シルバーウィークも終わり、あっという間に10月に突入。一般的には衣替えの季節だが、朝晩は涼しくなったものの、まだまだ日中は蒸し暑く(特にに通勤電車内)、秋冬ものに着替える気分には早い季節の変わり目の10月3日土曜日、第346回目となる「定点観測」を実施した。
ファッションのように、変化のスピードの早い<トレンド>を分析するのには、あえて視点や場所を定めて(定点)観察するアプローチが有効だ。今月もテーマを決めるため、前日までプレサーベイ(街を観察したり雑誌などをザッピングする)を実施したところ、新しいアイテムとしては、ニーハイブーツ(ひざ上までの超長いブーツ)を一部で見かけたものの、いろんな層に共通して「ミドル丈のブーツ」がマスのトレンドとして確認されたので、今回のカウントアイテムとした。
渋谷、原宿、新宿の3地点で観察・撮影(撮影点数3地点合計1,895カット)したところ、今初秋のブーツファッションには、以下のいくつかのトレンドのパターンが見られた。
もっとも多かったのは、先月取り上げたチェック柄のシャツやシャツワンピースにショートパンツ(デニムが多い)にミドル丈ブーツを合わせた「ボーイッシュ」なスタイル(写真上の左から2番目)。昨年履いていたミドル丈のミネトンカやペコスブーツや、ウエスタン風の履き口がVになっているものなども、+シャツですっかり「脱・フェミニン」な印象となっていた。
ついで目立ったのは、ギャル系に多かったエンジニアブーツやドクターマーチン、ウエスタンブーツなどの黒くてごつめのデザインブーツによるロックっぽいスタイルで、スタッズやビジュー、ポリスハットなどハードでマニッシュなロックっぽい小物類が幅広い層に浮上していた。
また、黒一辺倒だったレギンスから、柄タイツや光沢があるものなど、異素材のものへと進化しており、今秋冬さらに広がりそうだ(写真上のいちばん左、右から2番目)。
一方、『In Red』を読むような「ユルカジ(ユルいフェミニン・カジュアル)」の層には、ロング丈のニットやカットソーカーディガンなど、服は春から継続しているフェミニン感を残ししつつ、アウトドア系のブランドのブーツや、ドクターマーチンの8ホールのレースアップブーツなどで足下をマニッシュにする、という「フェミニン・ミックス」のバランス感へと変化。その延長線上に浮上していたのが、ロング丈スカートにリュック+ブーツの学生のようなリラックス感のあるスタイルだろう(写真いちばん下)。
もともと、アースデーマーケットやファーマーズマーケットといったエコ系やアート系のイベント、ワークショップの会場でよく見られるファッションだが、今秋都心部を中心に増えそうだ。
ところで、ブーツそのもののデザインに注目すると、子どもが長靴を履いたような、履き口が足にぴたっとしていない、ルーズめのシルエットが今年らしいことに気づく。
実は、昨年は今年よりも1ヵ月早い9月にカウントアイテムとして取り上げているブーツだが、今夏のグラディエーターやストラップ付きサンダル(またはクロックス!)等のブームを経て、ストラップがたくさん付いていたり、スタッズが施されていたり、足首あたりでワンクッション、シワ加工が施されていたり、はたまたオープントゥだったりなど、デザインのバリエーションがものすごく豊かになっているようだ。
そういえば、ハイカットスニーカーも足首近くのホールにはヒモを通さず、ベロを折り返して履いている姿が目立つ。
☆次回は、各地点のカウント(ミドル丈・ショート丈ブーツ着用率)の結果を報告します。また、各地点の街頭撮影のようすは土曜日に公開の予定です。
レポート
2009.10.05
ファッション|FASHION
第346回定点観測・速報
+マニッシュなブーツで「脱・フェミニン」感覚が街に浮上
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