00年代後半以降ずっと続いているミニ丈ボトムス人気。
「ちょい足し」で差別化を図るも、それもマストレンドに。
そろそろ異なるシルエットが浮上する?
2011年最初の定点観測。もっとも流行っているスタイルということで注目したのは、「女性ミニ丈ボトムス、うち+ショートブーツ」だ。
え?また!? と思われる方も少なくないだろうが、原宿・表参道、銀座、渋谷とプレ定点(プレサーベイ)を行った結果、今のトレンドの根底にあるのは、個々のアイテムよりも、「ミニ丈+ニョッキリ足にショートブーツ」というシルエットであることを再確認し、改めて、通行人中に占める着用率を調査し、そのトレンドを数値化を試みることにした。
「ミニ丈」の定義は、膝上丈のボトムスを着用している女性すべて。スカートかパンツか、素材や色などは問わない、とした。「うち、+ショートブーツ」のショートブーツの定義は、もともと長靴の別称でもあるブーツ=足首が覆われている靴で、丈が膝と足首の距離を10とした時に4以下の丈のものすべて、とした。
結果は、もっとも若者が多かった原宿地点でなんと約38.3%(!)がミニ丈ボトムスを着用。さらに、ミニ丈ボトムス+ショートブーツは14.8%だった。全国大都市とニアイコールのトレンド感を示す新宿地点でも、ミニ丈ボトムスの着用率は約28.0%に。+ショートブーツのスタイル着用率は約12.2%となった。一方、このところ来街者数が減少している渋谷地点では、ミニ丈ボトムスの女性は約17.6%と原宿の約半分に。+ショートブーツは新宿の約半分と、他地点とは異なるトレンドを示していた。
具体的に分類すると、すっかり全国区になった「sweet」系女子には「ひらミニ+キャメルか黒のショート丈コート+ブーティ」のモテ〜カワイイが定番スタイルだが、「p.s.」系にはデニムやコーデュロイ、ウールなど厚手の素材のショートパンツで元気〜快活なミニ丈ボトムスのスタイリングが主流。さらに「ミリヤ系女子(ギャル系)」には、シャツ+ジャケットコート+ショートパンツ+黒のブーティとモノトーンで強い女性のイメージが人気のよう。
ショートブーツは、メガヒットとなったミネトンカやUGG(アグ)が圧倒的に多かったが、これは防寒という機能性がファッション性よりも勝っている今の時代感覚からだろう。ファッションのトレンドの流れからすると、昨年から浮上しているトレッキングシューズやドクターマーチンなどが徐々に増えており、フェミニンでかわいいものから、ゴツくてラフ、マニッシュ、快活なデザインのものへと感覚がシフトしているようすも確認された。
今回の東京のストリートにおけるミニ丈ボトムスのトレンドの起源は2005年にまで遡る。最初はヒザ丈ぐらいだったのが、徐々に短くなり、さらに30代、40代(!)へと広がり、同時に、+レギンスやトレンカ、カラータイツ、柄タイツ、デザインソックスなどレングスのアイテムの多様化と、ブーティやニーハイブーツ、トレッキングブーツ、ムートンブーツなど靴の多様化が進んでおり、ひとことでいうと、00年代後半〜10年は、「ボトムスのコーディネート(レイヤード)」の時代だったといえるだろう。
■渋谷地点のミニ丈ボトムス、うち+ショートブーツ
www.web-across.com/observe/cnsa9a00000715i9.html#shibuya_top
■原宿地点のミニ丈ボトムス、うち+ショートブーツ
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■新宿地点のミニ丈ボトムス、うち+ショートブーツ
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