クリエイティブ・カンパニー「ANSWER(アンサー)」が運営するオルタナティブスペース「PUBLIC IMAGE 3D(パブリック・イメージ・スリーディー/以下3Dと省略)」が、オープンから多彩なジャンルの企画を連発し、注目を集めている。
ロケーションは東急田園都市線・池尻大橋駅から徒歩2分の住宅地。09年11月に同社が移転したのを期に、事務所スペースとビルの1Fフロアを共有する形で開設された。
この3Dでは、展覧会やトークイベントなどのリアルイベント展覧会/展示会を月に2回、トークイベントを月に1回以上のペースで開催。外部企画への貸し出しも行っているが、基本的には同社の自主企画が中心だ。
運営母体となるANSWRは、アートディレクションやウェブ制作、イベント制作から建築設計まで、幅広いジャンルの仕事を手がけるクリエイティブ・カンパニーである。同社の代表取締役・針谷建二郎さん http://www.kenjiroharigai.com/ 自身もアーティストとして活動しているクリエイターだ。
しかしこの3Dは、グラフィックデザインやアートに限定せず、映画『鉄男 THE BULLET MAN』とのタイアップイベントや、オタクカルチャーを含む多様なジャンルとも接点を持つカジュアルブランド「galaxxxy(ギャラクシー)」の展覧会など、ジャンルを超えた編集感のある企画を開催しているのが重要なところ。アートの世界でも注目を集めるChin↑Pomも登場するなど、スピード感のある企画を次々に繰り出している。毎週何かしら、面白い企画がここから発信されているという印象である。
「最初から3Dをアートギャラリーとして運営するつもりはありませんでした。スピード感のある面白いイベントを、ジャンル別のソートにこだわらずにセレクトしています。アートギャラリーが乱立しているところに新しく参入するのではなく、まず業界にこだわらず面白いことをやっていく方が伝わるし、結果として世の中にも貢献できると思うんです。普通の人が見て面白いと思ってもらえるようなものに広げていきたいですね」
と針谷さんは語る。
同社ではこの3Dだけでなく、様々な自社プロジェクトを「PUBLIC/IMAGE.LABEL」というメディアレーベルのもとで展開している。針谷さんの“自分たちのPublic Imageは自分たちで作る”という理念から名付けられたものだ。
活動のスタートは05年創刊のフリーマガジン「Public/image.magazine」創刊。同誌は無料のインディペンデント・マガジンながら、NIKEとのコラボレーションを実現させるなど、クリエイターから注目を集める存在だった。
07年にANSWRを設立した後はグラフィックからwebメディアへと活動のフィールドを広げ、ポータルサイト「Public-image.org」をスタート。ここをプラットホームとして、音楽レーベルの運営、アーティストのマネジメントなど、活動のフィールドを広げてきたのである。