BLESS TOKYO SHIBUYA LOUNGE(ブレストウキョウ シブヤラウンジ)
レポート
2009.09.22
ファッション|FASHION

BLESS TOKYO SHIBUYA LOUNGE(ブレストウキョウ シブヤラウンジ)

モバイル通販で人気のギャル系ブランドが神南にサロンを開設

ブランドコンセプトは「退屈な日常に
物語を」。09/10AWは故カートコバーン
にインスパイアされたグランジテイスト
のアイテムが揃う。
メインキャラクターに『JELLY』専属
モデルの高橋真依子さんを起用。
ヒョウ柄ダッフルコート12,600円(税込)
※完売の場合があります
トレンドのアイテムをより早く、
安く提供するのが同ブランドの
ポリシー。ワンピース4,800円〜、
ジャケット10,000円〜
ギャル系ブランドでは細身のシルエット
が主流だが、同ブランドはあえて
ゆったりしたサイズ感のアイテムを展開。
独特のミックス感が人気の理由。
プレスアシスタントの福元さとみさん。
自社モバイルサイトを中心にネット通販で販売を拡大しているギャル系ファッションブランド「BLESS TOKYO(ブレス トウキョウ)」の、アンテナショップ「SHIBUYA LOUNGE(シブヤラウンジ)」が2009年5月23日にオープンした。場所は、渋谷・公園通り裏手の神南1丁目。運営元である株式会社DTLJ(ディーティーエルジェイ)の本社も恵比寿から同所に移転。撮影スタジオも併設している。

「BLESS TOKYO」は、2007−08年秋冬シーズンにデビューし、同社が運営するモバイルサイト限定で販売をスタート。現在は、『モバコレ』『ファッションウォーカー』『egg store』等のネットモールへ出店を拡大し、『S Cawaii!』『nuts』『JELLY』等への雑誌掲載も多数。サイト演出に人気モデル(現在は『JELLY』専属・高橋真依子さん)を起用することでも話題を呼んでいる。

ディレクターを務めるのは、同社代表取締役でもある山崎みしえるさん。山崎さんはフリー編集者として、ファッション誌『FUDGE』『JILLE』『PS』の立ち上げ等に関わり、2000年に同社を設立。当初は雑誌の編集プロダクション事業を中心に手掛けていたが、ファッション誌の編集を行うなかで、日本人がファッションを海外に求めていた時代から、欧米人が日本のなかの東京に興味を持つ時代へと移り変わっていることを強く感じ、「雑誌作り以上のことができるのではないか」と思ったことから、同ブランドをスタートした。

「私が憧れていた、80年代、90年代前半くらいまでのファッション業界は、パリコレを頂点に日本には東コレがあり、ファッション専門学校を首席で卒業された方がブランド作る、というような、あるべきプロセスが存在しました。しかし、現在では、そういった構図はなくなって、ブランドを立ち上げるにも、コレクションをスタートして展示会でお客様を募ったり、まずは店舗を出すという時代ではなくなっていると思い、ネット通販から始めたんです」(株式会社DTLJ代表取締役・ディレクター/山崎みしえるさん)。

同ブランドは、2008年3月19日から1年間限定で、渋谷109にリアルショップを出店。09年春に契約満期で終了したことをきっかけに、神南にアンテナショップを移転、リニューアルオープンした。場所は渋谷区神南1丁目の、1階に「BEAMS(ビームス)」が入っているビルの3階。周辺には、有名セレクトショップが軒を連ね、「MISS SIXTY(ミスシックスティ)」や「JET FIELD(ジェットフィールド)」など、ここ数年でギャル系やギャル男系ブランドのショップも増加しているエリアである。

「神南は“世界の中の渋谷”という広い視点で見ると、裏原が持つインディーズ感やラフォーレを好きな女の子が望むようなボーイッシュ感等の原宿的な要素や、渋谷109に行く女の子が望むようなセクシーさやトレンド感、セレクトショップのグローバル感等、様々な要素がミックスされているエリアです。そういったミックス感のある場所に当ブランドが出店したらおもしろいと思いました」(山崎さん)

店内は自然のなかにある墓地がテーマ。パティ・スミスのミュージックビデオに登場するアメリカの墓地を発想源に、山崎さんが空間ディレクションを行った。黒を基調とした店内は、木製棚やアンティーク什器と明るすぎない照明の効果で、どこか温かみが感じられる。フロア全面積は約250平米、アンテナショップにはそのうち約70平米を充てた。

商品は、ネット通販で展開するフルラインナップが揃う。2009−10年秋冬シーズンのテーマは「Quiet & Loud」。ニルヴァーナのカート・コバーンの生前最後の映像にある、90年代グランジファッションを発想の源にした、古着のような風合いを出したフライトジャケットやトレーナー、ウェスタンブーツ等を展開する。アンテナショップと冠するように、ネット通販では取扱っていない古着やアンティーク雑貨等の実験的な商品導入も試みる。価格帯は、トレーナー4,000円〜、ワンピース4,800円〜、ジャケット10,000円〜、パンツ6,600円〜。

「実際に身につけてもらわないことには商品の良さは伝わりません。うちは自らファストファッションと断言していますが、お手頃価格で商品が提供できるのは、ブランドが努力してこそのこと。安いから悪い、高いから良いということではないと思っています」(山崎さん)。

同ブランドのコアな客層は、10代後半〜30代の女性。渋谷109での期間限定ショップには、高校生や母娘といった親子連れや外国人観光客に混じって、既存のマーケットにはないミックス感や新しさを求めて来店する人たちも少なくなかったという。移転リニューアル後は、通販ユーザーだけでなく、スタイリストやモデル、編集者等の業界関係者が多く来店しており、口コミで情報が広がることを狙っている。

5月22日にはオープニングパーティーを実施。山崎さんは2001〜2006年まで渋谷周辺のクラブでイベントを毎月開催していたそうで、そういった仲間が集まる “場所”としてもこのスペースを活用していきたいと語る。

「この場所を使って、今後もパーティーやイベントに取組みます。洋服と音楽とは切り離せないので、音楽イベントもやりたいですね」(山崎さん)。


取材・文/緒方麻希子(フリーライター/エディター)
BLESS TOKYO SHIBUYA LOUNGE(ブレストウキョウ シブヤラウンジ)
〒150-0041
東京都渋谷区神南1-15-1 マリービル 3F
TEL:03-5456-6450


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