが付いたパーカーをはじめ、ボリューム感のあるモール素材のハイウエスト・ミニスカートなど、ファーやモールを髪の毛に見立てたアイテムが登場。そしてフィナーレを飾るのは、毛足が長いボリューム満点のファーコート。ストレッチ素材のスリムパンツを合わせ、全身黒のコーディネートでビッグシルエットを際立たせた。

「ある時はスーツ、ある時はワンピース、ある時はストリート感覚のカジュアルウェアというように、現代の女性の幅広いオケージョンに対応できるファッションを提案しました。また、ウェブサイトでも購入しやすいよう、コーディネートが簡単で、1枚で着ても複雑に見えるようなデザインを意識しました」(伊藤さん)。

消費不況を意識し、ブランドイメージをより分かりやすく打ち出しつつ、他にはないアイテム提案を心がけたという今シーズン。BGMは激しいロック。フェイスラインをぴったりと後ろになで付けたオールバックヘアや、マットな質感の色みをおさえたメイクも相まって、フェミニンでありながら強い、翡翠ならではのパワフルな現代女性像を打ち出していた。

撮影・取材・文/『ACROSS』編集部
Japan Fashion Week
日時:09年3月21日(土)〜3月29日(日)
主催:有限責任中間法人 日本ファッション・ウィーク推進機構
後援:経済産業省、独立行政法人 中小企業基盤整備機構、独立行政法人 日本貿易振興機構、知的財産戦略本部、外務省、文部科学省、国土交通省、東京都、社団法人 日本経済団体連合会、日本商工会議所、東京商工会議所、財団法人 日本アパレル産業協会、財団法人 ファッション産業人材育成機構、日本百貨店協会、社団法人 日本皮革産業連合会


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