3月に入ってから、街の色は「脱・黒」の流れが目立つ。まずはアウターが黒からベージュ〜茶系、カーキ系になっており、アイテムではトレンチコートが浮上。ミリタリーコートも復活している。
インナーも黒からベージュ、茶系に変化。バッグも黒一辺倒だった昨秋から一転。いつの間にか、茶系やナイロン、布の「脱・黒」に変わっているようだ。気がつくと、ヘアの色も明るめに変化しており、今春のトレンドカラーの「ヌードカラー〜ベージュ、白」への準備が整いつつあるといえそうだ。
そんななか、2010年3月6日土曜日に実施した第351回めの定点観測のカウントアイテムとして注目したのは、「柄のアイテム」。柄アウター、柄バック、柄タイツ、柄スカート、柄の巻きものなど、アイテムが多様化しているようすを観察しつつ、量的にはもっとも多い「柄のミニスカート/ミニパンツ」をカウントアイテムとすることにした。
・女性柄アイテム着用、うち、柄のひらミニ
・リュック
・レース・アイテム
当日の天候は雨のち時々曇り。最高気温は13.7度、最低気温は9.0度と、生憎の天候ではあったが、レインブーツのブームの浸透からか、数年前の透明のビニール傘が主流だったのが、大きめの柄のものが増えているなど、雨ファッションが豊かになっているようすが確認された。
カウントアイテム(=今の主流のファッショントレンド)とした「女性柄アイテム」の定義は、いちばん上に着たトップスまたはボトムスに柄が施されているものを着用する女性すべて、とした。「うち、柄のひらミニ」とは、丈がヒザより上の柄のミニスカートまたはミニ丈パンツのいずれかを着用する女性すべてとした。
では、さっそく各地点の着用率をみてみよう。
今回、渋谷の通行量が少なかったのは、パルコ・パート1の外観のフロアの張り替え工事の関係で、囲いができてしまっていたからか(3月20日現在は囲いが取れています)。
・渋谷:
全通行人数 1,380人
男性 659人(47.8%)
女性 721人(52.2%)
うち、スカート着用 243人(33.7%)
・女性柄アイテム着用 127人(17.6%)
うち、柄のひらミニ 41人(5.7%)
・原宿
全通行人数 2,838人
男性 1,162人(40.9%)
女性 1,676人(59.1%)
うち、スカート着用 851人(50.8%)
・女性柄アイテム着用 338人(20.2%)
うち、柄のひらミニ218人(13.0%)
・新宿
全通行人数 2,206人
男性 1,087人(49.3%)
女性 1,119人(50.7%)
うち、スカート着用 525人(46.9%)
・女性柄アイテム着用 251人(22.4%)
うち、柄のひらミニ 88人 (7.9%)
「柄アイテム」と聞いて、あれ、この前も取り上げたのでは?と気づいた人は「定点観測者・中級」を認定したい!
実は、「柄アイテム」という名称では、2008年4月に「柄アイテム、うち柄ドレス」、同8月に「柄アイテム、うち柄ワンピース/チュニック」と取り上げており、最初は黒だったワンピースドレスが、その後柄もの(主に小さな花柄)へと変化し、大ブームになったのは記憶に新しい。その後、2009年になり、「ウエストマーク」するようになり、ミニスカート/ミニパンツがトレンドからスタイルへと定着していったのである。
ちなみに、もう少し遡ると、2002年5月の時点で、「柄アイテム着用、うち柄ボトムス」として花柄を中心としたスカートを取り上げ、色や柄が派手になり、アウターにまで進化していったと、ストリートファッション史上は記録している。
つまり、2000年代前半に一度浮上した色や柄が2006〜2007年の「セレブブーム/高級メゾンブーム」の時にモノトーン調になり、「かっこいい」というキーワードが浮上したものの、2009/10年の秋冬になり、再び「かわいい」志向にゆり戻し。柄ものを今度はワンポイントで組み合わせるようになってきていると解釈することができるだろう。
おそらく、今春夏は、この柄アイテムと柄アイテムを組み合わせる、柄オン柄の絶妙なコーディネートを競うトレンドへと変化していくと予想される!
それぞれのスタイリングの詳細は下記をご覧ください。写真をクリックしていただくと、大きなサイズでご覧いただけます。
・「女性柄アイテム着用」OVERVIEW
http://www.web-across.com/observe/cnsa9a0000050m4x.html
レポート
2010.03.23
ファッション|FASHION
第351回定点観測・速報:柄アイテム
「脱・黒コーディネート」で、「かわいいファッション」に揺り戻し!
花柄スカートは、08年春夏のトレンドの再来?!
同じタグの記事
同じキーワードの記事