旧千代田区区立練成中学校の校舎を改修した複合アート施設「3331 Arts Chiyoda」 http://www.3331.jp/ (以下3331と省略)が6月26日にグランドオープンを迎えた。住所は外神田6丁目で、地下鉄銀座線末広町から徒歩約2分の立地。秋葉原電気街の一角に位置している。かつては教室や職員室であったスペースに、アートギャラリーやクリエイター/企業のオフィスなどが入居している。
3月のプレオープンからすでに、アートギャラリーやクリエイターのオフィスが入居して注目を集めていた。グランドオープンにあたってはカフェスペースやラウンジ、さらにレンタル式の屋上菜園などが設置され、本格的に活動をスタート。地域住民や観光客など誰でも気軽に利用できる、よりオープンなカラーを打ち出している。
施設は地下1階から3階、さらに屋上までを含む全館をリノベーション。1階にはメインギャラリーを配し、3331が注目するアートシーンを展覧会として公開している。グランドオープンを記念する企画は「3331 Presents TOKYO:Part1」。“東京の新しい地域文化としての可能性を表現する”という狙いのもと、ここを拠点に活動するギャラリーやクリエイターが選んだ作品が集められたグループ展で、引き続きPart2を開催する。
南側に隣接する区の公園と柵などを設けずに一体化し、大階段でそのまま施設1Fのデッキ部分にアプローチできる開放感が外観面の特色。エントランス横のカフェ「foodlab 3331」、資料を閲覧しながらくつろげるラウンジスペースも設けられ、これは誰でも利用することができる。学校建築の味わいを随所に残しながらも、路面店としても十分勝負できるクォリティ感がある。
地下1階から3階の各部屋には、共用の活動スペースのほか、g3/gallery(トリプルジー・ギャラリー)http://g3tokyo.lolipop.jp/、バンビナート・ギャラリー http://www.bambinart.jp/ 、谷門美術 http://tanikado.com/ といったアートギャラリーが入居。さらに株式会社アジール http://www.asyl.co.jp/ (デザイン会社)やボストーク株式会社 http://www.boctok.co.jp/ 、クリエイティブ・マガジン「+81」 http://www.plus81.com/gallery/jpn/ のギャラリースペースといった多彩なジャンルのクリエイターの活動拠点が入居している。3Fにはシェアオフィスも設けられ、ここにもクリエイティブ/アート系の個人や企業が入居している。入居者同士が連携しながら表現制作活動を行う例もあり、クリエイター村のような場を形成しつつある。
開館時間は10〜21時、休館日は正月/盆休みのみという運営面も、こうしたパブリックな性格の施設としては珍しい。アートギャラリーとして見ても、東京のアートギャラリーは閉館時間が早く、また日曜休館のところも多いわけで、これだけでもアートファンにとっては利便性が高いといえるだろう。
さらに秋葉原電気街の一角というロケーションは、日本のアニメやマンガ、オタクカルチャーに国内/国外の観光客から注目が集まるいま、幅広い集客を望める絶好のロケーションだ。こうしたサブカルチャーがアートとの共通領域を広げつつある現在、この場所にアートを発信する拠点が生まれた意味は大きい。