運営形態は、毎回会場を移しながら、およそ月1回のペースで開催される。第1回目が開催されたのは、無人島プロダクションと吾妻橋ダンスクロッシングが共同プロデュースする新スペース「SNAC」。そして第2回がCET(セット)エリアのカフェ/定食屋「フクモリ」。
この会場選びからも、いわゆるファッション業界のトレンドセミナーやシンポジウムとは異なる、自分目線での場所づくりに向けた彼らの意図が感じられる。会場を点々と移りながらして開催していくという軽やかさ、ゲリラっぽさはドリフターズ=漂流者を名乗る彼・彼女ららしい個性ともいえる。
告知/集客やコミュニケーションには、インターネットのソーシャルメディアが中心。Webでの告知は各セッションのモデレーターやパネラー、会場のウェブサイト、そしてtwitterで行われている。
そして各セッションは毎回USTREAM(以下USTと略)で彼ら自身がリアルタイム中継を行っているのも、注目したいポイント。セッションを中継するUSTの画面上ではtwitterのタイムラインが表示され、会場で参加することのできなかった視聴者もPCからチャットに参加し、リアルタイムで質問をすることもできる。ファッションセミナーなどに参加する機会の少ない地方の関係者やユーザーにとっては嬉しい試みである。
これまでドリフが開催してきた6つのセッションは、モデレーターやパネラー、そして観客によって集まる層に若干の違いこそあるものの、いずれも発信する側と受け取る側の敷居が低い点が面白い。
既存のファッションセミナーは、たとえばトレンド解説者対リテーラー、あるいはデザイナー対学生、という風に発信者と受け手の位置関係は決まってしまいがちだが、ドリフは壇上と客席の上下関係がなく、極めてフラットだ。
また、モデレーター自身が興味を持ったゲストパネラーを呼んでくるため、近い問題意識を持ちながらも多様な観客が集まっている印象だ。質疑応答の時間にも、会場/UST視聴者を含めて質問が活発に寄せられていた。